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第6章 お家へ帰ろう!

最終話 カクヨムデビュー!(三人称)

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 気がつくと、わたしは机で寝ていた。昨日買った本を読んでいたらいつの間にか寝落ちしていたみたい。伸びをして部屋から出た。

「日菜乃《ひなの》、ちょとおいで」

 お父さんが呼んでいる。なんだろう? とりあえず行ってみたら、お父さんとお母さんがニコニコしながら立っていた。

「日菜乃が欲しがっていたスマホが届いたよ。中学生になるなら必要だろう」

 そう言ってわたしに小箱を渡してくれた。

「やった~、ありがとうお父さん!」

「やり過ぎ注意よ、日菜乃」

お母さんが、釘を刺した。

「分かってる! 大事に使うよ」

 箱を開けながらわたしは答えた。うれしい! わたしのスマホ!

「充電しないと使えないよ。ほら貸して」

 お父さんが、スマホを充電させた。

「充電している間に、ルールを作ろう。スマホばっかりされても困るからね。夜は9時まで、平日は1日2時間。これは守るようにね」

「わかった。守ります」

 お父さんはそれならいいと言ってくれた。よかった。細かくなくて。

「日菜乃は、なにがやりたいことがあるの?」

 お母さんが聞いてきたので、わたしは思い切って言った。

「わたし、小説を書きたいの」

「「小説?」」

「そうよ。小説を書きたいの」

 お父さんとお母さんは顔を見合わせてから言ったの。

「いいんじゃないか? いい趣味だと思うよ」
「日菜乃は本好きだから、いいんじゃない」

「だから、カクヨムに登録していい?」

「「カクヨムって何?」」

 わたしは、カクヨムについて説明した。KADOKAWAが運営しているきちんとしたサイトであること。実名は出さず、写真も出さないでいい事。安全性、信用性を強調して説明した。でも、なんでこんなことわたし知っているんだろう?

「いいんじゃないか? それだけ調べているなら。角川なら一流企業だし、変なサイトじゃないだろう」

 お父さんもお母さんも賛成してくれた。一緒にサイトを見ながら登録が終わった。

「じゃあ、今日はスマホはここまでだよ。明日から使いなさい」

 わたしはすぐに使いたかったけど、あきらめて今日は寝ることにした。



 次の日、勉強を終えてからスマホを使う許可をもらった。
 部屋に戻り、カクヨムのアプリを開いた。

 なつかしい。そんな思いの中、私の中にあの時の記憶が流れ込んだ。

「みちのさん! モコりん!」

 わたしはなつかしさで泣きたくなった。作者検索で「未知野灯」を探した。

「いた。みちのさん、ほんとにいた」

 あの時食べた塩キャラメルの味が口の中に広がった。みちのさん! わたしは未知野灯をフォローした。

「初めまして、みちのさん。新人の未来ノひなです。よろしくお願いします」

そうみちのさんの近況ノートに書いた。

 さあ、小説を書こう。そのために戻ってきたんだ。わたしは、小説の構想を練った。わたしの体験を小説にしよう。ジャンルは異世界ファンタジー。タイトルは……


 その時、返信が来た。みちのさんからだ!

「初めまして、未来ノひなさん。そして、おかえりひな!」

 ただいま、みちのさん! わたしは小説家になるよ!


 わたしは、新しい小説のタイトルを書き入れた。





  【タイトル】
「ようこそ! かくよむ国へ ~ちいさな小説家の小さな冒険~」


                fin
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感想 2

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みんなの感想(2件)

月影 流詩亜(旧 るしあん)

次は、是非 あるふぁ連邦に挑戦編を見たいですね。

みちのあかり
2023.07.21 みちのあかり

成功したら書けるかな?
まだアルファさんの攻略法見えていませんね

解除
月影 流詩亜(旧 るしあん)
ネタバレ含む
みちのあかり
2023.07.20 みちのあかり

そうですね
そういう意味ではかくよむ国で良かったのかもしれません。

解除

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