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第一部 紅蓮の心《クリムゾン・ハーツ》
第十話 煉の決心《ハッシュベルト家編》
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連絡先を貝波からもらった俺はハッシュベルト公爵の元にユリウスや他のメンバーを連れ訪れた。理由はユリウスのバンドの件だけでも了承を得たかったからだ。
中に入った俺達はユリウスに案内されハッシュベルト公爵に謁見できた。
『紅大公閣下自らお越しに参るとはなんと光栄且つ至極的なのだ。』
『公爵…まずユリウスのバンドの件を認めてもらいたい。』
『どう言うことかな?』
『今ユリウスは俺がリーダー勤めるバンド・クリムゾン・ハーツのメンバーで彼は必要な存在なんだ。』
『大公自らのバンドのメンバー…ユリウス!』
『はい…お父様…』
『何故、今まで黙っていた?』
『それは反対するかと思い…』
『反対?大公のバンド、大変光栄ではないか!大公閣下、我が愚息を今後とも頼む。』
『公爵…もう一つ頼みが。』
『何かな?大公閣下の頼みとあらば何なりと。』
『龍ヶ崎家の姑息な行動を止める手伝いをしてほしい。』
『龍ヶ崎家…ほう、あやつらか尽力を尽くす。だが、決着はバンドで決めてもらいたい。』
俺が《わかった。》と頷くと公爵は晩餐会の準備をさせ、その日は泊まることになった。
皆が寝静まり俺がハッシュベルト家のテラスにいるとユリウスが来たんだ。
『ミスター煉…どうしましたか?眠れませんか?』
『ああ、そんな感じだ。』
『不安ですか?』
『まあな、なんか流れが上手すぎる感じがしてな逆に不安になる。』
『ミーも実は不安なんです。お父様があっさりしすぎて逆に怖いんです。』
俺はユリウスを連れて公爵の部屋に向かいました。
『公爵…失礼します!』
『大公閣下、こんな夜分にどうかなさいましたか?』
『いくつか確認させてほしい。一つはユリウスはバンドを本当に続けて良いんだな?二つ目はもう、ここの家に龍ヶ崎家の間者がいるんじゃないか?』
『ユリウスの件は認めているから続けなさい。二つ目は大公閣下の仰せの通りだ…だが、我は従う気はない。何故下級貴族に従う必要がある?』
『そうか、なら良い。龍ヶ崎家の妨害は恐喝だ。俺達の抹殺が目的だからな。』
『クリムゾン・ハーツの絆の抹殺…そんなの認めん!紅殿…貴殿は我が愚息が必要だと言ったな?』
『ああ、いないと困る。』
『愚息でも役に立てているなら親として誇らしいことだ。なら応援する。』
公爵の言葉に俺とユリウスは納得し部屋をあとにした。
俺とユリウスはゆっくりその日の月を眺めながらお茶を飲み翌日に行く明科伯爵の件を心配しつつ空を見ているとユリウスが礼を言ってきた。
『ミスター煉、ありがとう…貴方がいなければミーはバンドをやめなければならなかった。』
『別に良い…俺達は仲間だ!だから仲間と一緒にバンドをするためにこうしたんだ。』
『ミスター煉…もし貴方が大変なら今度はミーが助けますから。』
『フッ…期待してるよ。』
俺達はこうして新たに絆を強くした。
中に入った俺達はユリウスに案内されハッシュベルト公爵に謁見できた。
『紅大公閣下自らお越しに参るとはなんと光栄且つ至極的なのだ。』
『公爵…まずユリウスのバンドの件を認めてもらいたい。』
『どう言うことかな?』
『今ユリウスは俺がリーダー勤めるバンド・クリムゾン・ハーツのメンバーで彼は必要な存在なんだ。』
『大公自らのバンドのメンバー…ユリウス!』
『はい…お父様…』
『何故、今まで黙っていた?』
『それは反対するかと思い…』
『反対?大公のバンド、大変光栄ではないか!大公閣下、我が愚息を今後とも頼む。』
『公爵…もう一つ頼みが。』
『何かな?大公閣下の頼みとあらば何なりと。』
『龍ヶ崎家の姑息な行動を止める手伝いをしてほしい。』
『龍ヶ崎家…ほう、あやつらか尽力を尽くす。だが、決着はバンドで決めてもらいたい。』
俺が《わかった。》と頷くと公爵は晩餐会の準備をさせ、その日は泊まることになった。
皆が寝静まり俺がハッシュベルト家のテラスにいるとユリウスが来たんだ。
『ミスター煉…どうしましたか?眠れませんか?』
『ああ、そんな感じだ。』
『不安ですか?』
『まあな、なんか流れが上手すぎる感じがしてな逆に不安になる。』
『ミーも実は不安なんです。お父様があっさりしすぎて逆に怖いんです。』
俺はユリウスを連れて公爵の部屋に向かいました。
『公爵…失礼します!』
『大公閣下、こんな夜分にどうかなさいましたか?』
『いくつか確認させてほしい。一つはユリウスはバンドを本当に続けて良いんだな?二つ目はもう、ここの家に龍ヶ崎家の間者がいるんじゃないか?』
『ユリウスの件は認めているから続けなさい。二つ目は大公閣下の仰せの通りだ…だが、我は従う気はない。何故下級貴族に従う必要がある?』
『そうか、なら良い。龍ヶ崎家の妨害は恐喝だ。俺達の抹殺が目的だからな。』
『クリムゾン・ハーツの絆の抹殺…そんなの認めん!紅殿…貴殿は我が愚息が必要だと言ったな?』
『ああ、いないと困る。』
『愚息でも役に立てているなら親として誇らしいことだ。なら応援する。』
公爵の言葉に俺とユリウスは納得し部屋をあとにした。
俺とユリウスはゆっくりその日の月を眺めながらお茶を飲み翌日に行く明科伯爵の件を心配しつつ空を見ているとユリウスが礼を言ってきた。
『ミスター煉、ありがとう…貴方がいなければミーはバンドをやめなければならなかった。』
『別に良い…俺達は仲間だ!だから仲間と一緒にバンドをするためにこうしたんだ。』
『ミスター煉…もし貴方が大変なら今度はミーが助けますから。』
『フッ…期待してるよ。』
俺達はこうして新たに絆を強くした。
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