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生徒会長
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しおりを挟むぎょっとしていると、季一が恨めしそうな声をだす。
「……なかよし…」
「なっ…何やって…」
「………」
「ねえ、そんなとこにいないで中に入ったら~?」
「え?」
「……おじゃましまーす」
……えええ?!
「……てゆうか、誰?」
三上を見て季一が言う。
「おまっ、指さすな!生徒会長だろーがっ」
「かいちょー?ああ、そういや…?」
「覚えてないのかよ…」
「俺、人の顔覚えんの苦手ってゆーか」
……信じらんねー…
唖然としていると、ぶっと三上が吹き出した。
「吉河くんだっけ?」
「……そうっすけど」
よろしくね~と笑う三上。
「まあまあ、座りなさいよ」
「……?じゃあ、お言葉に甘えてー」
……待て、なんでこうなる…てゆうかなんでお前がここにいるんだ!!
頭痛がしてくる。
……ヤバい…こいつがここにいるのは、絶対ヤバい…
「吉河くん、甘いもの好き~?」
「大好きっす!!」
「それはよかった。カナちゃん、コーヒー淹れてくれる~?」
「……はい」
「ああっ先輩、俺やりますから!」
立ち上がりかけた吉河を、三上が制止した。
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「……!!プリンパンじゃないっすか!!」
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「いいよ~」
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「なんすか?」
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「カナちゃんは黙ってて?」
「……っ、」
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「俺と先輩…ですか?」
「………」
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……どうせそのうちバレるだろうけど…そのことに関しては誰にどう思われようと別にどうでもいいけど…でも俺の平穏な学校生活が…!
「会長、あの…彼は」
「先輩は、俺の大切なひとです」
あっさりと季一が言う。
「世界で一番、大切なひとです」
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