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40.文化祭1日目⑤ side光琉
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「うまっ」
ハフハフとしながらたこ焼きを頬張っている日向。本当いつも美味しそうに食べるから、見ているだけで幸せな気持ちになる。
「俺にも一口ちょうだい」
「いいぞ。はい」
そう言ってたこ焼きの入ったパックごと渡してきた。
「そうじゃなくてさ、食べさせて」
「ぬあっ、じ、自分で食べろよ」
「えー片手埋まってて食べにくい」
なんて嘘だけど。
「でも熱いし」
なんのために机に置けない綿菓子を最後に購入したと思ってるんだ。日向に食べさせて貰いたいからに決まってるだろ。
「日向が冷ましてよ」
「うっ…分かったよ」
綿菓子を受け取ればいいだけなのに。気付かないとか可愛すぎか。
「ふーふー」
「かっ…」
「か?」
やっべ。今のは可愛すぎる。どれくらい冷ますべきか確認したかったんだろう。目線は俺の方に向けたまま冷ますとか…俺、今煽られてるのか?
あー、もう可愛すぎて心臓やばいわ。しかも俺に可愛いと言われるのが嬉しいのか、最近はみんなと一緒の時には隠してしまう可愛さを、2人きりの時は隠さずにいてくれる。恐らく無意識に。
「えっと…あーん?」
「ぐっ…」
あーんって。あまりの破壊力に一瞬心臓が止まったかと思った。
念願は叶ったけど、もうこれ以上は俺が耐えきれそうにない。綿菓子、先に食べてしまうか。
「俺も綿菓子食べたい」
「はい…ってちょっと日向!?」
待て待て、自分で持ってくれよ。少しソースが付いたエロい唇を近づけられたら、今の俺ヤバいから。……いや俺が悪いな。先に食べさせてもらったの俺だし。
「ごめん…」
「あー、違うからっ! 日向がエロい…じゃなくって、ソース。ソース付いてるから」
俺何言ってんだろ。
「なっ! ばっ、かじゃないのか。ソース付いてるだけでエロくないし」
2人して顔を赤くするとか、ほんと何やってるんだか。
あー早く付き合いたい。早く付き合ってあんな事とかこんな事とか、色々したい。
*
「やばっ、待ち合わせに遅れる」
慌てて待ち合わせの場所へ向かうと既に4人は集まっており、俺達を待ってくれていた。少しカフェでゆっくりしすぎてしまったな。
それにしても何で鶴間も誘うかなぁ。
鶴間は過去に何があったのかアルファを嫌っているようで、俺達と無闇に関係を持とうとしないところは良い。けど、こいつがいると日向が鶴間を優先するのが我慢ならないんだよ。
しかも普段俺達の間には入ってこない日比野も、鶴間に対抗意識を持っているのか日向に絡んでくるし。結果日向の左右をあいつらに取られることもしばしば…。
そもそも鶴間はオメガであることを隠していないのに、俺達アルファ3人ではなく、日向を狙っていると噂されているのも気に食わない。アルファ嫌いだからベータの日向を狙っているとか…日向は俺の番だし、俺のオメガだっての。
「あっ、おいっ!」
「残念だったな光琉」
「諦めたほうがいいですよ。あの2人、岩清水の隣を譲らないでしょうから」
ほんの少し油断している間に日向の隣を2人に取られてしまった。
「あいつ…」
「してやったりってか」
ついでに鶴間に不敵な笑みを向けられた。くそっ。
「岩清水って天然のたらし要素がありますもんねぇ」
「俺の番なのに」
「ならいい加減付き合ってくださいよ」
本当、早く付き合いたい。もう日向に俺をどう思ってるか聞いてしまおうか…。いや、運命に抗おうとした日向のことだ。運命なんて関係なく俺を好きだと思ってくれたら、きっと番になりたいって言ってくれるはずだ。
「運命だとはいえ、悠長に構えている間に誰かに取られても知りませんよ」
もちろんそんなミスを犯すつもりはない。明日は一般公開日。誰に何と言われようと日向から離れないからな。
ハフハフとしながらたこ焼きを頬張っている日向。本当いつも美味しそうに食べるから、見ているだけで幸せな気持ちになる。
「俺にも一口ちょうだい」
「いいぞ。はい」
そう言ってたこ焼きの入ったパックごと渡してきた。
「そうじゃなくてさ、食べさせて」
「ぬあっ、じ、自分で食べろよ」
「えー片手埋まってて食べにくい」
なんて嘘だけど。
「でも熱いし」
なんのために机に置けない綿菓子を最後に購入したと思ってるんだ。日向に食べさせて貰いたいからに決まってるだろ。
「日向が冷ましてよ」
「うっ…分かったよ」
綿菓子を受け取ればいいだけなのに。気付かないとか可愛すぎか。
「ふーふー」
「かっ…」
「か?」
やっべ。今のは可愛すぎる。どれくらい冷ますべきか確認したかったんだろう。目線は俺の方に向けたまま冷ますとか…俺、今煽られてるのか?
あー、もう可愛すぎて心臓やばいわ。しかも俺に可愛いと言われるのが嬉しいのか、最近はみんなと一緒の時には隠してしまう可愛さを、2人きりの時は隠さずにいてくれる。恐らく無意識に。
「えっと…あーん?」
「ぐっ…」
あーんって。あまりの破壊力に一瞬心臓が止まったかと思った。
念願は叶ったけど、もうこれ以上は俺が耐えきれそうにない。綿菓子、先に食べてしまうか。
「俺も綿菓子食べたい」
「はい…ってちょっと日向!?」
待て待て、自分で持ってくれよ。少しソースが付いたエロい唇を近づけられたら、今の俺ヤバいから。……いや俺が悪いな。先に食べさせてもらったの俺だし。
「ごめん…」
「あー、違うからっ! 日向がエロい…じゃなくって、ソース。ソース付いてるから」
俺何言ってんだろ。
「なっ! ばっ、かじゃないのか。ソース付いてるだけでエロくないし」
2人して顔を赤くするとか、ほんと何やってるんだか。
あー早く付き合いたい。早く付き合ってあんな事とかこんな事とか、色々したい。
*
「やばっ、待ち合わせに遅れる」
慌てて待ち合わせの場所へ向かうと既に4人は集まっており、俺達を待ってくれていた。少しカフェでゆっくりしすぎてしまったな。
それにしても何で鶴間も誘うかなぁ。
鶴間は過去に何があったのかアルファを嫌っているようで、俺達と無闇に関係を持とうとしないところは良い。けど、こいつがいると日向が鶴間を優先するのが我慢ならないんだよ。
しかも普段俺達の間には入ってこない日比野も、鶴間に対抗意識を持っているのか日向に絡んでくるし。結果日向の左右をあいつらに取られることもしばしば…。
そもそも鶴間はオメガであることを隠していないのに、俺達アルファ3人ではなく、日向を狙っていると噂されているのも気に食わない。アルファ嫌いだからベータの日向を狙っているとか…日向は俺の番だし、俺のオメガだっての。
「あっ、おいっ!」
「残念だったな光琉」
「諦めたほうがいいですよ。あの2人、岩清水の隣を譲らないでしょうから」
ほんの少し油断している間に日向の隣を2人に取られてしまった。
「あいつ…」
「してやったりってか」
ついでに鶴間に不敵な笑みを向けられた。くそっ。
「岩清水って天然のたらし要素がありますもんねぇ」
「俺の番なのに」
「ならいい加減付き合ってくださいよ」
本当、早く付き合いたい。もう日向に俺をどう思ってるか聞いてしまおうか…。いや、運命に抗おうとした日向のことだ。運命なんて関係なく俺を好きだと思ってくれたら、きっと番になりたいって言ってくれるはずだ。
「運命だとはいえ、悠長に構えている間に誰かに取られても知りませんよ」
もちろんそんなミスを犯すつもりはない。明日は一般公開日。誰に何と言われようと日向から離れないからな。
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