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公爵家本邸
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ついに、この日が来てしまった。
今、私は絶賛準備中。
メイド達が気合を入れて頑張ってくれているけれど、正直それどころではない。この数日、メアリーは目立った行動をしていない…………していないからこそ怪しすぎる!!
薬草を使う相手はアルフレッド様だと確信した私達は、ダニエル様含め側近の皆様、アマンダにもこの件を話をした。恐らく、今日何かしでかすのではないかという事も含めて。
コンコン
「リリーナ様。アマンダ様がお祝いに来てくださいました」
「どうぞ」
アマンダは招待客を出迎えなければならない私の代わりに、会場内でメアリーの動きを見張ってくれる予定。
「改めて、おめでとう」
「ありがとう。……仕上げはアンナに頼むわ。他は下がってちょうだい」
せっかくこんなに着飾っているのに気が重すぎるわね。
「最終確認だけど、レオニール様は側近として殿下をお迎えに行って、殿下と共に最後に到着されるのよね?」
「そうよ。そろそろタウンハウスを出た頃じゃないかしら」
「他の側近の皆様は、怪しまれないようご家族や婚約者の方と順次来られるから、それまでは私とアンナで、メアリー様を監視しておけばいいのよね」
「ええ。お願いね」
*
*
「成人おめでとう。リリーナ」
「………おめでとう」
「ありがとうございます。お父様、お母様」
さすがにお祝いの言葉をくれたお母様。えっと、私のこともお腹を痛めて産んだ実の子よね? と問いたくなるけれど…色を大事にするこの世界で、お母様が大嫌いなお祖母様と同じ色を持つ私。嫁姑問題があったのだろうと今なら分かるし、今更私とどう接していいのかも分からないのだろう。
それにしても…誕生日はもう過ぎているんだから、言葉くらい昨日到着した際に言ってくれてもいいのに。
そんなことを考えていると招待客を乗せた馬車が入ってくるのが見えた。
「お母様のご実家の家紋ですね」
「えぇ。そうね」
ちらっとお母様の様子を伺うと、何とも言えない表情をされている。
もしかしなくても、お母様は実家の力を借りてルーシーのことを調べたようね。その頃には既にお兄様と私の関係は良好だったから、公爵家の人間を動かしてお兄様にバレるのを回避したかったけれど、結局バレて当主の伯父様に何か言われたってところね。
*
*
無事に招待客が到着し、残るはアルフレッド様の到着を待つのみ。という時に、とある人物の姿が目に入った。
やはり潜り込んでいたか。
「よそ見をするな。殿下の馬車が入ってこられたぞ」
「申し訳ございません」
今まで完璧に演じてあげてたんだから、ほんの少しくらい、いいじゃない。と言いたい気持ちをぐっと堪えていると、アルフレッド様が馬車から降りてこられた。
「リリーナ。おめでとう」
「ありがとうございます。………問題が」
アルフレッド様にお礼を言ったあと少し近付き、お父様達には聞こえないよう小さな声で問題が起きたことを伝えた。
「父上。殿下は入場の前にお召し物を整えますので、母上と先に会場へお戻りください」
聞こえなかったはずなのに瞬時に察してくれたお兄様。流石です。
「問題とは?」
「はい。見間違えだといいのですが、ホワイト男爵令嬢が来ておりました」
「レオニール、警備を強化したのではなかったのか?」
「もちろんです。どのようにして掻い潜ったのか…」
薬草さえ手に入れればルーシーは必要ないはずなのに、何故呼んだのだろうか。
「昨日、私と同じ馬車には絶対に乗りたくないとメアリーに言われ、別々の馬車でこちらに戻ってきました。珍しい事ではないですし違和感は感じなかったのですが、恐らくその時点にはホワイト男爵令嬢が潜り込んでいたのだと思います」
「というと?」
「メイド姿だったのです。最近あちらで雇ったメイドだと言えば本邸の使用人たちは怪しまないですし」
うちのメイド服を着ていたルーシー。一体何を企んでいるの?
今、私は絶賛準備中。
メイド達が気合を入れて頑張ってくれているけれど、正直それどころではない。この数日、メアリーは目立った行動をしていない…………していないからこそ怪しすぎる!!
薬草を使う相手はアルフレッド様だと確信した私達は、ダニエル様含め側近の皆様、アマンダにもこの件を話をした。恐らく、今日何かしでかすのではないかという事も含めて。
コンコン
「リリーナ様。アマンダ様がお祝いに来てくださいました」
「どうぞ」
アマンダは招待客を出迎えなければならない私の代わりに、会場内でメアリーの動きを見張ってくれる予定。
「改めて、おめでとう」
「ありがとう。……仕上げはアンナに頼むわ。他は下がってちょうだい」
せっかくこんなに着飾っているのに気が重すぎるわね。
「最終確認だけど、レオニール様は側近として殿下をお迎えに行って、殿下と共に最後に到着されるのよね?」
「そうよ。そろそろタウンハウスを出た頃じゃないかしら」
「他の側近の皆様は、怪しまれないようご家族や婚約者の方と順次来られるから、それまでは私とアンナで、メアリー様を監視しておけばいいのよね」
「ええ。お願いね」
*
*
「成人おめでとう。リリーナ」
「………おめでとう」
「ありがとうございます。お父様、お母様」
さすがにお祝いの言葉をくれたお母様。えっと、私のこともお腹を痛めて産んだ実の子よね? と問いたくなるけれど…色を大事にするこの世界で、お母様が大嫌いなお祖母様と同じ色を持つ私。嫁姑問題があったのだろうと今なら分かるし、今更私とどう接していいのかも分からないのだろう。
それにしても…誕生日はもう過ぎているんだから、言葉くらい昨日到着した際に言ってくれてもいいのに。
そんなことを考えていると招待客を乗せた馬車が入ってくるのが見えた。
「お母様のご実家の家紋ですね」
「えぇ。そうね」
ちらっとお母様の様子を伺うと、何とも言えない表情をされている。
もしかしなくても、お母様は実家の力を借りてルーシーのことを調べたようね。その頃には既にお兄様と私の関係は良好だったから、公爵家の人間を動かしてお兄様にバレるのを回避したかったけれど、結局バレて当主の伯父様に何か言われたってところね。
*
*
無事に招待客が到着し、残るはアルフレッド様の到着を待つのみ。という時に、とある人物の姿が目に入った。
やはり潜り込んでいたか。
「よそ見をするな。殿下の馬車が入ってこられたぞ」
「申し訳ございません」
今まで完璧に演じてあげてたんだから、ほんの少しくらい、いいじゃない。と言いたい気持ちをぐっと堪えていると、アルフレッド様が馬車から降りてこられた。
「リリーナ。おめでとう」
「ありがとうございます。………問題が」
アルフレッド様にお礼を言ったあと少し近付き、お父様達には聞こえないよう小さな声で問題が起きたことを伝えた。
「父上。殿下は入場の前にお召し物を整えますので、母上と先に会場へお戻りください」
聞こえなかったはずなのに瞬時に察してくれたお兄様。流石です。
「問題とは?」
「はい。見間違えだといいのですが、ホワイト男爵令嬢が来ておりました」
「レオニール、警備を強化したのではなかったのか?」
「もちろんです。どのようにして掻い潜ったのか…」
薬草さえ手に入れればルーシーは必要ないはずなのに、何故呼んだのだろうか。
「昨日、私と同じ馬車には絶対に乗りたくないとメアリーに言われ、別々の馬車でこちらに戻ってきました。珍しい事ではないですし違和感は感じなかったのですが、恐らくその時点にはホワイト男爵令嬢が潜り込んでいたのだと思います」
「というと?」
「メイド姿だったのです。最近あちらで雇ったメイドだと言えば本邸の使用人たちは怪しまないですし」
うちのメイド服を着ていたルーシー。一体何を企んでいるの?
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