勇者がレベル1でも仲間が全て最強クラスなら世界を救えるんじゃないか説

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第36説

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一晩中町を駆け回って、またクエストで当座の資金を確保すると、疲れ果てて宿に戻ってきた僕。

横の部屋で、おそらく周り一面高級チーズの夢を見ながら爆睡するタロピンを羨ましく思いながらも、僕は自室で明日(というかもう日付が変わっているので今日)の予定を立てた。

例の武闘家、『最強の仲間』への手掛かりは途絶えてしまったが、強い仲間探しの歩みを止める訳にはいかない。

せっかく当座の目標にしていたアリュール王国に着いたのだ。まずは起きたら『冒険者の酒場』にすぐに向かって、最強、あるいはそれに近いレベルの仲間を探そう。

戦わない勇者である僕にとって、この『強い仲間』という部分が一番の肝であり、絶対に妥協できない点だ。(タロピンはそれ以外の点で役に立つため、多少は妥協するとして)

パーティーの最大人数が4人までと限られている以上、弱い冒険者は不要、『量』だけあったって仕方ない、とにかく冒険者の強さ、『質』の部分にこだわって……。

「グガ~ッ、グガ~ッ」

あまりに疲れすぎて、僕はそのまま机に突っ伏して爆睡していた。

翌朝、僕が眠らずに一晩中町を駆け回っていたことなど知らないタロピンが、偉そうに早起き先輩ヅラして僕を起こしにきた。(ネズミ先輩?)

「ポッポポポポポポォッポォッ~!!ポッポポポポポポォッポォッポポッポォッ~!!ポッポッポッポッポッポッいつまで寝とぉ~んねぇ~んてっか!!フラジールは~ん!!朝やで~!!いつまで寝とんねん、はよ起きぃや~!!寝すぎ寝すぎ!!寝すぎだから!!もぉ~、ほんま寝ぼすけさんなんやから~」(寝ぼすけさんの歌?)

ムカッ!!ナニコラタココラッ!!誰が寝ぼすけさんだッ!!そもそも貴様と俺とでは睡眠時間が違うのだよ睡眠時間がッ!!何がポッポポだよ気でも触れたかッ!!高級チーズ腹一杯食い散らかして、そのまま部屋で爆睡してたネズミが言えた義理かこの野郎ッ!!ネズミだけにこのままネズミ講にハメたろかコラッッッ!!(?????)

そんなことはどうでもいいとして、眠らずに一晩中パーティーのために頑張ってたのに、寝ぼすけさん呼ばわりは少しムカッときたのは事実なのだが、だからといってそれを全部暴露するのは男らしくないと思ったので、タロピンの前では黙ってそのまま寝坊したように装った。(ていうか、サリドの洞窟でタロピンはサルバトルに、僕が深夜にクエストを頑張っていることは聞いていたはずなので、もう少し発言に配慮してもらってもいいんじゃないかとは思った。まさかもう忘れてる!?高級チーズのことは末代まで覚えてるくせに!!)(?)

普段なら5往復ビンタの刑なのだが、まあええわ、ネズミの言動にイチイチ目くじらを立てている場合ではない、今日は朝から冒険者の酒場に入り浸って(?)、そのまま夜まで仲間になりうる冒険者を吟味する予定なのだから。

「早く行くぞタロピン!!本日目指すは冒険者の酒場だ!!」

「早く行くぞタロピン!!って、威勢よく言うとるけどアンタが寝坊したんやがなっ!!とはいえよっしゃ、案内はワイにお任せやっ!!」

う~ん、お任せやっ!!と自信満々に言われても、確かに昨日の時点では、先に町を探索していたタロピンの方が道に詳しいのは事実だったけど、僕も昨日の夜にクエストで町を走り回ったから、実はもうキミよりも町の構造に関しては詳しいんだよねwwwwとは思わないでもなかったのだが、タロピンがとにかく張りきっていたのでそれを潰してしまうのも可哀相と思い、そのまま道案内を任せて僕たちは冒険者の酒場へと向かった。
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