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第四章 実技の授業

33話 取れるだけ取ってみよう

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「えっ! 試験全部満点だって⁈!!!!!」

 レイシアから「相談があります」と頼られたイリアは、熱心なファンのためそして一人しかいない寮の後輩のため一肌脱ごうと思ったのだが、あまりの予想外の前提に思考がぶっ飛んだ。

「正確に言うと……」
「いや、言わなくていい!」

 (これ以上おかしなこと言われても思考が追い付かない! ペースをあたしの方に引き戻すんだ)。イリアはそんなことを考えながら話をさえぎった。

「つまり、座学の基礎授業が受けるものがないからどうしようかって相談ね」

「はい。そうなんですよ」

 「あたしとしてはさ、Aクラスで王子と絡んでくれると作品が書きやすくていいんだけどね」
「絶対嫌です!」

 速攻で拒否するレイシア。

「そだね。じゃあ実技取れるだけ取ってみたら?」



 学園の授業はコース別に座学と実技がある。1~2年生は、コースを決めることが出来ない分、コースに関係なく好きな実技(初級)を受けることが出来る。ようはお試しで自分の向き不向きを知ることができるのだ。そして3年生からコースとゼミを決めることが出来る。その下準備みたいなもの。

 貴族コースからは
  社交一般
  ダンス
  パーティー作法
 
 法衣貴族コースからは
  簿記・会計
  ビジネス作法(貴族対応)
  他、貴族コースの実技を兼用する

 騎士コースからは
  実践基礎
  魔法基礎
  馬術基礎
 
 お仕事コース(平民)からは
  冒険者基礎
  料理基礎
  側仕え基礎(男子)
  メイド基礎(女子)

レイシアは、法衣貴族の2つと騎士コース、お仕事コースを側仕え基礎以外全部試しに受けることにした。



「まあね、合わなければ止めても問題ないのが低学年のいい所だから。貴族コースは取らないのね」

「ええ。必要ないですし」

「ダンスくらい取っておいたら?」

 ちょっと考えたが、レイシアは取らないことに決めた。

「じゃあ、これで提出します。ありがとうございました」

 レイシアはお礼を言うと部屋に戻った。

 (これじゃ、王子と接点ないじゃない。小説のネタが減ったよ)
と、イリアは残念に思った。
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