勇者がレベル1でも仲間が全て最強クラスなら世界を救えるんじゃないか説

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第15説

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翌朝、目が覚めると隣からまだサルバトルのイビキが聴こえていたので、僕はその間に用事を済ませておこうと思い、一人宿屋を出て防具屋へ向かった。

昨夜は正直あまり眠れなかったのだけど……。ていうか、サルバトルいつまで寝とんねん……昨日僕より先に酔い潰れてただろ……激しいイビキと歯ぎしりでグガガギギギじゃないねん……よく眠れたご様子で羨ましいなオイ。(?)

まあ、それだけ戦闘で疲れていたと思うしかないか~などと考えつつ、僕は目の下のくまを擦りながら、到着した防具屋に入った。

防具屋では銅の盾と鎖かたびらを購入して、すぐにその場で装備させて貰った。

他に『皮の帽子』とかも販売してあったのだが、皮の帽子……?これを被ることによって、例えばモンスターの攻撃を頭頂部に喰らったとして、こんな柔らかいもので衝撃が緩和されるか?めちゃくちゃ堅い兜とかなら防具としての意味も分かるのだが、こんなもん被っても何の意味もないやろwwww被るのは防具屋のオッサンが被ってたカツラだけにしろやwwwwwと思い、限りあるお金の無駄なので敢えて購入しなかった。

指摘こそしなかったものの、そこの防具屋の店主の頭部が、明らかにカツラだったのである。(?)

いや、冒険者が頭に防具装着する前に、自分の頭に防具装着してどうすんねんwwwwある意味防具屋の鑑じゃねえかwwwww(???)

別にオッサンの頭装備の話はどうでもいいのだが、購入した銅の盾と鎖かたびらに関しては、当然セットで購入するということで50ゴルドまけてもらい、合計250ゴルドになった。

このへんの交渉術は、最早戦わない勇者にとってはお決まりのパターン、最低限のたしなみ(?)と言えるだろう。

それと、不要になったお古の木の盾と布の服は、少し色をつけて下取りしてもらったので、それが合計で50ゴルド。支出250と収入50で差額200ゴルドの出費ということで、残りの全財産は650ゴルドとなった。

これで冒険に出る前のお買い物が全て完了なら良いのだが、まだ道具屋に寄らなくてはならない……。使えば使うほど、後で稼ぐために走り回るのは自分なので、大きな出費が怖い……。(逆に言えば、出費が怖いからこそ節約する気持ちが起きて、無駄な買い物はしなくなるからいいんじゃないかとする説もある)

道具屋に到着すると、まずは使い果たした薬草を70個まとめ買いして、例の如く交渉で『おまけ』の薬草30個を付けてもらった。(ここまで毒消し草は1個も使わなかったから、アイリス村でおまけに貰った10個丸々残っている。そのため、ここでは毒消し草を貰わない代わりに、その分を薬草にして頂いたのだ。毒消し草に関しては、本当にお金がなくなった時に全て売り払って当座の軍資金にするという、転ばぬ先のつえ、『真に困り果てた時の最後の砦』としても考えてはいる。勿論、毒状態になってしまったら使わないと死んでしまうので、その時はさすがに使っていくが)

薬草の他に、道具屋で2個だけ購入したのは『煙玉』。

追いつめられた時に地面に投げつけると、しばらくの間煙を発して、モンスターの目くらましをしてくれるというスグレモノだ。

先日のウルフに襲われて絶対絶命の時など、自分の力だけではどうしようもない時に、緊急回避として使えるのはあまりにも大きい。

その絶大な効果から、本当はもっと大量に購入したいのだが、なにしろ1個が25ゴルドという高額であり、手持ち資金との兼ね合いもあって2個という購入数となった。

薬草が70個で350、煙玉が2個で50、合計400ゴルドの出費(かなり痛い……)で、これで残りの全財産は250ゴルドとなった。

正直、この残り額はだいぶキツい……。次の目的地では僕だけメシ抜きで、お金が貯まるまでまた村中を駆けずり回ることになるかもな……。

お金はかなり飛んでいってしまったが、せっかく奮発して防具も新調したのだし、これで低レベルモンスターの攻撃一発くらいなら耐えられるようになったものと、自分では思いたい。

一発耐えられればサルバトルにかかる負担もかなり軽減されるし、だいぶ世界、『見える景色』というものが違ってくるものと思う。

僕は新しい装備を身につけて、まだ宿屋で豪快なイビキをかいているサルバトルを起こしにいった。

アンタがのんきに寝ている間に、クエストからお金のやりくりから、こっちは色々と大変だったんスよというのは、けして言わないことにする。

何故なら、それが戦わない勇者としての努めだから。
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