貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~

みちのあかり

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第四章 実技の授業

38話 騎士コース(実践基礎)

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 馬術基礎は、馬小屋の掃除なので朝と放課後にそれぞれがやるだけの仕事。別に一人でやる必要もなく、抜け道として使用人にさせるというズルもある。貴族の者はそうやってしのぐ者もいるが、王子はノリノリでやっていた。
 そんな感じの実習なので、授業時間は実践基礎に当てられる。実践の時間が増えることになる。

 ◇

 初めての実践基礎の時間。そこはまるでコスプレ会場の様だった。それぞれが持つ自慢の鎧にソード。家柄や裕福さを競うような者たちと、貧乏な平民たちの身軽な装備。騎士コースと言うが、何も騎士だけ狙うものでもない。領地の施設騎士や一兵卒でもいいから就職したい者も混ざっている。彼らは騎士コースの単位が欲しいので、ジャンル違いではあるが必死に授業を受ける。

 王子は、騎士になれるわけもないので、比較的軽装で、だがロングソードを携えていた。
 レイシアは、料理長と一緒に狩りをするためのぼろ服。端っこのジャンル違いの集団に混ざっていた。

 ◇

「え~。毎年初回は模擬戦と聞いている者もいると思うが、今年から変更になった。今から体力測定に入る。なあに簡単な試験だ。今から30分以内に校舎を一周合格。できなかったものは失格だ。なお、今着ている装備は着たままで行うこと。剣を捨てるなど騎士道に反したものはその場で失格だ。では始め!」

 身軽な者たちは一斉に走った。王子もロングソードは重いが走れないほどではない。そもそも、早歩きで一周30分はクリアできる距離。トップになる必要はない。そう思えば、クリアは簡単なのだが……。

 ジャンル違いの者たちは早かった。
 革の鎧を着た者たちは、余裕でクリアした。
 鋼の鎧を着た者たちは焦っていた。歩けばクリアできる道を無理やり走った。そして力尽きた。

 ◇

「いいか、このように身の丈に合わない装備に頼っても役にたたないんだ。よく覚えておけ」

 走り終わってクタクタになった生徒たちを前に教師はそう言った。

「基本的に、お前たちは基礎体力が低い。だからこれから先はまずは鎧を着ていても戦場で働けるための体力作りから始める。が、次回は君らがやりたかった模擬戦だ。戦える装備で集合すること。武器は自由だ。明日はお祭りだ。楽しめ!」

 そう言って、今日は解散となった。
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「貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~」https://www.alphapolis.co.jp/novel/892339298/357766056 #
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