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26.日向の誕生日② side光琉
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待ち合わせの15分前。到着したのとちょうど同じタイミングで日向が玄関から出てきた。
「日向、誕生日おめでとう」
「ありがとう」
「それと何度も言ってるけど、俺が着くまで玄関の外に出ちゃダメ」
日向が立っている玄関の前に駆け寄り、そう注意するとプイッといつものように横を向く。
…しまった。お祝いの言葉を贈って照れた日向の顔が一瞬で拗ねた顔になってしまった。コレはコレで可愛いけど、もう少し照れた顔を見たかったな。
「光琉だって何回言っても到着してから連絡するじゃん。待たせるの悪いなって、すぐ車に乗れるよう玄関の外に出てるだけで、俺、門の中にはいるし」
「でも日向が外にいるかもって思ったら俺はその分早く出るし、そうしたら日向もさらに早く出ちゃうしってどんどん早くなるよ?」
「だから光琉が…」
着く少し前に連絡すれば良い、でしょ?
「心配だからダメ」
「まだ何も言ってないじゃん」
「可愛い顔してもダメだからね」
「そんな顔してない」
してるよ。ちょっと口を尖らせてるその顔、可愛いだけだから。この件は癪だけど姉貴経由でお姉さんに連絡してもらって…まぁなんとかなるな。
それよりも。
「はい、これプレゼント」
「えっ今…?」
何で? って首を傾げてる。
「俺から個別のプレゼントだから」
「えっ!? いいのか? だって約束では…」
「んーと昨日急に料理したくなったんだ。それとこっちのは日向に似合いそうだなって買っただけだから、軽い気持ちで受け取ってよ」
「それなら…遠慮なく。ありがとな! ってこれスイーツだよな? 光琉の手作りめっちゃ美味いから部屋においてくるわ!」
少し悩んでからの今日一番の笑顔…可愛い。昨日朝から準備した甲斐があったな。
「喜んでもらえて嬉しいよ」
日向が戻ってくる前にこのニヤけた顔をなんとかしなければ。
「ふぅー」
「ごめん、お待たせっ」
「全然待ってないよ」
戻ってきた日向の首元にはさっき贈ったサマーストール。
「それ、早速つけてくれたんだ」
「うん。まぁ…//」
「やっぱり似合ってる。買って良かった」
「あ、ありがとう」
お礼を言ってストールに顔を埋めてしまった。真っ赤になった顔を隠してるつもりなんだろう。でも赤い耳が隠れていないし、普通に可愛い。
抱きしめたい衝動を必死に抑え、頭を撫でるだけに留める。今日の日向は可愛いが渋滞して……今日だけじゃなくいつものことか。
電話で遠慮しないようにって伝えていたからか、素直に俺にエスコートさせてくれる日向。可愛い。車に乗り込み、早速次のプレゼントを渡そう。
「そうそう、日向が観たいって言ってた映画のチケットが手に入ったんだ」
「……買う、以外にチケットが手に入る方法ってあるのか?」
「親の知り合いが譲ってくれてね」
本当は事前に購入したんだけど…そう言うと日向が遠慮しちゃうしな。
「まじ? その人、めっちゃいい人だな! 私は観に行く時間がないので良ければ、みたいな? すげー、なんか大人って感じでカッコいいな! 今度会ったら俺がありがとうございますって言ってたって伝えてくれよな」
「…伝えておくよ」
ちっ。こんな喜ぶなら自分で買ったって言えば良かった。
*
映画館に到着し、公開予定のパンフレットが置いてあるコーナーで次に観たい映画を探したり、グッズを見たりと上映時間までの時間を過ごした。
「光琉そろそろ飲み物買っとこうぜ」
「食べ物は? ポップコーンとか」
「いいや。この後お昼食べてからパンケーキも行くんだろ? そんなに食べれないし」
言われてみればそれもそうだな。
「光琉は、映画館でポップコーン買うなら何味?」
「日向は?」
「俺はその日の気分で塩かストロベリーかな」
「りんごとかバニラとか…」
「残念ながらないよ。フレーバーを知らないってことは、光琉ってポップコーン買わない派だな」
買う買わないっていうより、公開してどうしてもすぐに観たい映画じゃなければ家のシアタールームで観ている。人が多い場所ではよく声をかけられるのがうざいんだよね。
「楽しみだな!」
「だね」
でもワクワクしてる楽しそうな日向を見られるなら、映画館も悪くないかもしれない。流石に番といるのに声をかけてくるやつなんていないだろうし。
「次来る時は塩とストロベリーのポップコーン、どっちも買ってシェアしようか」
「それいいな」
いつか日向とシアタールームで観る時は、りんごとバニラのポップコーンを用意しておこう。
*
上映後は映画館の近くにある蕎麦屋で昼食。
「日向、ざる蕎麦単品? 足りる?」
「おう! パンケーキとバーベキュー分のお腹、空けとかないといけないしな」
「日向は少食だもんね」
お弁当も女子のお弁当と変わらないサイズだし。
「あっ! 今なんかバカにしただろ。俺そういうの気付くからなぁ!」
「してないよっ、そうだ日向。パンケーキはシェアにする?」
「それいいな!」
「日向、誕生日おめでとう」
「ありがとう」
「それと何度も言ってるけど、俺が着くまで玄関の外に出ちゃダメ」
日向が立っている玄関の前に駆け寄り、そう注意するとプイッといつものように横を向く。
…しまった。お祝いの言葉を贈って照れた日向の顔が一瞬で拗ねた顔になってしまった。コレはコレで可愛いけど、もう少し照れた顔を見たかったな。
「光琉だって何回言っても到着してから連絡するじゃん。待たせるの悪いなって、すぐ車に乗れるよう玄関の外に出てるだけで、俺、門の中にはいるし」
「でも日向が外にいるかもって思ったら俺はその分早く出るし、そうしたら日向もさらに早く出ちゃうしってどんどん早くなるよ?」
「だから光琉が…」
着く少し前に連絡すれば良い、でしょ?
「心配だからダメ」
「まだ何も言ってないじゃん」
「可愛い顔してもダメだからね」
「そんな顔してない」
してるよ。ちょっと口を尖らせてるその顔、可愛いだけだから。この件は癪だけど姉貴経由でお姉さんに連絡してもらって…まぁなんとかなるな。
それよりも。
「はい、これプレゼント」
「えっ今…?」
何で? って首を傾げてる。
「俺から個別のプレゼントだから」
「えっ!? いいのか? だって約束では…」
「んーと昨日急に料理したくなったんだ。それとこっちのは日向に似合いそうだなって買っただけだから、軽い気持ちで受け取ってよ」
「それなら…遠慮なく。ありがとな! ってこれスイーツだよな? 光琉の手作りめっちゃ美味いから部屋においてくるわ!」
少し悩んでからの今日一番の笑顔…可愛い。昨日朝から準備した甲斐があったな。
「喜んでもらえて嬉しいよ」
日向が戻ってくる前にこのニヤけた顔をなんとかしなければ。
「ふぅー」
「ごめん、お待たせっ」
「全然待ってないよ」
戻ってきた日向の首元にはさっき贈ったサマーストール。
「それ、早速つけてくれたんだ」
「うん。まぁ…//」
「やっぱり似合ってる。買って良かった」
「あ、ありがとう」
お礼を言ってストールに顔を埋めてしまった。真っ赤になった顔を隠してるつもりなんだろう。でも赤い耳が隠れていないし、普通に可愛い。
抱きしめたい衝動を必死に抑え、頭を撫でるだけに留める。今日の日向は可愛いが渋滞して……今日だけじゃなくいつものことか。
電話で遠慮しないようにって伝えていたからか、素直に俺にエスコートさせてくれる日向。可愛い。車に乗り込み、早速次のプレゼントを渡そう。
「そうそう、日向が観たいって言ってた映画のチケットが手に入ったんだ」
「……買う、以外にチケットが手に入る方法ってあるのか?」
「親の知り合いが譲ってくれてね」
本当は事前に購入したんだけど…そう言うと日向が遠慮しちゃうしな。
「まじ? その人、めっちゃいい人だな! 私は観に行く時間がないので良ければ、みたいな? すげー、なんか大人って感じでカッコいいな! 今度会ったら俺がありがとうございますって言ってたって伝えてくれよな」
「…伝えておくよ」
ちっ。こんな喜ぶなら自分で買ったって言えば良かった。
*
映画館に到着し、公開予定のパンフレットが置いてあるコーナーで次に観たい映画を探したり、グッズを見たりと上映時間までの時間を過ごした。
「光琉そろそろ飲み物買っとこうぜ」
「食べ物は? ポップコーンとか」
「いいや。この後お昼食べてからパンケーキも行くんだろ? そんなに食べれないし」
言われてみればそれもそうだな。
「光琉は、映画館でポップコーン買うなら何味?」
「日向は?」
「俺はその日の気分で塩かストロベリーかな」
「りんごとかバニラとか…」
「残念ながらないよ。フレーバーを知らないってことは、光琉ってポップコーン買わない派だな」
買う買わないっていうより、公開してどうしてもすぐに観たい映画じゃなければ家のシアタールームで観ている。人が多い場所ではよく声をかけられるのがうざいんだよね。
「楽しみだな!」
「だね」
でもワクワクしてる楽しそうな日向を見られるなら、映画館も悪くないかもしれない。流石に番といるのに声をかけてくるやつなんていないだろうし。
「次来る時は塩とストロベリーのポップコーン、どっちも買ってシェアしようか」
「それいいな」
いつか日向とシアタールームで観る時は、りんごとバニラのポップコーンを用意しておこう。
*
上映後は映画館の近くにある蕎麦屋で昼食。
「日向、ざる蕎麦単品? 足りる?」
「おう! パンケーキとバーベキュー分のお腹、空けとかないといけないしな」
「日向は少食だもんね」
お弁当も女子のお弁当と変わらないサイズだし。
「あっ! 今なんかバカにしただろ。俺そういうの気付くからなぁ!」
「してないよっ、そうだ日向。パンケーキはシェアにする?」
「それいいな!」
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