109 / 177
第五章 夏休みまで
47話 閑話 魔法少女の威力
しおりを挟む
私は痩せたかった!
別に騎士になりたいから騎士コースを選んだわけじゃないの。毎日トレーニングして脂肪を燃やしたかったのよ。
法衣貴族の娘として厳しく育てられた。体を動かすことはむしろ好き。それでも母方の祖母に似て私の体はぽっちゃりしていた。
母は祖父に似て痩せているのに……
私が貴族でいるには、試験を通るか貴族の婚約者を見つけるか。……どっちも無理ね。試験なんて受かるのは男子がほとんど。女子は成績が良くてなおかつ可愛げがある子。そう言われてるわ。じゃあ婚約者は……。もっと無理ね。
メイドだって同じことが出来るのなら美しい子から拾われていく。
私は、痩せなければスタートにも立てないのよ!
◇
初めての騎士の実習。馬小屋の掃除? やるわよ! これも筋トレ。そう思えば臭いぐらいなんでもない! 頑張れ上腕二頭筋! 唸れ自慢の広背筋! 堪えろ下腿三頭筋!
筋肉は喜んでいるが、脂肪は消えない……。なぜだ……。
◇
騎士の実習。今度こそ本番。
校舎を一周? ぬるい! ぬるすぎる! しかも30分以内ですと?!!!
10分で回ったので、もう一周した。
騎士ってこんなもの? 鎧着てても走れよ! むしろ私によこせ! 私が痩せるためにしてきた訓練より生ぬるい状況にため息をついた。
◇
翌日、模擬戦が行われた。相手は白銀の鎧を着こんでいる。残り物同士の組み合わせ。
よかった。武術なんかしたことないから手加減とかできない。思いっきり当てても怪我しないよね。鎧着てるし! パワーイズラブ! 攻撃が来る前に殴り続けた。大丈夫。鎧に当ててるだけだから。
ドサッ、という音と共に相手が倒れた。意識不明? まさか。鎧着てるのに。
一回戦は私が無傷で勝った。
その後、王子様が試合をした。一部の女子は「王子様よ!」「あれ、黒魔女様じゃない?」と騒いでいたが私には関係ない。相手の女子のメイド服と言うやる気のなさに辟易としていただけ。ところが始まると、王子の攻撃がメイドには届かなかった。
クルクル回りながら避け続けるメイド。そして王子を転ばし喉元にフォークを当てる。
「殺し屋」
思わずそうつぶやくと、周りに波及していった。
「アサシン?」「アサシンだって?」「メイドのアサシン」「「「メイドアサシン」」」
ごめん! へんな二つ名付いたみたい。
私は、2回戦で武術の心得のある者から敗れたが、彼女は優勝した。
◇
魔法の授業。
私に奇跡が起きた。
この日の事を私は一生忘れることはないだろう。
「次はお前。結果! 風 土 2属性 リスク 脂肪30%低下。 役に立たんな」
「取る! 取ります! 取らせてください!!! 痩せるのね私! ぽっちゃり体系が!!」
「風も土も役に立たん!」
「いいの取らせて! 魔法を! 脂肪も!」
「……。仮契約完了」
急にお腹周りに違和感が走り、ズボンが下がった。
「これよ! なにこのウエスト! ズボンがゆるいわ!! 二の腕も!」
私はずり下がったズボンを見ながら、感動に打ち震えていた。
◇◇◇
その後、魔法コースを受けることになった。魔法を選択した者の義務だが、風と土の魔法。どうすればいいか私も先生たちもその扱いに悩んでいた。
「魔法契約解除しないか?」
「嫌です!」
せっかく瘦せたのに! 解除などもってのほかだわ!
「しかしなあ。使えない魔法はなあ」
「じゃあ、あれはどうなんですか?」
私はアサシンを指差して言った。
「あれは研究するといっているんだ。お前は何もできんだろう」
あれの扱いには先生たちも困っているみたい。じゃあ、巻き込んでやれ。
そう思いアサシンに近づいた。
◇
「ねえ、相談があるんだけど」
「なんでしょう?」
「私、風と土の魔法しかないんだけど、なにか使い方知らないかな?」
アサシンは、嬉しそうに答えた。
「土は分かりませんが、風なら便利ですよ」
えっ⁈ あるの?
「いいですか? 魔法はイメージが大切です。私の言葉を丁寧にイメージしてくださいね」
そう言うと、空気と風の関係を話し出した。時々、彼女が魔法で風を送ったりつむじ風を出したりして、私に分かりやすく教えてくれた。
「では、実験してみましょうか?」
アサシン、いや彼女がそう言うと、私たちは攻撃魔法を撃つための訓練所まで移動した。
「さあ、まずはウインドです。あの的辺りに風を作ってください」
私はイメージをしながら「ウインド」と唱えた。
ヒュ——————
一陣の強い風が的の周りに吹いた。周りにいた先生や生徒たちが近づいてくる。
「いまのはなんだ!」
先生が言うと、彼女は答えた。
「今のはリリーさんの風魔法です。リリーさんは風魔法が使えるようになったんですよ」
そう言うと私にだけ聞こえる様に「次はトルネイドです。集中して」とささやいた。
私は彼女が見せてくれたつむじ風を思い出しながら的に集中した。
「トルネイド!」
彼女のつむじ風の46656倍の威力が的を襲う。バリバリと壊れ巻きあがる的たち。
周りの道具も土も巻き込んで、一瞬で消えた竜巻。
見上げると、空からばらばらになったいろんなものが落ちてくる。
まだはるか上空にあるがどう見てもヤバい!
「「「ギャ—————」」」
逃げ惑う人々。落ちてくるであろう凶器たち。
「ウインドよ! 風で吹き飛ばして!」
言われるままウインドと唱えた。残骸は風に流され遠くに飛んで行った。
誰もけが人は出なかった。
恐怖が去るのが分かると、新たな恐怖の主としてみんなが私を見る。いつの間にかアサシンは端に行き、私一人が訓練場のセンターにいる。
シーンとした空気が痛い。
「今のはなんだ?」
先生が私に聞く。
「か、風魔法です」
なんとか答えを吐き出した。
「今のが風魔法か……。よくやったリリー! 騎士団に報告だ!」
興奮した先生たちは私の腕を抱えて連れて行った。
「違うの! あの子! あの子なのよ~」
私が何を言っても先生たちには伝わらない。だってやらせたのはあの子でも、やらかしたのは私だから。
引きずられる私に対し、にこやかに手を振って無関係を装うアサシン。あいつめ……、ゆるさん!
わたしはその後、風魔法使いとしてその名を残すことになるのだが、それはまた別のお話。
別に騎士になりたいから騎士コースを選んだわけじゃないの。毎日トレーニングして脂肪を燃やしたかったのよ。
法衣貴族の娘として厳しく育てられた。体を動かすことはむしろ好き。それでも母方の祖母に似て私の体はぽっちゃりしていた。
母は祖父に似て痩せているのに……
私が貴族でいるには、試験を通るか貴族の婚約者を見つけるか。……どっちも無理ね。試験なんて受かるのは男子がほとんど。女子は成績が良くてなおかつ可愛げがある子。そう言われてるわ。じゃあ婚約者は……。もっと無理ね。
メイドだって同じことが出来るのなら美しい子から拾われていく。
私は、痩せなければスタートにも立てないのよ!
◇
初めての騎士の実習。馬小屋の掃除? やるわよ! これも筋トレ。そう思えば臭いぐらいなんでもない! 頑張れ上腕二頭筋! 唸れ自慢の広背筋! 堪えろ下腿三頭筋!
筋肉は喜んでいるが、脂肪は消えない……。なぜだ……。
◇
騎士の実習。今度こそ本番。
校舎を一周? ぬるい! ぬるすぎる! しかも30分以内ですと?!!!
10分で回ったので、もう一周した。
騎士ってこんなもの? 鎧着てても走れよ! むしろ私によこせ! 私が痩せるためにしてきた訓練より生ぬるい状況にため息をついた。
◇
翌日、模擬戦が行われた。相手は白銀の鎧を着こんでいる。残り物同士の組み合わせ。
よかった。武術なんかしたことないから手加減とかできない。思いっきり当てても怪我しないよね。鎧着てるし! パワーイズラブ! 攻撃が来る前に殴り続けた。大丈夫。鎧に当ててるだけだから。
ドサッ、という音と共に相手が倒れた。意識不明? まさか。鎧着てるのに。
一回戦は私が無傷で勝った。
その後、王子様が試合をした。一部の女子は「王子様よ!」「あれ、黒魔女様じゃない?」と騒いでいたが私には関係ない。相手の女子のメイド服と言うやる気のなさに辟易としていただけ。ところが始まると、王子の攻撃がメイドには届かなかった。
クルクル回りながら避け続けるメイド。そして王子を転ばし喉元にフォークを当てる。
「殺し屋」
思わずそうつぶやくと、周りに波及していった。
「アサシン?」「アサシンだって?」「メイドのアサシン」「「「メイドアサシン」」」
ごめん! へんな二つ名付いたみたい。
私は、2回戦で武術の心得のある者から敗れたが、彼女は優勝した。
◇
魔法の授業。
私に奇跡が起きた。
この日の事を私は一生忘れることはないだろう。
「次はお前。結果! 風 土 2属性 リスク 脂肪30%低下。 役に立たんな」
「取る! 取ります! 取らせてください!!! 痩せるのね私! ぽっちゃり体系が!!」
「風も土も役に立たん!」
「いいの取らせて! 魔法を! 脂肪も!」
「……。仮契約完了」
急にお腹周りに違和感が走り、ズボンが下がった。
「これよ! なにこのウエスト! ズボンがゆるいわ!! 二の腕も!」
私はずり下がったズボンを見ながら、感動に打ち震えていた。
◇◇◇
その後、魔法コースを受けることになった。魔法を選択した者の義務だが、風と土の魔法。どうすればいいか私も先生たちもその扱いに悩んでいた。
「魔法契約解除しないか?」
「嫌です!」
せっかく瘦せたのに! 解除などもってのほかだわ!
「しかしなあ。使えない魔法はなあ」
「じゃあ、あれはどうなんですか?」
私はアサシンを指差して言った。
「あれは研究するといっているんだ。お前は何もできんだろう」
あれの扱いには先生たちも困っているみたい。じゃあ、巻き込んでやれ。
そう思いアサシンに近づいた。
◇
「ねえ、相談があるんだけど」
「なんでしょう?」
「私、風と土の魔法しかないんだけど、なにか使い方知らないかな?」
アサシンは、嬉しそうに答えた。
「土は分かりませんが、風なら便利ですよ」
えっ⁈ あるの?
「いいですか? 魔法はイメージが大切です。私の言葉を丁寧にイメージしてくださいね」
そう言うと、空気と風の関係を話し出した。時々、彼女が魔法で風を送ったりつむじ風を出したりして、私に分かりやすく教えてくれた。
「では、実験してみましょうか?」
アサシン、いや彼女がそう言うと、私たちは攻撃魔法を撃つための訓練所まで移動した。
「さあ、まずはウインドです。あの的辺りに風を作ってください」
私はイメージをしながら「ウインド」と唱えた。
ヒュ——————
一陣の強い風が的の周りに吹いた。周りにいた先生や生徒たちが近づいてくる。
「いまのはなんだ!」
先生が言うと、彼女は答えた。
「今のはリリーさんの風魔法です。リリーさんは風魔法が使えるようになったんですよ」
そう言うと私にだけ聞こえる様に「次はトルネイドです。集中して」とささやいた。
私は彼女が見せてくれたつむじ風を思い出しながら的に集中した。
「トルネイド!」
彼女のつむじ風の46656倍の威力が的を襲う。バリバリと壊れ巻きあがる的たち。
周りの道具も土も巻き込んで、一瞬で消えた竜巻。
見上げると、空からばらばらになったいろんなものが落ちてくる。
まだはるか上空にあるがどう見てもヤバい!
「「「ギャ—————」」」
逃げ惑う人々。落ちてくるであろう凶器たち。
「ウインドよ! 風で吹き飛ばして!」
言われるままウインドと唱えた。残骸は風に流され遠くに飛んで行った。
誰もけが人は出なかった。
恐怖が去るのが分かると、新たな恐怖の主としてみんなが私を見る。いつの間にかアサシンは端に行き、私一人が訓練場のセンターにいる。
シーンとした空気が痛い。
「今のはなんだ?」
先生が私に聞く。
「か、風魔法です」
なんとか答えを吐き出した。
「今のが風魔法か……。よくやったリリー! 騎士団に報告だ!」
興奮した先生たちは私の腕を抱えて連れて行った。
「違うの! あの子! あの子なのよ~」
私が何を言っても先生たちには伝わらない。だってやらせたのはあの子でも、やらかしたのは私だから。
引きずられる私に対し、にこやかに手を振って無関係を装うアサシン。あいつめ……、ゆるさん!
わたしはその後、風魔法使いとしてその名を残すことになるのだが、それはまた別のお話。
24
お気に入りに追加
669
あなたにおすすめの小説

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

〈完結〉毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。

【完結】無能聖女と呼ばれ婚約破棄された私ですが砂漠の国で溺愛されました
よどら文鳥
恋愛
エウレス皇国のラファエル皇太子から突然婚約破棄を告げられた。
どうやら魔道士のマーヤと婚約をしたいそうだ。
この国では王族も貴族も皆、私=リリアの聖女としての力を信用していない。
元々砂漠だったエウレス皇国全域に水の加護を与えて人が住める場所を作ってきたのだが、誰も信じてくれない。
だからこそ、私のことは不要だと思っているらしく、隣の砂漠の国カサラス王国へ追放される。
なんでも、カサラス王国のカルム王子が国の三分の一もの財宝と引き換えに迎え入れたいと打診があったそうだ。
国家の持つ財宝の三分の一も失えば国は確実に傾く。
カルム王子は何故そこまでして私を迎え入れようとしてくれているのだろうか。
カサラス王国へ行ってからは私の人生が劇的に変化していったのである。
だが、まだ砂漠の国で水など殆どない。
私は出会った人たちや国のためにも、なんとしてでもこの国に水の加護を与えていき住み良い国に変えていきたいと誓った。
ちなみに、国を去ったエウレス皇国には距離が離れているので、水の加護はもう反映されないけれど大丈夫なのだろうか。

【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

誰にも信じてもらえなかった公爵令嬢は、もう誰も信じません。
salt
恋愛
王都で罪を犯した悪役令嬢との婚姻を結んだ、東の辺境伯地ディオグーン領を治める、フェイドリンド辺境伯子息、アルバスの懺悔と後悔の記録。
6000文字くらいで摂取するお手軽絶望バッドエンドです。
*なろう・pixivにも掲載しています。

完結 穀潰しと言われたので家を出ます
音爽(ネソウ)
恋愛
ファーレン子爵家は姉が必死で守って来た。だが父親が他界すると家から追い出された。
「お姉様は出て行って!この穀潰し!私にはわかっているのよ遺産をいいように使おうだなんて」
遺産などほとんど残っていないのにそのような事を言う。
こうして腹黒な妹は母を騙して家を乗っ取ったのだ。
その後、収入のない妹夫婦は母の財を喰い物にするばかりで……
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる