15 / 48
第15説
しおりを挟む
翌朝、目が覚めると隣からまだサルバトルのイビキが聴こえていたので、僕はその間に用事を済ませておこうと思い、一人宿屋を出て防具屋へ向かった。
昨夜は正直あまり眠れなかったのだけど……。ていうか、サルバトルいつまで寝とんねん……昨日僕より先に酔い潰れてただろ……激しいイビキと歯ぎしりでグガガギギギじゃないねん……よく眠れたご様子で羨ましいなオイ。(?)
まあ、それだけ戦闘で疲れていたと思うしかないか~などと考えつつ、僕は目の下のくまを擦りながら、到着した防具屋に入った。
防具屋では銅の盾と鎖かたびらを購入して、すぐにその場で装備させて貰った。
他に『皮の帽子』とかも販売してあったのだが、皮の帽子……?これを被ることによって、例えばモンスターの攻撃を頭頂部に喰らったとして、こんな柔らかいもので衝撃が緩和されるか?めちゃくちゃ堅い兜とかなら防具としての意味も分かるのだが、こんなもん被っても何の意味もないやろwwww被るのは防具屋のオッサンが被ってたカツラだけにしろやwwwwwと思い、限りあるお金の無駄なので敢えて購入しなかった。
指摘こそしなかったものの、そこの防具屋の店主の頭部が、明らかにカツラだったのである。(?)
いや、冒険者が頭に防具装着する前に、自分の頭に防具装着してどうすんねんwwwwある意味防具屋の鑑じゃねえかwwwww(???)
別にオッサンの頭装備の話はどうでもいいのだが、購入した銅の盾と鎖かたびらに関しては、当然セットで購入するということで50ゴルドまけてもらい、合計250ゴルドになった。
このへんの交渉術は、最早戦わない勇者にとってはお決まりのパターン、最低限のたしなみ(?)と言えるだろう。
それと、不要になったお古の木の盾と布の服は、少し色をつけて下取りしてもらったので、それが合計で50ゴルド。支出250と収入50で差額200ゴルドの出費ということで、残りの全財産は650ゴルドとなった。
これで冒険に出る前のお買い物が全て完了なら良いのだが、まだ道具屋に寄らなくてはならない……。使えば使うほど、後で稼ぐために走り回るのは自分なので、大きな出費が怖い……。(逆に言えば、出費が怖いからこそ節約する気持ちが起きて、無駄な買い物はしなくなるからいいんじゃないかとする説もある)
道具屋に到着すると、まずは使い果たした薬草を70個まとめ買いして、例の如く交渉で『おまけ』の薬草30個を付けてもらった。(ここまで毒消し草は1個も使わなかったから、アイリス村でおまけに貰った10個丸々残っている。そのため、ここでは毒消し草を貰わない代わりに、その分を薬草にして頂いたのだ。毒消し草に関しては、本当にお金がなくなった時に全て売り払って当座の軍資金にするという、転ばぬ先のつえ、『真に困り果てた時の最後の砦』としても考えてはいる。勿論、毒状態になってしまったら使わないと死んでしまうので、その時はさすがに使っていくが)
薬草の他に、道具屋で2個だけ購入したのは『煙玉』。
追いつめられた時に地面に投げつけると、しばらくの間煙を発して、モンスターの目くらましをしてくれるというスグレモノだ。
先日のウルフに襲われて絶対絶命の時など、自分の力だけではどうしようもない時に、緊急回避として使えるのはあまりにも大きい。
その絶大な効果から、本当はもっと大量に購入したいのだが、なにしろ1個が25ゴルドという高額であり、手持ち資金との兼ね合いもあって2個という購入数となった。
薬草が70個で350、煙玉が2個で50、合計400ゴルドの出費(かなり痛い……)で、これで残りの全財産は250ゴルドとなった。
正直、この残り額はだいぶキツい……。次の目的地では僕だけメシ抜きで、お金が貯まるまでまた村中を駆けずり回ることになるかもな……。
お金はかなり飛んでいってしまったが、せっかく奮発して防具も新調したのだし、これで低レベルモンスターの攻撃一発くらいなら耐えられるようになったものと、自分では思いたい。
一発耐えられればサルバトルにかかる負担もかなり軽減されるし、だいぶ世界、『見える景色』というものが違ってくるものと思う。
僕は新しい装備を身につけて、まだ宿屋で豪快なイビキをかいているサルバトルを起こしにいった。
アンタがのんきに寝ている間に、クエストからお金のやりくりから、こっちは色々と大変だったんスよというのは、けして言わないことにする。
何故なら、それが戦わない勇者としての努めだから。
昨夜は正直あまり眠れなかったのだけど……。ていうか、サルバトルいつまで寝とんねん……昨日僕より先に酔い潰れてただろ……激しいイビキと歯ぎしりでグガガギギギじゃないねん……よく眠れたご様子で羨ましいなオイ。(?)
まあ、それだけ戦闘で疲れていたと思うしかないか~などと考えつつ、僕は目の下のくまを擦りながら、到着した防具屋に入った。
防具屋では銅の盾と鎖かたびらを購入して、すぐにその場で装備させて貰った。
他に『皮の帽子』とかも販売してあったのだが、皮の帽子……?これを被ることによって、例えばモンスターの攻撃を頭頂部に喰らったとして、こんな柔らかいもので衝撃が緩和されるか?めちゃくちゃ堅い兜とかなら防具としての意味も分かるのだが、こんなもん被っても何の意味もないやろwwww被るのは防具屋のオッサンが被ってたカツラだけにしろやwwwwwと思い、限りあるお金の無駄なので敢えて購入しなかった。
指摘こそしなかったものの、そこの防具屋の店主の頭部が、明らかにカツラだったのである。(?)
いや、冒険者が頭に防具装着する前に、自分の頭に防具装着してどうすんねんwwwwある意味防具屋の鑑じゃねえかwwwww(???)
別にオッサンの頭装備の話はどうでもいいのだが、購入した銅の盾と鎖かたびらに関しては、当然セットで購入するということで50ゴルドまけてもらい、合計250ゴルドになった。
このへんの交渉術は、最早戦わない勇者にとってはお決まりのパターン、最低限のたしなみ(?)と言えるだろう。
それと、不要になったお古の木の盾と布の服は、少し色をつけて下取りしてもらったので、それが合計で50ゴルド。支出250と収入50で差額200ゴルドの出費ということで、残りの全財産は650ゴルドとなった。
これで冒険に出る前のお買い物が全て完了なら良いのだが、まだ道具屋に寄らなくてはならない……。使えば使うほど、後で稼ぐために走り回るのは自分なので、大きな出費が怖い……。(逆に言えば、出費が怖いからこそ節約する気持ちが起きて、無駄な買い物はしなくなるからいいんじゃないかとする説もある)
道具屋に到着すると、まずは使い果たした薬草を70個まとめ買いして、例の如く交渉で『おまけ』の薬草30個を付けてもらった。(ここまで毒消し草は1個も使わなかったから、アイリス村でおまけに貰った10個丸々残っている。そのため、ここでは毒消し草を貰わない代わりに、その分を薬草にして頂いたのだ。毒消し草に関しては、本当にお金がなくなった時に全て売り払って当座の軍資金にするという、転ばぬ先のつえ、『真に困り果てた時の最後の砦』としても考えてはいる。勿論、毒状態になってしまったら使わないと死んでしまうので、その時はさすがに使っていくが)
薬草の他に、道具屋で2個だけ購入したのは『煙玉』。
追いつめられた時に地面に投げつけると、しばらくの間煙を発して、モンスターの目くらましをしてくれるというスグレモノだ。
先日のウルフに襲われて絶対絶命の時など、自分の力だけではどうしようもない時に、緊急回避として使えるのはあまりにも大きい。
その絶大な効果から、本当はもっと大量に購入したいのだが、なにしろ1個が25ゴルドという高額であり、手持ち資金との兼ね合いもあって2個という購入数となった。
薬草が70個で350、煙玉が2個で50、合計400ゴルドの出費(かなり痛い……)で、これで残りの全財産は250ゴルドとなった。
正直、この残り額はだいぶキツい……。次の目的地では僕だけメシ抜きで、お金が貯まるまでまた村中を駆けずり回ることになるかもな……。
お金はかなり飛んでいってしまったが、せっかく奮発して防具も新調したのだし、これで低レベルモンスターの攻撃一発くらいなら耐えられるようになったものと、自分では思いたい。
一発耐えられればサルバトルにかかる負担もかなり軽減されるし、だいぶ世界、『見える景色』というものが違ってくるものと思う。
僕は新しい装備を身につけて、まだ宿屋で豪快なイビキをかいているサルバトルを起こしにいった。
アンタがのんきに寝ている間に、クエストからお金のやりくりから、こっちは色々と大変だったんスよというのは、けして言わないことにする。
何故なら、それが戦わない勇者としての努めだから。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる