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1章〜世界を気ままに生きさせて貰います〜
9話 ミウリ村の事情
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「さぁ、みんな出ておいで。大丈夫じゃ。こいつらは違う。」
そんなお化けばあさんの一言の後だった。
さっきまで人の気配も感じなかった村が一気にざわざわとし始めた。
そして家からゾロゾロと沢山の人が出てきたのだ。
どこにこんなに人が居たんだろうと感じるほどの人数だった。
「な、な、なんなのにゃ~?」
「み、みんなお化けなのです~?」
この獣人二人は、まだお化けと勘違いしている様だ。
プルプルと震え、耳と尻尾をペタンッとしまい、俺の服の裾を掴みながら体を寄せている。
そんな光景に愛くるしさを覚えながら、俺はお化けばあさんに聞く。
「この人達は?」
「村の住人じゃ。訳あって男ばかりじゃがな。」
たしかによく見ると男ばかりだ。男が9割を占めている。
女性もいるが、30代半ば位だろう。
だが、一点気になる点もある。
「どうして、こうもイケメンばかりなんだ?それに女性もみんな美しいな……」
「それには、深いわけがあるのじゃ。まぁ、中で茶でも飲もうじゃないか。」
それから、俺はお化けばあさんの話を聞いた。衝撃的な話だった。
獣人二人と一匹の豆シカは俺に抱きつきながら、既に寝ている。
話を聞いた後、寝ていてよかった。そう心から思った。
ーーー
この村は、セルベール国の周りにある大森林のどこかにある村らしい。
(ちなみにセルベール国は、俺が元々お世話になっていたブラッドレイ家があった国だ。この世界での始まりの場所だから忘れるわけがない。)
そんな村には、一見紳士にしか見えない男性、多分セルベール国の貴族が、深く関わっているらしい。
この村の始まりは、お化けばあさん、もといシズルさんがまだ若かった頃、それはそれは美人で有名だった頃まで遡る。
本当かよ!?ってツッコミたかったが空気を読んだ。
ある時、シズルさんが買い物をするため街を歩いていると、小さな路地に倒れている一人のおじいさんを発見したらしい。
心の優しかったシズルさんは、その人を介抱しようと危険と言われている路地裏に入った。
しかし、入った途端、後ろから殴られ布を被せられて気を失っている間に、この村まで運び込まれたのが最初だった。
この村にはシズルさん以外誰もおらず、監視する人もいなかった。
その為、シズルさんは何度も逃走を試みる。
しかし、村を囲んでいる森には危険な魔物が沢山おり、結局怖くてこの村に戻ってきてしまう。
そんな日々を過ごしていた、ある日の夜のことだった。
一人の紳士が高級そうな馬車に乗って、家に来たという。
高そうな服に身を包みんだその紳士は、シズルさんの話を真摯に聞き、そして心配してくれた。
そんな彼の優しさに久々に人の温もりに触れたシズルさんは、心が震え、その日の夜、その紳士と身を重ねたらしい。
朝、目が覚めるとその紳士の姿は消えており、そこには一枚の置き手紙があった。
今は助けられない。また来るよ。
そんな内容だったらしい。
彼は来るたび、話を聞いてくれたし、外の話をしてくれた。
その度に彼の優しさに心を打たれ、身を重ていた。
シズルさんは、いつの日かそれだけが楽しみに変わっていったらしい。
しかし、ある日突然、彼が豹変した。
手錠や目隠し、外でのプレイや、使用人の前での公開プレイ。
来るたび来るたび、その変態的な要求はエスカレートしていった。
そんな要求にもシズルさんは好きな人の為ならと、必至に応えた。
そんな、ある時。
欲情した彼から衝撃的な一言を言われる。
それは使用人の前での公開プレイ中だった。
「もういい加減いいかな~。飽きてきたし。実は……お前を攫うよう指示したのは俺だ!?ヘヘッ!驚いたか?今お前を後ろから突いているのは、お前をここに閉じ込めた黒幕って事だッ!俺がお前とやりたいから監禁してやったんだッ!でもどうだ?お前はこんなに変態になったッ!気持ち良さそうに喘いでるッ!嬉しいか?嬉しいだろう?こんな紳士に抱かれ、こんなに広い敷地も持たせてやったッ!こんなに広い家もだッ!どうだッ?最高だろうッ!?」
シズルさんは、それを聞いた途端、怒りと喪失感で目の前が真っ白になった。
しかし、そんなシズルさんを見た彼は、さらに興奮した様子だった様だ。
「あぁぁぁ、その顔ッ!その顔が見たかったんだッ!どうだ?俺が憎いか?でも今までお前から誘ってきたこともあっただろうッ?あぁ、イイッ。その顔がイイッ!さいっこうっだッ!」
その言葉と同時に彼は、シズルさんの中に自分の精液を注いだのだ。
全てはその紳士モドキが仕組んだ事だった。
それからというもの、シズルさんは口を開かなくなり、精神的におかしくなっていったらしい。
たった一つの救いは、彼の子供が出来なかった事だった。
この村にイケメンや数人の年増美人の女性が拉致られてくるようになったのは、この頃からだった。
目的は、可愛い子供を産ませること。
それが女の子であれば、自分が引き取り、性のおもちゃにすることだった。
それが分かっていた、シズルさんは村に来た人達に事情を説明し、絶対に性行為をしないようにと伝えた。
しかし、それが許される筈もなく、度々来る大柄な数名の男達は、村人を脅迫し無理矢理でも性行為をさせる。
そして、産まれた子供が女の子の場合は、産まれてすぐにどこかへ連れて行かれてしまうのだ。
そんな誰も助けに来ない、この村は度々来る大柄な数名の男達によって『ミウリ村』と名付けられた。
それがこの村だった。
ーーー
そんな話を聞き、胸がムカムカする。
シズルさんが昔美人だったかどうかはこの際置いておいて、現実にこんな場所があるという事に心底驚きを隠せない。
「お前さんらは、明朝この村から出るといい。お前…アレクといったか?顔もイケメンじゃし、その獣人の子達も可愛らしい。もしかしたら、連れて行かれる可能性だってある。だからその前にこの村を出て行くのじゃ。今日はここに泊まっていくといい。部屋はたくさんある。」
誰がこんな話を聞いた後に、はい、そうですかと出て行けるだろうか。
今まで感じた事のない感情だった。
アレクの心の蔵の奥そこにある何かに大きな炎が灯された瞬間だった。
そんなお化けばあさんの一言の後だった。
さっきまで人の気配も感じなかった村が一気にざわざわとし始めた。
そして家からゾロゾロと沢山の人が出てきたのだ。
どこにこんなに人が居たんだろうと感じるほどの人数だった。
「な、な、なんなのにゃ~?」
「み、みんなお化けなのです~?」
この獣人二人は、まだお化けと勘違いしている様だ。
プルプルと震え、耳と尻尾をペタンッとしまい、俺の服の裾を掴みながら体を寄せている。
そんな光景に愛くるしさを覚えながら、俺はお化けばあさんに聞く。
「この人達は?」
「村の住人じゃ。訳あって男ばかりじゃがな。」
たしかによく見ると男ばかりだ。男が9割を占めている。
女性もいるが、30代半ば位だろう。
だが、一点気になる点もある。
「どうして、こうもイケメンばかりなんだ?それに女性もみんな美しいな……」
「それには、深いわけがあるのじゃ。まぁ、中で茶でも飲もうじゃないか。」
それから、俺はお化けばあさんの話を聞いた。衝撃的な話だった。
獣人二人と一匹の豆シカは俺に抱きつきながら、既に寝ている。
話を聞いた後、寝ていてよかった。そう心から思った。
ーーー
この村は、セルベール国の周りにある大森林のどこかにある村らしい。
(ちなみにセルベール国は、俺が元々お世話になっていたブラッドレイ家があった国だ。この世界での始まりの場所だから忘れるわけがない。)
そんな村には、一見紳士にしか見えない男性、多分セルベール国の貴族が、深く関わっているらしい。
この村の始まりは、お化けばあさん、もといシズルさんがまだ若かった頃、それはそれは美人で有名だった頃まで遡る。
本当かよ!?ってツッコミたかったが空気を読んだ。
ある時、シズルさんが買い物をするため街を歩いていると、小さな路地に倒れている一人のおじいさんを発見したらしい。
心の優しかったシズルさんは、その人を介抱しようと危険と言われている路地裏に入った。
しかし、入った途端、後ろから殴られ布を被せられて気を失っている間に、この村まで運び込まれたのが最初だった。
この村にはシズルさん以外誰もおらず、監視する人もいなかった。
その為、シズルさんは何度も逃走を試みる。
しかし、村を囲んでいる森には危険な魔物が沢山おり、結局怖くてこの村に戻ってきてしまう。
そんな日々を過ごしていた、ある日の夜のことだった。
一人の紳士が高級そうな馬車に乗って、家に来たという。
高そうな服に身を包みんだその紳士は、シズルさんの話を真摯に聞き、そして心配してくれた。
そんな彼の優しさに久々に人の温もりに触れたシズルさんは、心が震え、その日の夜、その紳士と身を重ねたらしい。
朝、目が覚めるとその紳士の姿は消えており、そこには一枚の置き手紙があった。
今は助けられない。また来るよ。
そんな内容だったらしい。
彼は来るたび、話を聞いてくれたし、外の話をしてくれた。
その度に彼の優しさに心を打たれ、身を重ていた。
シズルさんは、いつの日かそれだけが楽しみに変わっていったらしい。
しかし、ある日突然、彼が豹変した。
手錠や目隠し、外でのプレイや、使用人の前での公開プレイ。
来るたび来るたび、その変態的な要求はエスカレートしていった。
そんな要求にもシズルさんは好きな人の為ならと、必至に応えた。
そんな、ある時。
欲情した彼から衝撃的な一言を言われる。
それは使用人の前での公開プレイ中だった。
「もういい加減いいかな~。飽きてきたし。実は……お前を攫うよう指示したのは俺だ!?ヘヘッ!驚いたか?今お前を後ろから突いているのは、お前をここに閉じ込めた黒幕って事だッ!俺がお前とやりたいから監禁してやったんだッ!でもどうだ?お前はこんなに変態になったッ!気持ち良さそうに喘いでるッ!嬉しいか?嬉しいだろう?こんな紳士に抱かれ、こんなに広い敷地も持たせてやったッ!こんなに広い家もだッ!どうだッ?最高だろうッ!?」
シズルさんは、それを聞いた途端、怒りと喪失感で目の前が真っ白になった。
しかし、そんなシズルさんを見た彼は、さらに興奮した様子だった様だ。
「あぁぁぁ、その顔ッ!その顔が見たかったんだッ!どうだ?俺が憎いか?でも今までお前から誘ってきたこともあっただろうッ?あぁ、イイッ。その顔がイイッ!さいっこうっだッ!」
その言葉と同時に彼は、シズルさんの中に自分の精液を注いだのだ。
全てはその紳士モドキが仕組んだ事だった。
それからというもの、シズルさんは口を開かなくなり、精神的におかしくなっていったらしい。
たった一つの救いは、彼の子供が出来なかった事だった。
この村にイケメンや数人の年増美人の女性が拉致られてくるようになったのは、この頃からだった。
目的は、可愛い子供を産ませること。
それが女の子であれば、自分が引き取り、性のおもちゃにすることだった。
それが分かっていた、シズルさんは村に来た人達に事情を説明し、絶対に性行為をしないようにと伝えた。
しかし、それが許される筈もなく、度々来る大柄な数名の男達は、村人を脅迫し無理矢理でも性行為をさせる。
そして、産まれた子供が女の子の場合は、産まれてすぐにどこかへ連れて行かれてしまうのだ。
そんな誰も助けに来ない、この村は度々来る大柄な数名の男達によって『ミウリ村』と名付けられた。
それがこの村だった。
ーーー
そんな話を聞き、胸がムカムカする。
シズルさんが昔美人だったかどうかはこの際置いておいて、現実にこんな場所があるという事に心底驚きを隠せない。
「お前さんらは、明朝この村から出るといい。お前…アレクといったか?顔もイケメンじゃし、その獣人の子達も可愛らしい。もしかしたら、連れて行かれる可能性だってある。だからその前にこの村を出て行くのじゃ。今日はここに泊まっていくといい。部屋はたくさんある。」
誰がこんな話を聞いた後に、はい、そうですかと出て行けるだろうか。
今まで感じた事のない感情だった。
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