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46.文化祭2日目⑥ side光琉
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一般公開終了後、各クラス掃除や片づけに取り掛かる。俺達はステンドグラスを片付け机や椅子を元に戻すだけのため、早々に終了した。後は後夜祭が始まるのを待つのみ。
席に座り日向とのんびり待とうと思っていたら、生徒会室から戻ってきた伊織に呼び出された。
「暖、日比野。少し光琉とここを離れます。岩清水のことお願いしますね」
「りょうかーい」
「離れるってどこに行くつもりだ」
周りにはクラスメイトしかいないとはいえ、今日は日向から離れたくないのだが。
「少し話したいことがあります」
「ここじゃだめか」
「私は構いませんよ」
俺は構うだろうってことは…日向に関係していることなのか。
「日向、少し離れるけど教室から出ないでね」
「分かってる」
日向の頭を一撫でし、伊織に付いて教室を出た。人通りのない廊下で立ち止まり話を聞く。
「それで、話って?」
「今日岩清水に声を掛けてきた人物ですが、財閥の御曹司のようです。ここ数年は海外に留学していたそうで」
「そうか」
だから親に連れられたパーティーで会ったことがなかったのか。
「隣りにいた2人も共に留学していたと」
「調べたのか」
「いえ。鶴間からの忠告です。どうやら、番を見つけに今回日本に帰ってきているとの噂があるようです」
鶴間から? 鶴間が件の御曹司を知っていた理由は聞いてないようだが、今それは重要じゃない。
「他にも何か言っていたのか」
「岩清水のような、一見ベータに見えるオメガが好みだと…そして一度狙った獲物は必ずものにするとの噂も」
完全に俺よりも上位のアルファだった。あいつが本気を出したら日向を取られるかもしれない。
いくら運命とはいえ他のアルファに噛まれてしまったら…もう運命を感じることもなく、あのりんごの香りを二度と嗅ぐことができなくなるのか。
「完全に油断していた」
「学校内に光琉より強いアルファはいませんからね」
「暖にも早く番えと散々忠告されていたのにな。運命だから取られるわけ無いと思っていた」
もう変なプライドなんて捨てて、日向に思いを伝えよう。
日向に好きになってもらうのなんて付き合ってからでもいい。番ってからでもいい。なんなら結婚してからでもいいんだ。
「まずはお付き合いから始めてくださいね。岩清水はずっとベータ社会にいたんですから」
「分かってる」
「いきなり番とか、逃げられますよ」
「分かってる」
大丈夫、日向を取られたわけじゃない。まだ俺のほうが有利だ。あいつに取られる前に日向を俺のものにする。
早く日向の元へ戻りたく、教室へと急ぐ。
教室に入る手前で立ち止まり…
「伊織、ありがとな」
「ふっ。いえ、親友ですから」
無事日向と付き合うことが出来たら、ずっと協力してくれていた親友たちに改めて礼を伝えよう。
席に座り日向とのんびり待とうと思っていたら、生徒会室から戻ってきた伊織に呼び出された。
「暖、日比野。少し光琉とここを離れます。岩清水のことお願いしますね」
「りょうかーい」
「離れるってどこに行くつもりだ」
周りにはクラスメイトしかいないとはいえ、今日は日向から離れたくないのだが。
「少し話したいことがあります」
「ここじゃだめか」
「私は構いませんよ」
俺は構うだろうってことは…日向に関係していることなのか。
「日向、少し離れるけど教室から出ないでね」
「分かってる」
日向の頭を一撫でし、伊織に付いて教室を出た。人通りのない廊下で立ち止まり話を聞く。
「それで、話って?」
「今日岩清水に声を掛けてきた人物ですが、財閥の御曹司のようです。ここ数年は海外に留学していたそうで」
「そうか」
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「いえ。鶴間からの忠告です。どうやら、番を見つけに今回日本に帰ってきているとの噂があるようです」
鶴間から? 鶴間が件の御曹司を知っていた理由は聞いてないようだが、今それは重要じゃない。
「他にも何か言っていたのか」
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完全に俺よりも上位のアルファだった。あいつが本気を出したら日向を取られるかもしれない。
いくら運命とはいえ他のアルファに噛まれてしまったら…もう運命を感じることもなく、あのりんごの香りを二度と嗅ぐことができなくなるのか。
「完全に油断していた」
「学校内に光琉より強いアルファはいませんからね」
「暖にも早く番えと散々忠告されていたのにな。運命だから取られるわけ無いと思っていた」
もう変なプライドなんて捨てて、日向に思いを伝えよう。
日向に好きになってもらうのなんて付き合ってからでもいい。番ってからでもいい。なんなら結婚してからでもいいんだ。
「まずはお付き合いから始めてくださいね。岩清水はずっとベータ社会にいたんですから」
「分かってる」
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「分かってる」
大丈夫、日向を取られたわけじゃない。まだ俺のほうが有利だ。あいつに取られる前に日向を俺のものにする。
早く日向の元へ戻りたく、教室へと急ぐ。
教室に入る手前で立ち止まり…
「伊織、ありがとな」
「ふっ。いえ、親友ですから」
無事日向と付き合うことが出来たら、ずっと協力してくれていた親友たちに改めて礼を伝えよう。
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