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82.修学旅行③
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修学旅行3日目。今日は大阪にあるテーマパークに来ている。
前に来たのって何年前だったけな?
新しくできたエリアには絶対行こうとか、回る順番を話し合いながら歩いていると、ワゴン販売の店が目に入った。
何となく近付き商品を見ていると、隣でカチューシャを手にした光琉。
「日向、コレ付けてみて」
「えぇ…絶対似合わないと思うんだけど」
手渡されたのはネコ耳カチューシャ。
「絶対似合うから」
しかも、もふもふバージョン。
「お願い」
「付けるだけだからな。買わないからな」
俺も大概だよなぁ。光琉にお願いされたら断れないから。
「可愛い!」
付けた瞬間スマホを向けてくる光琉。
「買ってくる」
「俺買わないって言ったぞ!」
「うん。日向は買わなくていいよ。俺が買うから」
いや、そういう意味じゃなくってさ。
「なら光琉の分も買おうぜ」
「俺はいいよ」
道連れにしたい気持ち半分、お揃いで付けたい気持ち半分。
「お揃いで、な?」
嘘だ。お揃いで付けたい気持ちが7割…8割かも。
「うぅ…もう、そんな可愛くお願いしないでよ。俺、断れないじゃん」
「可愛いつもりは一切なかったんだけどな。あっ! みんなも買おうぜ」
それぞれカチューシャを付けてみたり、帽子を被ってみたりしていたし、せっかくだしな。
結局光琉は俺と色違いのネコ耳を購入。蓮と稜ちゃんはイヌ耳を色違いで購入したようだ。一樹と宇都宮はキャラクターが頭に乗っているように見えるカチューシャ。
「ふはっ」
「笑わないでよ」
「ごめん。でも…イケメンが可愛いカチューシャ付けてるとか、違和感しかなくて面白いんだもん」
可愛いと言って抱きしめてきた光琉。
? ………何が?
写真撮ろう、と一樹の合図でみんなで並び、キャストに写真をお願いした。
「日向? どうしたの?」
「なんでもない」
「そう? ふっ。日向からくっついてくれて嬉しいよ」
キャストのお姉さん、絶対光琉に見惚れてた!
写真を撮る前にも思ったけど、一樹のスマホなのに、光琉に返そうとした時点で確信に変わったからな。
光琉は俺のだから! と、お姉さんにアピールするように、光琉にくっついたんだ。
「気にしなくたって香坂くんは日向しか見てないのに」
「何があるかわからないだろ」
「はいはい」
なんやかんや言っても、世間一般的に俺はベータに見えてしまう。学校から一歩外に出ると、光琉を狙ってくる人がいるって忘れないようにしとかないとな。
「嫉妬してくれたの?」
「違うから。光琉は俺のだからってアピールしただけで……コレって嫉妬なのか!?」
「日向!!」
「あっ………」
俺、声に出してた。
でも、俺の嫉妬に喜んだ光琉が目一杯抱きしめてきたおかげで、キャストのお姉さんも諦めたはず。
……って、単に見惚れてただけで、最初から狙ってはなかった可能性だってあるんだけどな。
平日だから比較的空いているパーク内。午前中はいくつかのアトラクションを楽しみ、お昼は映画の世界を再現しているレストランでとることにした。
「俺さ、この映画めっちゃ好きなんだよ」
「分かる! 俺DVD持ってるし」
と宇都宮。俺もDVD持ってるし、なんなら原作の本だって全巻持ってる。
「俺も! 本も全巻持ってる」
そうそう一樹も好きで、一緒にポップアップストアにも行ったよな。
久々の世界観に俺、一樹、宇都宮のテンションが上がりまくり、写真を撮りまくっていたら、いつの間にか蓮と稜ちゃんがいなくなっていた。
「2人は?」
「先にレストランに行ってるって」
長かったもんな…悪いことしちゃった。
「光琉も、付き合わせてごめんな」
「全然。俺もたくさん写真撮れたしね」
「撮ってたっけ?」
光琉が写真を撮っていた事に気付かないくらい、夢中になりすぎてしまっていたようだ。
「3人とは撮ってたものが違うから」
「どういう意味?」
「日向を撮ってたってこと」
「なっ!?」
それこそ全く気付かなかった…。
もちろんレストラン内でも同じ様にテンションが上ったままの俺達。何枚も写真を撮り、グッズを買って、アトラクションにも乗って、また写真を撮って。
途中蓮が疲れてしまい、少しの間2人とは別行動したくらい。
光琉にも申し訳ないなって思ったけど、なんだか一番楽しそうで、満足そうな顔をしていたから、気にしないことにした。
「また来たいな」
「今度は2人で来ようね」
京都のホテルに戻らないといけなくて、閉園時間までいることが出来なかった。それだけが残念。
前に来たのって何年前だったけな?
新しくできたエリアには絶対行こうとか、回る順番を話し合いながら歩いていると、ワゴン販売の店が目に入った。
何となく近付き商品を見ていると、隣でカチューシャを手にした光琉。
「日向、コレ付けてみて」
「えぇ…絶対似合わないと思うんだけど」
手渡されたのはネコ耳カチューシャ。
「絶対似合うから」
しかも、もふもふバージョン。
「お願い」
「付けるだけだからな。買わないからな」
俺も大概だよなぁ。光琉にお願いされたら断れないから。
「可愛い!」
付けた瞬間スマホを向けてくる光琉。
「買ってくる」
「俺買わないって言ったぞ!」
「うん。日向は買わなくていいよ。俺が買うから」
いや、そういう意味じゃなくってさ。
「なら光琉の分も買おうぜ」
「俺はいいよ」
道連れにしたい気持ち半分、お揃いで付けたい気持ち半分。
「お揃いで、な?」
嘘だ。お揃いで付けたい気持ちが7割…8割かも。
「うぅ…もう、そんな可愛くお願いしないでよ。俺、断れないじゃん」
「可愛いつもりは一切なかったんだけどな。あっ! みんなも買おうぜ」
それぞれカチューシャを付けてみたり、帽子を被ってみたりしていたし、せっかくだしな。
結局光琉は俺と色違いのネコ耳を購入。蓮と稜ちゃんはイヌ耳を色違いで購入したようだ。一樹と宇都宮はキャラクターが頭に乗っているように見えるカチューシャ。
「ふはっ」
「笑わないでよ」
「ごめん。でも…イケメンが可愛いカチューシャ付けてるとか、違和感しかなくて面白いんだもん」
可愛いと言って抱きしめてきた光琉。
? ………何が?
写真撮ろう、と一樹の合図でみんなで並び、キャストに写真をお願いした。
「日向? どうしたの?」
「なんでもない」
「そう? ふっ。日向からくっついてくれて嬉しいよ」
キャストのお姉さん、絶対光琉に見惚れてた!
写真を撮る前にも思ったけど、一樹のスマホなのに、光琉に返そうとした時点で確信に変わったからな。
光琉は俺のだから! と、お姉さんにアピールするように、光琉にくっついたんだ。
「気にしなくたって香坂くんは日向しか見てないのに」
「何があるかわからないだろ」
「はいはい」
なんやかんや言っても、世間一般的に俺はベータに見えてしまう。学校から一歩外に出ると、光琉を狙ってくる人がいるって忘れないようにしとかないとな。
「嫉妬してくれたの?」
「違うから。光琉は俺のだからってアピールしただけで……コレって嫉妬なのか!?」
「日向!!」
「あっ………」
俺、声に出してた。
でも、俺の嫉妬に喜んだ光琉が目一杯抱きしめてきたおかげで、キャストのお姉さんも諦めたはず。
……って、単に見惚れてただけで、最初から狙ってはなかった可能性だってあるんだけどな。
平日だから比較的空いているパーク内。午前中はいくつかのアトラクションを楽しみ、お昼は映画の世界を再現しているレストランでとることにした。
「俺さ、この映画めっちゃ好きなんだよ」
「分かる! 俺DVD持ってるし」
と宇都宮。俺もDVD持ってるし、なんなら原作の本だって全巻持ってる。
「俺も! 本も全巻持ってる」
そうそう一樹も好きで、一緒にポップアップストアにも行ったよな。
久々の世界観に俺、一樹、宇都宮のテンションが上がりまくり、写真を撮りまくっていたら、いつの間にか蓮と稜ちゃんがいなくなっていた。
「2人は?」
「先にレストランに行ってるって」
長かったもんな…悪いことしちゃった。
「光琉も、付き合わせてごめんな」
「全然。俺もたくさん写真撮れたしね」
「撮ってたっけ?」
光琉が写真を撮っていた事に気付かないくらい、夢中になりすぎてしまっていたようだ。
「3人とは撮ってたものが違うから」
「どういう意味?」
「日向を撮ってたってこと」
「なっ!?」
それこそ全く気付かなかった…。
もちろんレストラン内でも同じ様にテンションが上ったままの俺達。何枚も写真を撮り、グッズを買って、アトラクションにも乗って、また写真を撮って。
途中蓮が疲れてしまい、少しの間2人とは別行動したくらい。
光琉にも申し訳ないなって思ったけど、なんだか一番楽しそうで、満足そうな顔をしていたから、気にしないことにした。
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