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1章〜世界を気ままに生きさせて貰います〜
2話 異世界の洗礼
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異世界、なめてましたっ、すいませんっす。
土下座をしようにも話の通じる相手ではなさそうだ…。
ーーー
それは、俺が森を抜け、草原に差し掛かった時だった。
急に魔力感知に多数の魔力が引っかかったのだ。
場所は俺の真後ろ。
慌てて振り返るとそこには、大きな牙を生やした猛獣が、まさに今から、俺めがけて飛びかかろうとしていた。
俺はすぐに、火魔法『ファイア・ショット』で牽制しつつ距離を取る。
なぜ、俺の魔力感知に引っかかるのが遅かったのか、そんな疑問は残るが、他の事を考えている余裕はなさそうだ。
目の前に出てきたのは4体。魔力感知には多数の魔力が引っかかっている事から、多分森の中にもっと潜んでいるのだろう。
大きな牙、紅色の荒々しい毛並み、そして月光に鋭く光る黄色い瞳。サイズは大型犬くらいだ。
そんな魔物と、今俺は対峙している。
---
そして冒頭に戻る。
土下座しても話の通じる相手ではないことは明白だろう。
ちなみに俺はこの魔物を知っている。
貴族の家で、勉強した時に学んだ。
たしか……名前は……サック・ウルフ…うん、確かそんな名前だ。
群れで狩りをするこの魔獣は、仕留めた獲物の血を吸って成長するらしく、個体では危険度:Dランクだが、群れに遭遇した場合は危険度:Cランクといわれている魔獣だ。
くそ…でも、どうしてもそれ以上の知識は思い出せないっ……教師の似顔絵を書いている場合じゃなかった……まじめにやっておけば….…いや、後悔しても、もう遅いか。
ええい、もうこうなれば、やけくそだっ。
獣は火を嫌う。前世の知識で勝負だっ。
という事で、緑魔法『グロウアップ』発動。
地中にある、何かしらの植物の種に対して成長速度上昇の魔法をかける。
かける場所は、俺と魔獣の丁度中間地点。
運良く、何かの木の種にかかったのか、ニョキニョキと一本の木が生えた。
そして、その木に対して次は火魔法『バーン』を発動。
一瞬で木が炎に覆われ、火柱を上げて燃え始めた。
はい、完成、即席キャンプファイア。
急に出来た巨大な火柱に向かって、吸血狼達はワンワンと吠える。なんか上手い具合にコトが進んでる?
狼のうち一体は、火柱を敵と勘違いしたのか、火柱に攻撃を仕掛ける始末。
その狼は毛皮に火が移り、燃えて絶命。
そんな光景を見た、他の吸血狼達はわんわん鳴きながら、ジリジリと後退。
そして、遂に尻尾を巻いて逃げ帰っていったのだった。
ふっ、所詮獣。
人間様に勝とうなんざ100年はえー。出直してきな。グッバイベイビー。
そんな言葉を吐きつつも、俺は下半身を触る。
やっぱりか……。
恐怖と緊張でオシッコちびっちゃってる。
だってぇー、怖かったんだもん。仕方ないよね?
とりあえず、夜は怖いというのは分かったので、今日は即席キャンプファイアの近くで就寝する事にした。
もちろん、水魔法で一度衣服と体を洗っているので、ご心配なく。
キャンプファイアの近くで横になり、目を瞑りながら俺は先の戦闘について、考える。
ちびりはしたものの、強くなっていることは実感できた。
それに、魔法。戦闘は初めてだったのに割とうまく出来たよな?
あれ?でも待てよ…最初に火魔法『バーン』を吸血狼に当てていれば、済んだ話じゃ……
いや、やめよう。うん。結果オーライだ。
難しい話は無しだ。とにかく今は生きている事を実感して寝よう。
うん、そーしよう。
そうして、アレクの冒険初夜は無事終わったのだった。
土下座をしようにも話の通じる相手ではなさそうだ…。
ーーー
それは、俺が森を抜け、草原に差し掛かった時だった。
急に魔力感知に多数の魔力が引っかかったのだ。
場所は俺の真後ろ。
慌てて振り返るとそこには、大きな牙を生やした猛獣が、まさに今から、俺めがけて飛びかかろうとしていた。
俺はすぐに、火魔法『ファイア・ショット』で牽制しつつ距離を取る。
なぜ、俺の魔力感知に引っかかるのが遅かったのか、そんな疑問は残るが、他の事を考えている余裕はなさそうだ。
目の前に出てきたのは4体。魔力感知には多数の魔力が引っかかっている事から、多分森の中にもっと潜んでいるのだろう。
大きな牙、紅色の荒々しい毛並み、そして月光に鋭く光る黄色い瞳。サイズは大型犬くらいだ。
そんな魔物と、今俺は対峙している。
---
そして冒頭に戻る。
土下座しても話の通じる相手ではないことは明白だろう。
ちなみに俺はこの魔物を知っている。
貴族の家で、勉強した時に学んだ。
たしか……名前は……サック・ウルフ…うん、確かそんな名前だ。
群れで狩りをするこの魔獣は、仕留めた獲物の血を吸って成長するらしく、個体では危険度:Dランクだが、群れに遭遇した場合は危険度:Cランクといわれている魔獣だ。
くそ…でも、どうしてもそれ以上の知識は思い出せないっ……教師の似顔絵を書いている場合じゃなかった……まじめにやっておけば….…いや、後悔しても、もう遅いか。
ええい、もうこうなれば、やけくそだっ。
獣は火を嫌う。前世の知識で勝負だっ。
という事で、緑魔法『グロウアップ』発動。
地中にある、何かしらの植物の種に対して成長速度上昇の魔法をかける。
かける場所は、俺と魔獣の丁度中間地点。
運良く、何かの木の種にかかったのか、ニョキニョキと一本の木が生えた。
そして、その木に対して次は火魔法『バーン』を発動。
一瞬で木が炎に覆われ、火柱を上げて燃え始めた。
はい、完成、即席キャンプファイア。
急に出来た巨大な火柱に向かって、吸血狼達はワンワンと吠える。なんか上手い具合にコトが進んでる?
狼のうち一体は、火柱を敵と勘違いしたのか、火柱に攻撃を仕掛ける始末。
その狼は毛皮に火が移り、燃えて絶命。
そんな光景を見た、他の吸血狼達はわんわん鳴きながら、ジリジリと後退。
そして、遂に尻尾を巻いて逃げ帰っていったのだった。
ふっ、所詮獣。
人間様に勝とうなんざ100年はえー。出直してきな。グッバイベイビー。
そんな言葉を吐きつつも、俺は下半身を触る。
やっぱりか……。
恐怖と緊張でオシッコちびっちゃってる。
だってぇー、怖かったんだもん。仕方ないよね?
とりあえず、夜は怖いというのは分かったので、今日は即席キャンプファイアの近くで就寝する事にした。
もちろん、水魔法で一度衣服と体を洗っているので、ご心配なく。
キャンプファイアの近くで横になり、目を瞑りながら俺は先の戦闘について、考える。
ちびりはしたものの、強くなっていることは実感できた。
それに、魔法。戦闘は初めてだったのに割とうまく出来たよな?
あれ?でも待てよ…最初に火魔法『バーン』を吸血狼に当てていれば、済んだ話じゃ……
いや、やめよう。うん。結果オーライだ。
難しい話は無しだ。とにかく今は生きている事を実感して寝よう。
うん、そーしよう。
そうして、アレクの冒険初夜は無事終わったのだった。
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