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50.一樹にカミングアウト
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「それで? 監視されてるみたいですっごく居心地悪いんだけど」
お試し中とは言え一応光琉と付き合うことになった事はもちろん、一樹にオメガだって告白しようと一樹と蓮を呼び出したんだ。場所はいつものカフェ。
それぞれドリンクを頼み、ドリンクを置ける小さなサイドテーブルがあるだけの、くつろぎスペースになっているソファー席に座る。
俺から伝えたいからと遠慮してもらったんだけど…声が聞こえないだけで見えるところにいる光琉。しかも宇都宮と稜ちゃんも一緒に。
「着いてこなくて良いって言ったんだけどな」
「アルファが、はい分かりましたって言うこと聞くわけ無いじゃん」
「うぅ…」
光琉はお試し期間が始まってから母さんレベルに過保護になり、トイレに行くのですら付いてくる。しかもオメガ用のトイレ、オメガ用の更衣室を使えって煩いし。
2人共何の話なのか気が付いているんだろうな。教室を出てから今までずっと黙っている一樹…オメガだって言ったら、どう思う?
落ち着かせるためにシナモン入りのホットバニラを一口含んで…
「一樹…」
「うん」
「……………」
大丈夫。
オメガだとかベータだとかで態度を変えるようなやつじゃないって、俺が一番良く知っているじゃないか。だから、大丈夫だ。
「一樹、俺………俺、オメガなんだ」
「はぁ…ようやくかよ。俺、いつ言ってくれるんだろうってずっと待ってたからさ。話してくれてありがとうな」
「へ?」
「いや、普通気が付くから」
そうじゃなくて…それだけなのか?
「最初はさ、香坂ってモテるんだから、わざわざベータ男子を選ばなくてもいいのにって思ってたんだ。でも日向って元々なんか可愛かったし、香坂といる時なんて――」
「ちょっと待て! 元々可愛い!?」
「うん? あぁ、日向さ、中学の時から可愛いって言われてたぞ」
は? どこが? 可愛いっていうのは蓮みたいな…
「見た目っていうか言動がな。可愛いよなってクラスのやつも、バスケ部のやつも言ってたよ。でも日向怒るじゃん? だから日向の前では言わないようにしてただけな」
それは可愛くないのにからかってくるからだろ?
「分かる。危なっかしいところとか、ムカつくけど守りたくなる感じあるよね。俺もオメガだけどそう思うし」
「そうそう」
「え? どのへんが!?」
一樹は右手で、蓮は両手で頬杖をついて話している。
「それは香坂に聞いてくれ。で、香坂といる日向を見て、最初は冗談半分でオメガなんじゃね? って思っただけ。でも鶴間と友達になったって聞いて本当にオメガだったんだなって気付いた」
「蓮?」
「そう。だって鶴間はオメガとしか友達にならないって有名だから」
「えっ!? そうなのか?」
蓮から聞いて俺は知ってたけど、有名だったんだ。
「そういうところだよ。ね、日比野くん」
??
「…まぁいいか。なぁ一樹、これからも俺と…」
「日向のそういうところ嫌いじゃないよ。気にしいなのに大雑把なところ」
「何だよそれ」
一樹…。これからも俺と親友でいてほしい、なんて口に出さなくても言い気がした。
「まぁだからさ。オメガとかベータとかどうでもいいってことだ」
「そう、だよな」
ありがとう。変わらないでいてくれて。
「一樹、ずっと黙っててごめん」
「ほんとだよ。中3のバース検査の時に教えてくれても…って俺が言いにくい雰囲気出しちゃってたんだよな、きっと」
「いや。俺に勇気がなかっただけだ。ほら俺って全然オメガに見えないから」
「でも俺、日向はベータだって決めつけてたし…」
「それは俺がオメガに見えないからだし」
「俺が…」
「それ、いつまで続ける気?」
「「あ…悪い」」
「2人の間ではバースなんてどうでもいいんでしょ。ならどっちも悪くない、でいいじゃん」
「「確かに…」」
仲良すぎて気持ち悪いって言いながら、優しい笑顔の蓮。蓮もありがとうな。
お試し中とは言え一応光琉と付き合うことになった事はもちろん、一樹にオメガだって告白しようと一樹と蓮を呼び出したんだ。場所はいつものカフェ。
それぞれドリンクを頼み、ドリンクを置ける小さなサイドテーブルがあるだけの、くつろぎスペースになっているソファー席に座る。
俺から伝えたいからと遠慮してもらったんだけど…声が聞こえないだけで見えるところにいる光琉。しかも宇都宮と稜ちゃんも一緒に。
「着いてこなくて良いって言ったんだけどな」
「アルファが、はい分かりましたって言うこと聞くわけ無いじゃん」
「うぅ…」
光琉はお試し期間が始まってから母さんレベルに過保護になり、トイレに行くのですら付いてくる。しかもオメガ用のトイレ、オメガ用の更衣室を使えって煩いし。
2人共何の話なのか気が付いているんだろうな。教室を出てから今までずっと黙っている一樹…オメガだって言ったら、どう思う?
落ち着かせるためにシナモン入りのホットバニラを一口含んで…
「一樹…」
「うん」
「……………」
大丈夫。
オメガだとかベータだとかで態度を変えるようなやつじゃないって、俺が一番良く知っているじゃないか。だから、大丈夫だ。
「一樹、俺………俺、オメガなんだ」
「はぁ…ようやくかよ。俺、いつ言ってくれるんだろうってずっと待ってたからさ。話してくれてありがとうな」
「へ?」
「いや、普通気が付くから」
そうじゃなくて…それだけなのか?
「最初はさ、香坂ってモテるんだから、わざわざベータ男子を選ばなくてもいいのにって思ってたんだ。でも日向って元々なんか可愛かったし、香坂といる時なんて――」
「ちょっと待て! 元々可愛い!?」
「うん? あぁ、日向さ、中学の時から可愛いって言われてたぞ」
は? どこが? 可愛いっていうのは蓮みたいな…
「見た目っていうか言動がな。可愛いよなってクラスのやつも、バスケ部のやつも言ってたよ。でも日向怒るじゃん? だから日向の前では言わないようにしてただけな」
それは可愛くないのにからかってくるからだろ?
「分かる。危なっかしいところとか、ムカつくけど守りたくなる感じあるよね。俺もオメガだけどそう思うし」
「そうそう」
「え? どのへんが!?」
一樹は右手で、蓮は両手で頬杖をついて話している。
「それは香坂に聞いてくれ。で、香坂といる日向を見て、最初は冗談半分でオメガなんじゃね? って思っただけ。でも鶴間と友達になったって聞いて本当にオメガだったんだなって気付いた」
「蓮?」
「そう。だって鶴間はオメガとしか友達にならないって有名だから」
「えっ!? そうなのか?」
蓮から聞いて俺は知ってたけど、有名だったんだ。
「そういうところだよ。ね、日比野くん」
??
「…まぁいいか。なぁ一樹、これからも俺と…」
「日向のそういうところ嫌いじゃないよ。気にしいなのに大雑把なところ」
「何だよそれ」
一樹…。これからも俺と親友でいてほしい、なんて口に出さなくても言い気がした。
「まぁだからさ。オメガとかベータとかどうでもいいってことだ」
「そう、だよな」
ありがとう。変わらないでいてくれて。
「一樹、ずっと黙っててごめん」
「ほんとだよ。中3のバース検査の時に教えてくれても…って俺が言いにくい雰囲気出しちゃってたんだよな、きっと」
「いや。俺に勇気がなかっただけだ。ほら俺って全然オメガに見えないから」
「でも俺、日向はベータだって決めつけてたし…」
「それは俺がオメガに見えないからだし」
「俺が…」
「それ、いつまで続ける気?」
「「あ…悪い」」
「2人の間ではバースなんてどうでもいいんでしょ。ならどっちも悪くない、でいいじゃん」
「「確かに…」」
仲良すぎて気持ち悪いって言いながら、優しい笑顔の蓮。蓮もありがとうな。
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