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第13説
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村人役の人は気にせずに村の中に進むと、今度は本物の村人(?)に聞いたりしながら、僕は今夜の宿を見つけた。
「やあ、よく来たね。ここはルハナ村の宿屋。泊まっていくかい?一人一晩100ゴルドだよ」
「はい、入口の方にもう一人いるので、二部屋お願いします。すぐに呼んできますね」
僕は無事に今夜の宿が確保できたことに喜び勇んで、すぐに待ってくれているサルバトルに報告しにいった。
「サルバトルさぁ~ん!!宿取れましたよぉ~!!こっちこっち~!!」
なんと、サルバトルは飛び上がって喜んで、とても嬉しそうに宿屋に走っていった!!
むう……いかんいかん、なんか仲間の役に立てた、貢献できたことが嬉しくて、ついはしゃいでしまった……。こんなの僕のキャラが崩れてしまうじゃないか……以後気をつけないと……。(?)
宿に荷物を置いて身軽になると、今日は冒険の初日の記念日ということも兼ねて、少し奮発して豪華な晩餐で英気を養った。
「さあどうぞ。お財布は全て僕が持ちますから、サルバトルさんは何も遠慮することなく、お腹いっぱい行っちゃってください」
「ありがとう。今日は貴殿もよく頑張った。さあ、まずは乾杯しよう」
サルバトルはお酒、僕はまだ果物のジュースだったけど、僕たちはチリンとグラスを合わせた。
カリカリに焼き上げたブレッドに、トルチ草のサラダ、ラビの実の冷製スープ、コーラルビーフのステーキ、ダグロフィッシュの香草焼き、デザートにはロニミルクのアイスに、果実のソースを添えて。
フルコースだ……!!
これは紛うことなきフルコースと呼ばれる食べ物たちだ……!!
アイリス村の母ちゃんの手料理も美味しかったけど、こういうのもいいなぁ……生まれて初めて食べたよ……。(感動)
全てが文句のつけようのないくらい美味しくて、僕たちは絶品の料理の数々に舌鼓を打った。
初めはどうなることかと思ったけど、初めての仲間がこの人で本当に良かった。
こんな優しくて思いやりのあるいい人が、最終的な目的は『エロ本を貰うこと』なんだもんな~wwwwと、そこを思い出すとつい笑ってしまうが、そんなことはともかくとして、始めから終わりまでずっと美味しくてずっと楽しい、幸せな食事会だった。
とはいえ、世の中楽しいことばかりでは当然ない。
楽しんだ後にはその代償として、必ず『大きな苦労』がやってくる。
むしろ、大変なのはここからだ。
いい具合に酔いが回ったサルバトルが、宿屋で大きなイビキをかいて眠りについた後、僕は自室で残りのお金の確認作業を始めた。
まず最初に、両親から受け取った旅の軍資金が1000ゴルド。
アイリス村を出る時に薬草を100個購入し、残りが500ゴルド。
本日の宿代が二人分で200ゴルドで、残りが300ゴルド。
先程の豪華な晩餐に200ゴルド消費し、残りが100ゴルド。
そう、このままではもう既に、次の目的地に着いた時のお金が足りなくなってしまっていたのだ。
「やあ、よく来たね。ここはルハナ村の宿屋。泊まっていくかい?一人一晩100ゴルドだよ」
「はい、入口の方にもう一人いるので、二部屋お願いします。すぐに呼んできますね」
僕は無事に今夜の宿が確保できたことに喜び勇んで、すぐに待ってくれているサルバトルに報告しにいった。
「サルバトルさぁ~ん!!宿取れましたよぉ~!!こっちこっち~!!」
なんと、サルバトルは飛び上がって喜んで、とても嬉しそうに宿屋に走っていった!!
むう……いかんいかん、なんか仲間の役に立てた、貢献できたことが嬉しくて、ついはしゃいでしまった……。こんなの僕のキャラが崩れてしまうじゃないか……以後気をつけないと……。(?)
宿に荷物を置いて身軽になると、今日は冒険の初日の記念日ということも兼ねて、少し奮発して豪華な晩餐で英気を養った。
「さあどうぞ。お財布は全て僕が持ちますから、サルバトルさんは何も遠慮することなく、お腹いっぱい行っちゃってください」
「ありがとう。今日は貴殿もよく頑張った。さあ、まずは乾杯しよう」
サルバトルはお酒、僕はまだ果物のジュースだったけど、僕たちはチリンとグラスを合わせた。
カリカリに焼き上げたブレッドに、トルチ草のサラダ、ラビの実の冷製スープ、コーラルビーフのステーキ、ダグロフィッシュの香草焼き、デザートにはロニミルクのアイスに、果実のソースを添えて。
フルコースだ……!!
これは紛うことなきフルコースと呼ばれる食べ物たちだ……!!
アイリス村の母ちゃんの手料理も美味しかったけど、こういうのもいいなぁ……生まれて初めて食べたよ……。(感動)
全てが文句のつけようのないくらい美味しくて、僕たちは絶品の料理の数々に舌鼓を打った。
初めはどうなることかと思ったけど、初めての仲間がこの人で本当に良かった。
こんな優しくて思いやりのあるいい人が、最終的な目的は『エロ本を貰うこと』なんだもんな~wwwwと、そこを思い出すとつい笑ってしまうが、そんなことはともかくとして、始めから終わりまでずっと美味しくてずっと楽しい、幸せな食事会だった。
とはいえ、世の中楽しいことばかりでは当然ない。
楽しんだ後にはその代償として、必ず『大きな苦労』がやってくる。
むしろ、大変なのはここからだ。
いい具合に酔いが回ったサルバトルが、宿屋で大きなイビキをかいて眠りについた後、僕は自室で残りのお金の確認作業を始めた。
まず最初に、両親から受け取った旅の軍資金が1000ゴルド。
アイリス村を出る時に薬草を100個購入し、残りが500ゴルド。
本日の宿代が二人分で200ゴルドで、残りが300ゴルド。
先程の豪華な晩餐に200ゴルド消費し、残りが100ゴルド。
そう、このままではもう既に、次の目的地に着いた時のお金が足りなくなってしまっていたのだ。
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