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※閑話※憧れの王子sideとある子爵令嬢
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ホワイト男爵家の調査が終わる前、お揃いのブローチを付け始めた頃の話
----------------
「ねぇねぇ、見た?」
「見たって何を?」
彼女は私の昔からの友人で、同じ子爵家の令嬢。なにやら興奮しているようだけど…?
「第一王子殿下とリリーナ様の胸元よっ!」
「っ、………えぇ。みたわ」
「リリーナ様の瞳の色の宝石を、殿下の瞳の色の宝石で囲っていて…まさにリリーナ様を守りたい殿下のお心が表されたブローチよね。それにっ! あれってイエローダイヤモンドよね? てことは王太子に決まってことよねっ! あぁ……あのお二人が王城のバルコニーから姿を表す日が待ち遠しいわっ」
「そ、そうね」
イエローダイヤモンド…この国では王になる者とその伴侶しか身に付けることができない宝石。今までも殿下の瞳と同じ色の物を贈られ、身に付けられていたけれどイエローダイヤモンドは身につけておられなかった。
分かっていた。殿下がリリーナ様を愛していることも、リリーナ様しか見ていないことも。そもそも婚約者であることだってもちろん分かっている。でも幼い頃にした婚約は解消する人も今は多いから、ほんの少しだけ期待していた。
婚約が解消されたとしても、子爵家の私がどれだけお慕いしたって叶わないことも分かっているけど……でも、殿下の瞳の色、イエローダイヤモンドを身に着け、真っ白のウェディングドレスを着て、神殿で殿下の隣に立ち祝福を受ける。何度も何度も夢を見た。
私がもし公爵家に産まれてきていたら、隣に立つチャンスがあったのに。
*
*
「そこで何をしている」
!?
「で、殿下……」
「そこはリリーナの席だろう」
「すいません」
帰る直前、ここに座れば殿下から愛してもらえるんじゃないかってありえない事を考えていたら、無意識にリリーナ様の席まで来てしまっていた。
「何をしていたんだと聞いている」
「な、何もしておりません。た、立ちくらみをしてしまい、手を付いたのがたまたまリリーナ様の席でして」
「…………そうか」
「あ、あの…」
少しでも長く話したくて、紛らわしい事をしてしまいと謝ろうとしたら…
「アルフレッド様? こちらにいらしたんですね」
リリーナ様が来てしまった。この蜂蜜の甘ったるい匂い、私嫌いなのよね。つい鼻を触りそうになったわ。
「中々生徒会室に戻ってこられないので、何かあったのかと思いました」
「それで探しに来てくれたのか。ありがとう」
あぁ…あの笑顔を何度私に向けてほしいと思ったことか。
「っ! リリーナ、一人で来たのか!?」
「? はい。学園内ですし危険はないかと……」
「一人になるのは危ないと、何度も言っているだろう。ここまで本当に何もなかった?」
あんなに大切にされて羨ましい。それにしても学園内でどんな危険があるっていうのよ。
*
*
*
「って事が昨日あったんだけど」
「えぇ、羨ましいわ! お二人の仲睦まじい様子を間近で、しかも独占して見れたなんて…私ももう少しゆっくり帰ればよかったわ」
「学園内で危険なことってないと思わない?」
多くの貴族の子息令嬢が通う学園のセキュリティは王城レベルだって言われているし。
「知らないの? 最近一年生の男爵令嬢がリリーナ様に絡んでいる話。殿下はその令嬢からリリーナ様を守りたいのよ。本当、愛が溢れていて素敵よねぇ」
知ってるけど…ただの男爵令嬢でしょ? 公爵家なんだから、関わりたくないならどうとでもできるじゃない。
「殿下とリリーナ様の話!? 私も入れてちょうだい」
彼女は学園に入学してから仲良くなった伯爵令嬢。いつもこの3人で一緒にいて…彼女はお二人の、特にリリーナ様に強い憧れを抱いている。
「ねぇ、ご存知?」
「新しい情報ですかっ?」
「えぇ。実は先程アマンダ様が教えてくださったのだけど、リリーナ様はご自宅で使用されいるオイルもクリームも、全てお使いの香水と同じ香りのものだそうよ」
「そうなのねっ! 私も香りを揃えようかしら…どうしても色んな香りのものを手に取ってしまうのよね」
それって普通じゃないかしら? そもそも全て同じ香りって特注しなければ手に……あぁ、リリーナ様なら可能よね。
「蜂蜜とラベンダーの香りが絶妙に混ざっていて、いい匂いよね。はぁぁ…リリーナ様ともっとお近付きになりたいわ」
蜂蜜オイルってみんな幼少期にはよく使っているけど、成人になる年まで使う人って中々いないのに。確かにラベンダーと混ぜてはいるけど子供っぽい。絶対私の方がいい香りよ。
「私の話?」
「っ!!! リリーナ様っ」
びっくりしすぎでしょう。殿下がいない刺繍の授業はリリーナ様と話せるって一年生の時から言われているんだから。
「ふふ。蜂蜜とラベンダーって聞こえたから私のことかなって」
「は、はひ。すごくいい匂いで…」
「ありがとう。蜂蜜なんて子供っぽいかなって少しだけ不安だったの」
「そ、そんなことありません!」
そんなことあるでしょ。
「子供っぽいって言われたとしても変えるつもりなんてないくせに」
「ア、アマンダ」
そんなに蜂蜜の香りが好きなの?
「そうなのですか?」
「えぇ。だって本当はリリーナって薔薇の香りが好きなのよ。なのに蜂蜜を使ってる理由なんて一つしかないでしょう」
えっ、それってもしかして…
二人も理由が分かったみたいでものすごく興奮している。
そろそろ授業が始まるからと、顔をほんのり赤くして席に向かわれたリリーナ様。アマンダ様も続いて席に向かわれるのかと思っていたら…
「だから諦めなさい」
そう、私に耳打ちしてから席に向かわれた。
あぁ。私がリリーナ様の香りに嫌悪を抱いたのが殿下にバレていたのね。殿下に想いを寄せていることも含めて。
だからアマンダ様を使って、リリーナ様に憧れている私の友人に情報を与えた。さっきも声をかけてきたのはリリーナ様だったけど、私達のところへ連れてきたのはアマンダ様だった。
リリーナ様が不安に思う要素はどれだけ小さいものでも即刻潰すと言われていたのは本当だったのね。
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「ねぇねぇ、見た?」
「見たって何を?」
彼女は私の昔からの友人で、同じ子爵家の令嬢。なにやら興奮しているようだけど…?
「第一王子殿下とリリーナ様の胸元よっ!」
「っ、………えぇ。みたわ」
「リリーナ様の瞳の色の宝石を、殿下の瞳の色の宝石で囲っていて…まさにリリーナ様を守りたい殿下のお心が表されたブローチよね。それにっ! あれってイエローダイヤモンドよね? てことは王太子に決まってことよねっ! あぁ……あのお二人が王城のバルコニーから姿を表す日が待ち遠しいわっ」
「そ、そうね」
イエローダイヤモンド…この国では王になる者とその伴侶しか身に付けることができない宝石。今までも殿下の瞳と同じ色の物を贈られ、身に付けられていたけれどイエローダイヤモンドは身につけておられなかった。
分かっていた。殿下がリリーナ様を愛していることも、リリーナ様しか見ていないことも。そもそも婚約者であることだってもちろん分かっている。でも幼い頃にした婚約は解消する人も今は多いから、ほんの少しだけ期待していた。
婚約が解消されたとしても、子爵家の私がどれだけお慕いしたって叶わないことも分かっているけど……でも、殿下の瞳の色、イエローダイヤモンドを身に着け、真っ白のウェディングドレスを着て、神殿で殿下の隣に立ち祝福を受ける。何度も何度も夢を見た。
私がもし公爵家に産まれてきていたら、隣に立つチャンスがあったのに。
*
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「そこで何をしている」
!?
「で、殿下……」
「そこはリリーナの席だろう」
「すいません」
帰る直前、ここに座れば殿下から愛してもらえるんじゃないかってありえない事を考えていたら、無意識にリリーナ様の席まで来てしまっていた。
「何をしていたんだと聞いている」
「な、何もしておりません。た、立ちくらみをしてしまい、手を付いたのがたまたまリリーナ様の席でして」
「…………そうか」
「あ、あの…」
少しでも長く話したくて、紛らわしい事をしてしまいと謝ろうとしたら…
「アルフレッド様? こちらにいらしたんですね」
リリーナ様が来てしまった。この蜂蜜の甘ったるい匂い、私嫌いなのよね。つい鼻を触りそうになったわ。
「中々生徒会室に戻ってこられないので、何かあったのかと思いました」
「それで探しに来てくれたのか。ありがとう」
あぁ…あの笑顔を何度私に向けてほしいと思ったことか。
「っ! リリーナ、一人で来たのか!?」
「? はい。学園内ですし危険はないかと……」
「一人になるのは危ないと、何度も言っているだろう。ここまで本当に何もなかった?」
あんなに大切にされて羨ましい。それにしても学園内でどんな危険があるっていうのよ。
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「って事が昨日あったんだけど」
「えぇ、羨ましいわ! お二人の仲睦まじい様子を間近で、しかも独占して見れたなんて…私ももう少しゆっくり帰ればよかったわ」
「学園内で危険なことってないと思わない?」
多くの貴族の子息令嬢が通う学園のセキュリティは王城レベルだって言われているし。
「知らないの? 最近一年生の男爵令嬢がリリーナ様に絡んでいる話。殿下はその令嬢からリリーナ様を守りたいのよ。本当、愛が溢れていて素敵よねぇ」
知ってるけど…ただの男爵令嬢でしょ? 公爵家なんだから、関わりたくないならどうとでもできるじゃない。
「殿下とリリーナ様の話!? 私も入れてちょうだい」
彼女は学園に入学してから仲良くなった伯爵令嬢。いつもこの3人で一緒にいて…彼女はお二人の、特にリリーナ様に強い憧れを抱いている。
「ねぇ、ご存知?」
「新しい情報ですかっ?」
「えぇ。実は先程アマンダ様が教えてくださったのだけど、リリーナ様はご自宅で使用されいるオイルもクリームも、全てお使いの香水と同じ香りのものだそうよ」
「そうなのねっ! 私も香りを揃えようかしら…どうしても色んな香りのものを手に取ってしまうのよね」
それって普通じゃないかしら? そもそも全て同じ香りって特注しなければ手に……あぁ、リリーナ様なら可能よね。
「蜂蜜とラベンダーの香りが絶妙に混ざっていて、いい匂いよね。はぁぁ…リリーナ様ともっとお近付きになりたいわ」
蜂蜜オイルってみんな幼少期にはよく使っているけど、成人になる年まで使う人って中々いないのに。確かにラベンダーと混ぜてはいるけど子供っぽい。絶対私の方がいい香りよ。
「私の話?」
「っ!!! リリーナ様っ」
びっくりしすぎでしょう。殿下がいない刺繍の授業はリリーナ様と話せるって一年生の時から言われているんだから。
「ふふ。蜂蜜とラベンダーって聞こえたから私のことかなって」
「は、はひ。すごくいい匂いで…」
「ありがとう。蜂蜜なんて子供っぽいかなって少しだけ不安だったの」
「そ、そんなことありません!」
そんなことあるでしょ。
「子供っぽいって言われたとしても変えるつもりなんてないくせに」
「ア、アマンダ」
そんなに蜂蜜の香りが好きなの?
「そうなのですか?」
「えぇ。だって本当はリリーナって薔薇の香りが好きなのよ。なのに蜂蜜を使ってる理由なんて一つしかないでしょう」
えっ、それってもしかして…
二人も理由が分かったみたいでものすごく興奮している。
そろそろ授業が始まるからと、顔をほんのり赤くして席に向かわれたリリーナ様。アマンダ様も続いて席に向かわれるのかと思っていたら…
「だから諦めなさい」
そう、私に耳打ちしてから席に向かわれた。
あぁ。私がリリーナ様の香りに嫌悪を抱いたのが殿下にバレていたのね。殿下に想いを寄せていることも含めて。
だからアマンダ様を使って、リリーナ様に憧れている私の友人に情報を与えた。さっきも声をかけてきたのはリリーナ様だったけど、私達のところへ連れてきたのはアマンダ様だった。
リリーナ様が不安に思う要素はどれだけ小さいものでも即刻潰すと言われていたのは本当だったのね。
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