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第五章 夏休みまで
54話 閑話 寮母の命令
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レイシアが便利すぎてヤバい。あたしは暖かなお風呂に入りながら思った。
あの子、働きづめじゃないのかい? そんな風に気になるほどレイシアいつも動いていた。
「昨日の一日のスケジュール言ってごらん」
あたしがそう言うと、レイシアはこう言った。
「昨日ですか? え~と、
朝4時半起床
着替えて5時半までトレーニング
そこから魔法で水汲みと掃除洗濯
6時から朝食作り。魔法があるから火おこしが楽になりました!
7時にイリアさんを起こして7時半朝食
8時に後片付け。終了後学園へ。到着すると馬小屋の清掃ですね。
9時授業開始。昨日は午前中いっぱい騎士コースの実践だったので2時間は基礎訓練と走り込み。残りは模擬戦でしたね。今日も王子をコテンパンにしました!
お昼は、イリアさんがいなかったので一人でランチですね。
午後の授業は、冒険者基礎でしたから、走り込み1時間と解体1時間でしたね。昨日は火トカゲのシメ方と解体でしたので、楽しかったです。
3時半に授業が終了したので、馬小屋の掃除。いそいで帰ってお風呂に水を入れる。魔法便利ですよね。
4時半から晩御飯準備。昨日のお肉は実習で解体した火トカゲのお肉です! みなさんげっそりしながら『いらないから欲しかったらあげる』と言ってくださったのでお肉祭りでした! みなさん親切ですね。
5時半夕食。終了後後片付け。
その後、お風呂を魔法で沸かして順番に入って、その後お風呂掃除。
7時からイリアさんとおしゃべり。
8時から10時まで勉強タイム。ライトの魔法便利です!
その後1時間ほど夜間訓練して寝ました」
「なんだい、その夜間訓練って!」
「日課ですね」
「毎日しているのかい⁉」
「ええ。普通じゃないですか」
「普通じゃないね! 大体午前も午後も肉体訓練の授業ってクタクタじゃないの⁈」
「え? ぬるい授業ですよ。準備運動くらいしか動いてないし」
「他の生徒は楽そうにしてたのかい?」
「騎士コースの生徒は『昼飯食えない』とか言っていたのでお腹減るほど動いてなかったのではないですか?」
「多分違うね…………」
「冒険者コースの方も、目の前でお肉焼いたのを先生から『冒険者になりたいなら今すぐ食え!』って言われていたのに一口しか食べなかったので、きっとお腹すくほど動いてなかったのでしょう」
「絶対違うよ!」
騎士コースの生徒は疲れ果てて食欲なくしただけだろうし、冒険者コースの生徒は生き物殺し慣れてないんだろう。精神的にまだまだ弱い。それだけだろう。
ちなみに休日の過ごし方を聞いたら、学園にいる所がバイト先になっただけだった。他は一緒。
「あのねえレイシア。寮母として言うけど」
「はい?」
「あんた、休め!」
「えっ?」
「いいかい、あんた働き過ぎだ。イリアの分まで働いてるじゃないか」
「だって、私がした方が早いし」
「それでもだ。あんたはいつ休憩してるんだい!」
「休憩? いらなくないですか?」
「いるよ! バイトは休めないのかい?」
「お客さんがすごいんですよ! 店の前に行列が出来ていて、お客さん同士で『この店は一人20分で出ること』ってルール作ってくれたりするくらい忙しいんです。私がいないと成り立たないんですよ」
「はんっ! あんたひとりいない位で成り立たない店なんてあるもんか!」
それがあるからヤバいのだが、カンナは知らない。
「いいかい、休日のない生活はロクなことにならない。それから睡眠も! 夜は9時半には寝ること。朝は5時半まで起きないこと。寮の規則にするよ。いいね」
レイシアはバイト先のことなので一人では決められないと言いながらも、寮での睡眠時間はしぶしぶ受け入れた。
◇
翌朝
「あんた何してるんだい!」
「おはようございますカンナさん! 朝と夜のトレーニングが無くなったので、料理しながら片足スクワットしています! 筋肉トレーニングのための隙間時間たくさんありましたね! 今までもったいないことをしていました。今日もがんばるぞ~」
違う……。そうじゃないんだよレイシア……。頑張るのやめようよ。あんた休みな……。
あの子、働きづめじゃないのかい? そんな風に気になるほどレイシアいつも動いていた。
「昨日の一日のスケジュール言ってごらん」
あたしがそう言うと、レイシアはこう言った。
「昨日ですか? え~と、
朝4時半起床
着替えて5時半までトレーニング
そこから魔法で水汲みと掃除洗濯
6時から朝食作り。魔法があるから火おこしが楽になりました!
7時にイリアさんを起こして7時半朝食
8時に後片付け。終了後学園へ。到着すると馬小屋の清掃ですね。
9時授業開始。昨日は午前中いっぱい騎士コースの実践だったので2時間は基礎訓練と走り込み。残りは模擬戦でしたね。今日も王子をコテンパンにしました!
お昼は、イリアさんがいなかったので一人でランチですね。
午後の授業は、冒険者基礎でしたから、走り込み1時間と解体1時間でしたね。昨日は火トカゲのシメ方と解体でしたので、楽しかったです。
3時半に授業が終了したので、馬小屋の掃除。いそいで帰ってお風呂に水を入れる。魔法便利ですよね。
4時半から晩御飯準備。昨日のお肉は実習で解体した火トカゲのお肉です! みなさんげっそりしながら『いらないから欲しかったらあげる』と言ってくださったのでお肉祭りでした! みなさん親切ですね。
5時半夕食。終了後後片付け。
その後、お風呂を魔法で沸かして順番に入って、その後お風呂掃除。
7時からイリアさんとおしゃべり。
8時から10時まで勉強タイム。ライトの魔法便利です!
その後1時間ほど夜間訓練して寝ました」
「なんだい、その夜間訓練って!」
「日課ですね」
「毎日しているのかい⁉」
「ええ。普通じゃないですか」
「普通じゃないね! 大体午前も午後も肉体訓練の授業ってクタクタじゃないの⁈」
「え? ぬるい授業ですよ。準備運動くらいしか動いてないし」
「他の生徒は楽そうにしてたのかい?」
「騎士コースの生徒は『昼飯食えない』とか言っていたのでお腹減るほど動いてなかったのではないですか?」
「多分違うね…………」
「冒険者コースの方も、目の前でお肉焼いたのを先生から『冒険者になりたいなら今すぐ食え!』って言われていたのに一口しか食べなかったので、きっとお腹すくほど動いてなかったのでしょう」
「絶対違うよ!」
騎士コースの生徒は疲れ果てて食欲なくしただけだろうし、冒険者コースの生徒は生き物殺し慣れてないんだろう。精神的にまだまだ弱い。それだけだろう。
ちなみに休日の過ごし方を聞いたら、学園にいる所がバイト先になっただけだった。他は一緒。
「あのねえレイシア。寮母として言うけど」
「はい?」
「あんた、休め!」
「えっ?」
「いいかい、あんた働き過ぎだ。イリアの分まで働いてるじゃないか」
「だって、私がした方が早いし」
「それでもだ。あんたはいつ休憩してるんだい!」
「休憩? いらなくないですか?」
「いるよ! バイトは休めないのかい?」
「お客さんがすごいんですよ! 店の前に行列が出来ていて、お客さん同士で『この店は一人20分で出ること』ってルール作ってくれたりするくらい忙しいんです。私がいないと成り立たないんですよ」
「はんっ! あんたひとりいない位で成り立たない店なんてあるもんか!」
それがあるからヤバいのだが、カンナは知らない。
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◇
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違う……。そうじゃないんだよレイシア……。頑張るのやめようよ。あんた休みな……。
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「貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~」https://www.alphapolis.co.jp/novel/892339298/357766056 #
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