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(葵の章)『メインルート編』願いの成就への1歩前
葵の章・第一話 突然の喜情
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葵達の真実を聞いてから一週間が過ぎ終夜は葵の事をよく考えるようになっていた。
(葵は悲しみの感情と喜びの感情が表裏一体になっている。でも、爺ちゃんは何で葵をそんなふうに作ったんだろう?)
考えれば考えるほど理解らなかった。
しかし、数日後事件が起きた。
「何があった?」
「解らないわよ!葵姉が突然喜び始めたんだから!」
翠の言っている意味が終夜には理解できなかった?
(理由なく葵が喜んでる?)
終夜が葵を見ていると彼女は彼に気づき話しかけてきたのでした。
「終夜さん、私喜ばしいことがあったんです。」
「何が喜ばしいの?」
「終夜さん、最近私の事だけを見て考えて想ってくれてますよね?」
「えっ?それは…。」
「違うのですか?」
葵の質問に驚きつつも答えづらさがあったが翠がじれったいと怒りながら終夜に問いつめました。
「終夜!どうなの?」
「考えてはいるけどちょっと論点がズレてる。」
「どう言う意味よ!」
「葵の感情の表裏の理由を考えていたんだ。」
「つまり、葵姉自身じゃなくて感情の仕組みを考えたっての?」
「そう、だね。あと葵落ち着こうか?」
「そうですか?終夜は私が嫌いですか?」
「えっ?(葵の感情の相違点は病みなのか?)」
「終夜!どうなのよ?!アンタがはっきりしないからこうなってんの!」
翠は終夜のもどかしい受け答えに対し苛立ちながら彼を急かしたのでした。
「好きか?嫌いか?で言ったら好きだよ。」
「私を彼女にしたいくらいですか?」
「葵姉、そこまでは分からないんじゃない?」
「翠は黙ってください!これは私と終夜の問題です!」
「葵!言い過ぎだ!」
「私は終夜が姉妹とは言え他の女の子と話してるのを見ると悲しいんです。」
終夜は寂しそうな葵を見て両方暴走してるのではないかと思った。
「葵、なんでそこまで急ぎたいんだい?」
「姉妹の誰かに取られるからです。」
「俺はまだ誰も恋人にする気は無いよ。」
「終夜…私では不満ですか?」
「不満とかどうとかじゃない。葵の事をちゃんと理解するまで彼女にはしない。それに誰かを困らせながら喜んでいたら塔野と何ら変わらないよ。」
「違います!私はあんな人とは!」
「いや、同じだ。葵、今君自身の都合で周りを振り回しながら喜んでるんだよ。」
「そんなつもりは…すみません。」
反省したのかこの場での葵の暴走は落ち着いた。だが、終夜はやはり葵のことが気になった。…いや、気になったのは前からだ。
(葵の事を考えるようになったのは塔野の事件からなんだよな。)
そう、塔野の事件をきっかけに葵の事を気になってしかたがなかった。
ふと考え事をしていると水が声をかけてきた。
「終夜、どうしたの?ボーっとして考え事?」
「ちょっと思い出しながら考え事をね。」
「そう、でも、急がない方がいい。」
「分かってる、急ぐ気は無いよ。」
終夜は葵を見ながら水に答えたのでした。
(葵は悲しみの感情と喜びの感情が表裏一体になっている。でも、爺ちゃんは何で葵をそんなふうに作ったんだろう?)
考えれば考えるほど理解らなかった。
しかし、数日後事件が起きた。
「何があった?」
「解らないわよ!葵姉が突然喜び始めたんだから!」
翠の言っている意味が終夜には理解できなかった?
(理由なく葵が喜んでる?)
終夜が葵を見ていると彼女は彼に気づき話しかけてきたのでした。
「終夜さん、私喜ばしいことがあったんです。」
「何が喜ばしいの?」
「終夜さん、最近私の事だけを見て考えて想ってくれてますよね?」
「えっ?それは…。」
「違うのですか?」
葵の質問に驚きつつも答えづらさがあったが翠がじれったいと怒りながら終夜に問いつめました。
「終夜!どうなの?」
「考えてはいるけどちょっと論点がズレてる。」
「どう言う意味よ!」
「葵の感情の表裏の理由を考えていたんだ。」
「つまり、葵姉自身じゃなくて感情の仕組みを考えたっての?」
「そう、だね。あと葵落ち着こうか?」
「そうですか?終夜は私が嫌いですか?」
「えっ?(葵の感情の相違点は病みなのか?)」
「終夜!どうなのよ?!アンタがはっきりしないからこうなってんの!」
翠は終夜のもどかしい受け答えに対し苛立ちながら彼を急かしたのでした。
「好きか?嫌いか?で言ったら好きだよ。」
「私を彼女にしたいくらいですか?」
「葵姉、そこまでは分からないんじゃない?」
「翠は黙ってください!これは私と終夜の問題です!」
「葵!言い過ぎだ!」
「私は終夜が姉妹とは言え他の女の子と話してるのを見ると悲しいんです。」
終夜は寂しそうな葵を見て両方暴走してるのではないかと思った。
「葵、なんでそこまで急ぎたいんだい?」
「姉妹の誰かに取られるからです。」
「俺はまだ誰も恋人にする気は無いよ。」
「終夜…私では不満ですか?」
「不満とかどうとかじゃない。葵の事をちゃんと理解するまで彼女にはしない。それに誰かを困らせながら喜んでいたら塔野と何ら変わらないよ。」
「違います!私はあんな人とは!」
「いや、同じだ。葵、今君自身の都合で周りを振り回しながら喜んでるんだよ。」
「そんなつもりは…すみません。」
反省したのかこの場での葵の暴走は落ち着いた。だが、終夜はやはり葵のことが気になった。…いや、気になったのは前からだ。
(葵の事を考えるようになったのは塔野の事件からなんだよな。)
そう、塔野の事件をきっかけに葵の事を気になってしかたがなかった。
ふと考え事をしていると水が声をかけてきた。
「終夜、どうしたの?ボーっとして考え事?」
「ちょっと思い出しながら考え事をね。」
「そう、でも、急がない方がいい。」
「分かってる、急ぐ気は無いよ。」
終夜は葵を見ながら水に答えたのでした。
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