貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む！～

幕間 アルファポリス限定SS ②

IF回 もしも災害が起きなかったら

　学園入学時のレイシア。IF回。好き嫌いは出ると思います。




「じゃあ、行ってまいります」

　レイシアとお母様は、馬車に乗り込む時にお父様とクリシュに挨拶をした。

「やっぱり、俺も行きたい」

　お父様は、つい昔のように「俺」と言ってしまうくらい、レイシアとアリシアの馬車に乗り込む勢いだった。

「ダメですよあなた。私がついて行った方が皆様との社交もスムーズにいきますわ。あなたは領とクリシュを守っていてください」

　アリシアはピシっと言うと、颯爽と馬車に乗り込んだ。

　３台の馬車には沢山のドレスや靴が載せてある。ノエルとポエムがレイシアの侍従メイドとして、学園に付き添うことに決まった。

　◇

　入学式。新入生代表の王子の挨拶を聞いたレイシア。
　パーティー前にお母様と話をした。

「さすが王子です。学問を大切にしているのですね」
「本当ね。ラノベの王子とは全然ちがうでしょう？」
「そうですね。素晴らしいです」
「あなたも頑張りなさい。もしかしたら同じクラスになれるかもよ」
「そうですね。競い合えるような関係になれたらいいですね」


　その後、テストで満点を取ったレイシアは、王子と２人、Aクラスに在籍し、騎士コースや冒険者コースを取ることはなく、貴族の令嬢として王子からも認められる素晴らしい学生生活を送ることになる。
　やがて惹かれ合う王子とレイシア。子爵という身分差を覆すため、勉強と社交を頑張るのだった。



　お母様が生きていたら、こんな感じになったんだろうな。恋愛カテいけるくらいの。