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第24説
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「ワイの名はタロピン。この洞窟から貴重な鉱石を掘り出しては魔王様に上納している、ブラックネズミ団のタロピンや」
タロピン、逃げ足と鍵開けが得意な、ネズミのタロピンか。
ふむ、戦力としてはあまり役には立たなさそうだが、確かに連れていくと色々と役に立ちそうではある。
僕が求める『最強の仲間』ではどう見てもないが、それらの仲間が揃うまでは、冒険に連れていく価値はあるかもしれない。
最強の仲間を見つけるまでは、あまり仲間を増やしすぎてもいけないのだけど。アリュール王国に着けば、サルバトルとはお別れしないといけないのだし……。それが当初の約束だからね……。
ちなみに、ブラックネズミ団とはタロピンが勝手に名付けた団名であり、『働かせ方がブラック』という意味らしく、別にネズミの色のことではないらしい。(?)
「たまに爆弾の振動で洞窟が震える時があるけど、あの爆弾は?」
「ああ、あの爆弾で洞窟を掘り進める作業を、ワイらが毎日やらされてまんねん。ほんま、親玉は一切手を汚さず、ワイらに全ての作業を押し付けてるんやからな。そのくせ魔王様への手柄は全て自分が独り占めしてるんやから、ほんまやってられまへんで」
「むう……ネズミたちに指示を出している親玉がいるのか?」
「そうや。そしてこの洞窟の出口はネズミたちの親玉、『ネイズミー』が管理してるんや。つまり、その親玉を倒さん限りは、この洞窟を出ることは不可能いうこっちゃな。あのアホ、ほんまネズミ使い(?)が荒くて、そのくせ強欲で自分の利益しか考えていない最低の奴なんや、ワイも恨みしかない。ネイズミーに積年の恨みを晴らせるんであれば、力貸しまっせ!!」
「なるほど、その親玉のネイズミーとやらは、みんなに恨みを買っている訳だ。タロピン、キミが仲間のネズミたちに呼びかけたら、呼応して『クーデター』を起こしてくれそうなネズミは何ネズミいる?」
「う~ん。少なくとも、毎日現場で働かされているネズミたちは、皆賛同してくれるはずや。別にここで働いているからといって、いい思いをさしてもらえとるという訳でもないしな。ただ……」
「何かあるのか?」
「ネイズミーの強力な側近である、『ギミィ』と『ダリヒー』に関しては、どのような策を弄しようと、絶対に寝返ることはない。奴らはネイズミーに特別な寵愛を受けとるから、その忠誠心も別格やねん。二匹を合わせた力は、下手するとネイズミーより強いかもしれんわ」
「ふむ、ではクーデターを起こした場合、ネズミたちでその二匹を抑え込むことは可能か?」
僕はサルバトルが言わんとしていることが分かった。
僕の思考を読んだかのように、サルバトルはニヤリと笑った。
「そう。側近さえ抑え込めば、あとは親玉一匹。ネイズミーは我々が倒すのだフラジールよ」
タロピン、逃げ足と鍵開けが得意な、ネズミのタロピンか。
ふむ、戦力としてはあまり役には立たなさそうだが、確かに連れていくと色々と役に立ちそうではある。
僕が求める『最強の仲間』ではどう見てもないが、それらの仲間が揃うまでは、冒険に連れていく価値はあるかもしれない。
最強の仲間を見つけるまでは、あまり仲間を増やしすぎてもいけないのだけど。アリュール王国に着けば、サルバトルとはお別れしないといけないのだし……。それが当初の約束だからね……。
ちなみに、ブラックネズミ団とはタロピンが勝手に名付けた団名であり、『働かせ方がブラック』という意味らしく、別にネズミの色のことではないらしい。(?)
「たまに爆弾の振動で洞窟が震える時があるけど、あの爆弾は?」
「ああ、あの爆弾で洞窟を掘り進める作業を、ワイらが毎日やらされてまんねん。ほんま、親玉は一切手を汚さず、ワイらに全ての作業を押し付けてるんやからな。そのくせ魔王様への手柄は全て自分が独り占めしてるんやから、ほんまやってられまへんで」
「むう……ネズミたちに指示を出している親玉がいるのか?」
「そうや。そしてこの洞窟の出口はネズミたちの親玉、『ネイズミー』が管理してるんや。つまり、その親玉を倒さん限りは、この洞窟を出ることは不可能いうこっちゃな。あのアホ、ほんまネズミ使い(?)が荒くて、そのくせ強欲で自分の利益しか考えていない最低の奴なんや、ワイも恨みしかない。ネイズミーに積年の恨みを晴らせるんであれば、力貸しまっせ!!」
「なるほど、その親玉のネイズミーとやらは、みんなに恨みを買っている訳だ。タロピン、キミが仲間のネズミたちに呼びかけたら、呼応して『クーデター』を起こしてくれそうなネズミは何ネズミいる?」
「う~ん。少なくとも、毎日現場で働かされているネズミたちは、皆賛同してくれるはずや。別にここで働いているからといって、いい思いをさしてもらえとるという訳でもないしな。ただ……」
「何かあるのか?」
「ネイズミーの強力な側近である、『ギミィ』と『ダリヒー』に関しては、どのような策を弄しようと、絶対に寝返ることはない。奴らはネイズミーに特別な寵愛を受けとるから、その忠誠心も別格やねん。二匹を合わせた力は、下手するとネイズミーより強いかもしれんわ」
「ふむ、ではクーデターを起こした場合、ネズミたちでその二匹を抑え込むことは可能か?」
僕はサルバトルが言わんとしていることが分かった。
僕の思考を読んだかのように、サルバトルはニヤリと笑った。
「そう。側近さえ抑え込めば、あとは親玉一匹。ネイズミーは我々が倒すのだフラジールよ」
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