【本編完結】運命の番〜バニラとりんごの恋〜

みかん桜(蜜柑桜)

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11.テスト勉強

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 もうすぐテスト期間に入る。

 俺は稜里大学への内部進学を狙っている…というか姉ちゃんが、せっかくその制度があるんだから成績を落とさないようにしとけって。確かに一般入試で大学に入った姉ちゃん、大変そうだった。

 でもさ…ここ進学校なんだよ。多分俺ギリギリ合格だし、落とすも何も下から数えたほうが早そうだよ、姉ちゃん。


 光琉も稜ちゃんも宇都宮もさすがアルファと言うか、頭が良い。授業で分からない問題を当てられた時なんか、いっつも宇都宮が助けてくれるし。

 そうだ! 教えてもらえばいいんだ。

「一緒にテスト勉強?」
「そう! 3人とも頭いいし、教えてほしい」

 意外って言ったら失礼だけど、宇都宮の説明分かりやすいしな。

「日向には俺が教えてあげる」
「/// あ、ありがとう。でもさ、みんなでテスト勉強するのも楽しそうじゃん」

 今の光琉の笑顔にやられたクラスの女子…一体何人いるんだ?

「楽しそうって、勉強するつもりあるのか?」
「あるよっ。勉強するつもりがないのは宇都宮の方だろ」
「別にテスト前に慌ててしなくても授業聞いてりゃ問題ないからな」

 ……頭いいやつの発言だ。

「宇都宮ってさ、チャラいのに真面目だよな」
「いや、どっちだよ」
「授業とか真面目に聞かなさそうじゃん」
「ピヨちゃんはよくぼーっとしてるよな」

 はぁ? めっちゃ真面目に聞いてるわ。

「してないし! ってかピヨちゃんってなんだよ」
「いや、日向はダメだし岩清水って長いじゃん? ぼーっとしてる時、後ろから突いたらピヨピヨしてるし」
「ピヨピヨってどういう……「後ろから突く?」」

 ……意味なのかを聞こうとしたら、光琉が話に入ってきた。

「シャーペンで! シャーペンだから! 起きろよって意味で!」
「ふーん。日向、暖は放っておいていいよ。2人でテスト勉強しよう」

 それはちょっとソワソワしそうなんだけど…

「みんなで勉強したかった」
「おい暖、絶対参加な」
「どっちだよ」

 あ。ぼーっとしてないって否定できなかったや。





 稜里高校の食堂は広い。隣の大学と共用だからか中央食堂なんて4階建てだし、いくつかカフェまである。一応高校生優先とか大学生優先とか決められているけど、昼食時間以外は結構自由に使えるんだ。

 そしてさすが学内のカフェと言うべきか、今いるカフェは勉強会をするためにあるような場所でテーブルが広い。

「日向、どの教科からする?」
「数学をお願いしますっ!」
「おっけ。じゃあ練習問題を順に解いていこうか」

 一樹は英語から勉強するようで、稜ちゃんから教わっている。

「ん? つまっちゃった?」
「ここなんだけど…」
「これはこの数式を使うんだ」

 光琉と2人きりじゃないからか思ってたより落ち着いて勉強できる。むしろちょっと安心する部分もあるっていうか。

「この数式は覚えておくといいよ。応用問題も出てくるはずだし」
「…もしかして山を張ったりできる?」
「もちろん。そうだ。日向の苦手分野をまとめてきたから、帰りに渡すね」
「っ!! あ、ありがと」

 なんで俺の苦手分野を知ってるんだ? あぁ、授業中宇都宮に助けてもらってるって気付いてるのか。



「日向が切りの良いところまで進んだし、一旦休憩しようか」
「いいね! 俺飲み物買ってくるよ」

 休憩に一番乗り気だけど、宇都宮ずっとスマホいじってたじゃん。

「俺も手伝うよ。何飲む?」
「一樹、俺バニラ…じゃなくていちごミルク」
「俺はアップルティーで」

 光琉ってりんご味が好きだよなぁ。俺のフェロモン、りんごに似てたら良いのに…なんて図々しいか。



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