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第四章:燃えつきろ! 男女大競演舞会編
35話:ユウの心
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【マトモなこと】
「あっちは敵の大将か」
横峯センパイがつぶやく。
トレビアン側の観覧席から現れたのは、詩天王玄武姫こと鷲屋雛菊。その登場に、会場は少なからずどよめいた。
「いよいよ大詰めってかんじね」
さきほどの特設リングはすっかりと片付けられ、割れた地面は何事もなかったかのように元通りとなり、フィールド奥には会場中を見渡せる小さな櫓が建てられ、その中に、舞台袖をしつらえたステージと演壇が用意された。
毎度のことながら、無駄な金と恐ろしい手際のマッチング。
まったく、こんな金と労力があるのなら……(以下略)。
と、いうことで。
俺と雛菊がステージの前まで足を運ぶと、冴子先生はキリっとうなずいて説明をはじめた。
「では最終決戦内容を言います。心の勝負。君たちの思いをここにいる皆さんに伝えてください」
と、先生は大きく手を広げ、会場中を指ししめす。
「思いを伝える?」
俺は冴子先生の言葉を繰り返す。
言っていることが抽象的すぎていまいち理解ができない。俺がここで何を言えばいいのか?
すると冴子先生はもっとわかりやすく噛み砕いて説明してくれた。
「この勝負に賭ける思い。なぜ戦うのか。この場にいるより多くの人達の心を打った方の勝ちとします」
なるほど……。
そういうことか。
「や、やばいわね」
観覧席ではレイが冷や汗をかいていた。
なぜかというと、
「女子校を嫌がってるユウちゃんがマトモなことを言うハズないわ」
と、そういうことらしい。
まあ、それはもっともな話だ。
彼らの気持ちもわかる。
しかし、この俺を代表に選んだのは他の誰でもない、キミたちだからねっ!
レイは頭を抱えて嘆いた。
「誰よ! ユウちゃんを代表に選んだバカは!」
その場にいる全員がレイを指さしてこう言った。
「おまえだっ!」
★ ★ ★
演説の順番は公平にくじ引きで決められ、結果、俺が先行となった。
雛菊はいったん観覧席へと戻り、フィールド上には冴子先生をのぞくと俺一人だけが取り残された。
『思い』か……。
俺は壇上に立って、視界いっぱいに広がる、数万人もの人々に埋めつくされた観覧席を見渡した。
これほどの人たちがいながら、いま競技場全体はしんと静まり返り、たった一人の演説者――つまりこの俺をじっと見守っている。
こんな大舞台で、いったい俺に何を喋ればいいというのだろう……。
「……」
ま、いいか。
俺はピンクのジャージの襟をただし、とりあえず思ったことを口にしてみた。
「俺は、女装なんて嫌いだ」
その一言に、会場が軽いざわめきを発する。
俺の発言に、レイは頭を抱えて「あちゃー」と空をあおいだ。
そんなことはいっさい気にせず、俺は話を続けた。
「今までこんなジャージを着てお茶を濁してきたけれど、この際はっきりと言う。俺は女装が嫌いだ。男らしいのが好きだ。スカートよりもジャージ。ジャージよりも詰襟学生服。スカート? 黒タイツ? そんなのくそくらえだ。『私』なんて言ってたまるものか。俺は女っぽいのが苦手なんだ。転じてこの学校が嫌いだ。俺を女に近づけるこの学校が大嫌いだ。いや……、嫌いだと思っていた。その理由はあまりにくだらないので省くけれど、俺はノイローゼになるほど、ここで女装をし続けることに抵抗があったんだ。そして、それは今でもあんまり変わらないんだけれど――女装は嫌いで、女の子扱いされるのも大嫌いなんだけど。それは今でも変わらないんだけど、今回の、このみんなの戦いを見て……なんというか、その……」
俺は堂々と前を向き、はっきりキッパリと言った。
「すごい感動しました。そして楽しかった」
周りを見渡す。
誰も、何も言わない。ざわめきすらもなく、みんなが俺の話に真剣に耳を傾けてくれているのがわかる。
俺は話を続けた。
「みんな、俺なんかよりもずっと強い信念を持っていて、まっすぐで。保望側もトレビアン側も、どっちも素晴らしい『人達』だと思った。男だとか女だとかそんなの関係ない。俺は……。シオンちゃんも言ってたけど、こんな素晴らしい人たちとずっと一緒にいたい。こんな言い分、トレビアンの人たちにとってはすごく理不尽で、迷惑極まりないかもしれないけれど、それでも俺はお願いしたい。この学校を追い出されるのは、とても悲しいことだと思います」
そして最後にこう締めくくる。
「女装はイヤだけど、イヤだけど……この学校は嫌いじゃないです。以上」
俺は礼をする。
すると――。
ぱちぱちぱちと、まず横峯センパイが拍手をしてくれた。
そしてレイも「ユウちゃーーーん!」と、感動の涙を流しながら手を叩いた。
アキラ、シオンも続いて手を叩き、やがてまばらだった拍手は会場全体に広がってゆき、そして最後には地面を揺るがすほどの大歓声――『ジャージちゃんコール』が沸き起こった。
★ ★ ★
観覧席の一画で一部始終を見ていた新村舞も、ユウの勇姿に号泣してる。
「か、感動しました。成宮さん……」
そして手のひらが痛むほどに拍手をして、
「なーりーみーやーさーーんっ!」
と、絶叫をあげた。
「なーりーみーやーさーーんっ!」
と、繰り返す。
「なーりーみーやーさーーんっ!」
さらにさらに繰り返す。
やたらと目立つその姿に、アキラは思わず彼女のほうを指さして、
「あ。ぷにぷに少女だ……」
と言った。
その一声に、何人かの生徒も反応して、
「ほんとだ。ぷにぷに少女だ!」
「ぷにぷに少女ぷにぷに少女!」
「ぷにぷにーっ!」
『ジャージちゃんコール』に混じって、一部で『ぷにぷにちゃんコール』が巻き起こる。
その様子にユウは恥ずかしそうに肩を縮めながら、
「ま、舞ちゃん……」
とつぶやいた。
【場外乱闘】
ユウの演説は、予想外の大成功のうちに幕を閉じた。
しかし、保望側にとっては手放しで喜べるような状況では、決してなかった。
「ユウちゃんの演説、感動したわ。けど……。次はこの学校の詩天王自らの出陣。こんなアウェイで勝てるわけないじゃない」
レイが珍しく悲観的になっている。
しかしそれも無理はない。このメンバーの中で一番の情報通のレイのことだ。トレビアンにおける詩天王の影響力をよーく知っているのだった。
詩天王が『白』と言えば、黒ですらも白になる。それが彼女らの力だった。
たったひと時の会場の雰囲気など、雛菊の一言によってあっという間にひっくり返される。
それが怖い。
レイは決心したように顔をあげた。
「レイ、どうしたの?」
アキラがたずねる。
「ユウちゃんの思いを無にしたくない! あたし、断固抗議するわ!」
と、いきなり立ち上がり、レイはそのまま観覧席を出ていった。
★ ★ ★
トレビアン側の観覧席の高みで会場を眺めていた真実は、スタッフに取り押さえられながら観客席の中をかき分けてくるレイの姿を目に留めた。
「お、お姉さま、あそこでヒゲの生えた生徒が暴れてますが……」
真実の指の指す方向を見て、雛菊は小さくため息をつく。
レイの声はこちらまで届いていた。『話を聞け』だの『卑怯よ!』だの。まったく好き勝手にわめいてくれる。
レイが、トレビアンの幹部たちが控えるこの観覧席に向かっているのはあきらかだった。
大方、あちらの言い分を無理矢理通すための直談判が目的だろう。
くだらない。
雛菊は、さきほど試合を終えたばかりの愛子に目配せをする。
「愛子さん、大丈夫?」
体の各所に巻かれた包帯や絆創膏が痛々しかったが、愛子は雛菊の合図に力強くうなずき、
「大丈夫。タフだけが、取り柄」
「じゃ、悪いけどあの男をつまみ出してちょうだい」
雛菊の命令に愛子は観客席へと下っていくと、スタッフ数人がかりでようやく取り押さえていたレイの体を、たった一人で軽々と小脇に抱えて会場の外へと出ていった。
しかし、レイは愛子に押さえつけられながらも、じたばたと、ずっと抗議をやめようとはしなかった。
「このっ! こら! 詩天王! 話を聞けって言ってるのよ! 男の娘をなめんなーっ!」
その声は、レイの姿が完全に消えるまで止まることはなかった。
保望の生徒たちは、胸の痛む思いでその様子を眺めていた。
「れ、レイ……」
俺も、胸を押さえてレイの勇姿を最後まで見守った。
「あっちは敵の大将か」
横峯センパイがつぶやく。
トレビアン側の観覧席から現れたのは、詩天王玄武姫こと鷲屋雛菊。その登場に、会場は少なからずどよめいた。
「いよいよ大詰めってかんじね」
さきほどの特設リングはすっかりと片付けられ、割れた地面は何事もなかったかのように元通りとなり、フィールド奥には会場中を見渡せる小さな櫓が建てられ、その中に、舞台袖をしつらえたステージと演壇が用意された。
毎度のことながら、無駄な金と恐ろしい手際のマッチング。
まったく、こんな金と労力があるのなら……(以下略)。
と、いうことで。
俺と雛菊がステージの前まで足を運ぶと、冴子先生はキリっとうなずいて説明をはじめた。
「では最終決戦内容を言います。心の勝負。君たちの思いをここにいる皆さんに伝えてください」
と、先生は大きく手を広げ、会場中を指ししめす。
「思いを伝える?」
俺は冴子先生の言葉を繰り返す。
言っていることが抽象的すぎていまいち理解ができない。俺がここで何を言えばいいのか?
すると冴子先生はもっとわかりやすく噛み砕いて説明してくれた。
「この勝負に賭ける思い。なぜ戦うのか。この場にいるより多くの人達の心を打った方の勝ちとします」
なるほど……。
そういうことか。
「や、やばいわね」
観覧席ではレイが冷や汗をかいていた。
なぜかというと、
「女子校を嫌がってるユウちゃんがマトモなことを言うハズないわ」
と、そういうことらしい。
まあ、それはもっともな話だ。
彼らの気持ちもわかる。
しかし、この俺を代表に選んだのは他の誰でもない、キミたちだからねっ!
レイは頭を抱えて嘆いた。
「誰よ! ユウちゃんを代表に選んだバカは!」
その場にいる全員がレイを指さしてこう言った。
「おまえだっ!」
★ ★ ★
演説の順番は公平にくじ引きで決められ、結果、俺が先行となった。
雛菊はいったん観覧席へと戻り、フィールド上には冴子先生をのぞくと俺一人だけが取り残された。
『思い』か……。
俺は壇上に立って、視界いっぱいに広がる、数万人もの人々に埋めつくされた観覧席を見渡した。
これほどの人たちがいながら、いま競技場全体はしんと静まり返り、たった一人の演説者――つまりこの俺をじっと見守っている。
こんな大舞台で、いったい俺に何を喋ればいいというのだろう……。
「……」
ま、いいか。
俺はピンクのジャージの襟をただし、とりあえず思ったことを口にしてみた。
「俺は、女装なんて嫌いだ」
その一言に、会場が軽いざわめきを発する。
俺の発言に、レイは頭を抱えて「あちゃー」と空をあおいだ。
そんなことはいっさい気にせず、俺は話を続けた。
「今までこんなジャージを着てお茶を濁してきたけれど、この際はっきりと言う。俺は女装が嫌いだ。男らしいのが好きだ。スカートよりもジャージ。ジャージよりも詰襟学生服。スカート? 黒タイツ? そんなのくそくらえだ。『私』なんて言ってたまるものか。俺は女っぽいのが苦手なんだ。転じてこの学校が嫌いだ。俺を女に近づけるこの学校が大嫌いだ。いや……、嫌いだと思っていた。その理由はあまりにくだらないので省くけれど、俺はノイローゼになるほど、ここで女装をし続けることに抵抗があったんだ。そして、それは今でもあんまり変わらないんだけれど――女装は嫌いで、女の子扱いされるのも大嫌いなんだけど。それは今でも変わらないんだけど、今回の、このみんなの戦いを見て……なんというか、その……」
俺は堂々と前を向き、はっきりキッパリと言った。
「すごい感動しました。そして楽しかった」
周りを見渡す。
誰も、何も言わない。ざわめきすらもなく、みんなが俺の話に真剣に耳を傾けてくれているのがわかる。
俺は話を続けた。
「みんな、俺なんかよりもずっと強い信念を持っていて、まっすぐで。保望側もトレビアン側も、どっちも素晴らしい『人達』だと思った。男だとか女だとかそんなの関係ない。俺は……。シオンちゃんも言ってたけど、こんな素晴らしい人たちとずっと一緒にいたい。こんな言い分、トレビアンの人たちにとってはすごく理不尽で、迷惑極まりないかもしれないけれど、それでも俺はお願いしたい。この学校を追い出されるのは、とても悲しいことだと思います」
そして最後にこう締めくくる。
「女装はイヤだけど、イヤだけど……この学校は嫌いじゃないです。以上」
俺は礼をする。
すると――。
ぱちぱちぱちと、まず横峯センパイが拍手をしてくれた。
そしてレイも「ユウちゃーーーん!」と、感動の涙を流しながら手を叩いた。
アキラ、シオンも続いて手を叩き、やがてまばらだった拍手は会場全体に広がってゆき、そして最後には地面を揺るがすほどの大歓声――『ジャージちゃんコール』が沸き起こった。
★ ★ ★
観覧席の一画で一部始終を見ていた新村舞も、ユウの勇姿に号泣してる。
「か、感動しました。成宮さん……」
そして手のひらが痛むほどに拍手をして、
「なーりーみーやーさーーんっ!」
と、絶叫をあげた。
「なーりーみーやーさーーんっ!」
と、繰り返す。
「なーりーみーやーさーーんっ!」
さらにさらに繰り返す。
やたらと目立つその姿に、アキラは思わず彼女のほうを指さして、
「あ。ぷにぷに少女だ……」
と言った。
その一声に、何人かの生徒も反応して、
「ほんとだ。ぷにぷに少女だ!」
「ぷにぷに少女ぷにぷに少女!」
「ぷにぷにーっ!」
『ジャージちゃんコール』に混じって、一部で『ぷにぷにちゃんコール』が巻き起こる。
その様子にユウは恥ずかしそうに肩を縮めながら、
「ま、舞ちゃん……」
とつぶやいた。
【場外乱闘】
ユウの演説は、予想外の大成功のうちに幕を閉じた。
しかし、保望側にとっては手放しで喜べるような状況では、決してなかった。
「ユウちゃんの演説、感動したわ。けど……。次はこの学校の詩天王自らの出陣。こんなアウェイで勝てるわけないじゃない」
レイが珍しく悲観的になっている。
しかしそれも無理はない。このメンバーの中で一番の情報通のレイのことだ。トレビアンにおける詩天王の影響力をよーく知っているのだった。
詩天王が『白』と言えば、黒ですらも白になる。それが彼女らの力だった。
たったひと時の会場の雰囲気など、雛菊の一言によってあっという間にひっくり返される。
それが怖い。
レイは決心したように顔をあげた。
「レイ、どうしたの?」
アキラがたずねる。
「ユウちゃんの思いを無にしたくない! あたし、断固抗議するわ!」
と、いきなり立ち上がり、レイはそのまま観覧席を出ていった。
★ ★ ★
トレビアン側の観覧席の高みで会場を眺めていた真実は、スタッフに取り押さえられながら観客席の中をかき分けてくるレイの姿を目に留めた。
「お、お姉さま、あそこでヒゲの生えた生徒が暴れてますが……」
真実の指の指す方向を見て、雛菊は小さくため息をつく。
レイの声はこちらまで届いていた。『話を聞け』だの『卑怯よ!』だの。まったく好き勝手にわめいてくれる。
レイが、トレビアンの幹部たちが控えるこの観覧席に向かっているのはあきらかだった。
大方、あちらの言い分を無理矢理通すための直談判が目的だろう。
くだらない。
雛菊は、さきほど試合を終えたばかりの愛子に目配せをする。
「愛子さん、大丈夫?」
体の各所に巻かれた包帯や絆創膏が痛々しかったが、愛子は雛菊の合図に力強くうなずき、
「大丈夫。タフだけが、取り柄」
「じゃ、悪いけどあの男をつまみ出してちょうだい」
雛菊の命令に愛子は観客席へと下っていくと、スタッフ数人がかりでようやく取り押さえていたレイの体を、たった一人で軽々と小脇に抱えて会場の外へと出ていった。
しかし、レイは愛子に押さえつけられながらも、じたばたと、ずっと抗議をやめようとはしなかった。
「このっ! こら! 詩天王! 話を聞けって言ってるのよ! 男の娘をなめんなーっ!」
その声は、レイの姿が完全に消えるまで止まることはなかった。
保望の生徒たちは、胸の痛む思いでその様子を眺めていた。
「れ、レイ……」
俺も、胸を押さえてレイの勇姿を最後まで見守った。
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