小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました

みかん桜(蜜柑桜)

文字の大きさ
上 下
31 / 65

公爵家本邸

しおりを挟む
 ついに、この日が来てしまった。

 今、私は絶賛準備中。
 メイド達が気合を入れて頑張ってくれているけれど、正直それどころではない。この数日、メアリーは目立った行動をしていない…………していないからこそ怪しすぎる!!

 薬草を使う相手はアルフレッド様だと確信した私達は、ダニエル様含め側近の皆様、アマンダにもこの件を話をした。恐らく、今日何かしでかすのではないかという事も含めて。


 コンコン

「リリーナ様。アマンダ様がお祝いに来てくださいました」
「どうぞ」

 アマンダは招待客を出迎えなければならない私の代わりに、会場内でメアリーの動きを見張ってくれる予定。

「改めて、おめでとう」
「ありがとう。……仕上げはアンナに頼むわ。他は下がってちょうだい」

 せっかくこんなに着飾っているのに気が重すぎるわね。

「最終確認だけど、レオニール様は側近として殿下をお迎えに行って、殿下と共に最後に到着されるのよね?」
「そうよ。そろそろタウンハウスを出た頃じゃないかしら」
「他の側近の皆様は、怪しまれないようご家族や婚約者の方と順次来られるから、それまでは私とアンナで、メアリー様を監視しておけばいいのよね」
「ええ。お願いね」




「成人おめでとう。リリーナ」
「………おめでとう」
「ありがとうございます。お父様、お母様」

 さすがにお祝いの言葉をくれたお母様。えっと、私のこともお腹を痛めて産んだ実の子よね? と問いたくなるけれど…色を大事にするこの世界で、お母様が大嫌いなお祖母様と同じ色を持つ私。嫁姑問題があったのだろうと今なら分かるし、今更私とどう接していいのかも分からないのだろう。

 それにしても…誕生日はもう過ぎているんだから、言葉くらい昨日到着した際に言ってくれてもいいのに。

 そんなことを考えていると招待客を乗せた馬車が入ってくるのが見えた。

「お母様のご実家の家紋ですね」
「えぇ。そうね」

 ちらっとお母様の様子を伺うと、何とも言えない表情をされている。

 もしかしなくても、お母様は実家の力を借りてルーシーのことを調べたようね。その頃には既にお兄様と私の関係は良好だったから、公爵家の人間を動かしてお兄様にバレるのを回避したかったけれど、結局バレて当主の伯父様に何か言われたってところね。




 無事に招待客が到着し、残るはアルフレッド様の到着を待つのみ。という時に、とある人物の姿が目に入った。

 やはりもぐり込んでいたか。

「よそ見をするな。殿下の馬車が入ってこられたぞ」
「申し訳ございません」

 今まで完璧に演じてあげてたんだから、ほんの少しくらい、いいじゃない。と言いたい気持ちをぐっとこらえていると、アルフレッド様が馬車から降りてこられた。

「リリーナ。おめでとう」
「ありがとうございます。………問題が」

 アルフレッド様にお礼を言ったあと少し近付き、お父様達には聞こえないよう小さな声で問題が起きたことを伝えた。

「父上。殿下は入場の前にお召し物を整えますので、母上と先に会場へお戻りください」

 聞こえなかったはずなのに瞬時に察してくれたお兄様。流石です。


「問題とは?」
「はい。見間違えだといいのですが、ホワイト男爵令嬢が来ておりました」
「レオニール、警備を強化したのではなかったのか?」
「もちろんです。どのようにしてくぐったのか…」

 薬草さえ手に入れればルーシーは必要ないはずなのに、何故呼んだのだろうか。

「昨日、私と同じ馬車には絶対に乗りたくないとメアリーに言われ、別々の馬車でこちらに戻ってきました。珍しい事ではないですし違和感は感じなかったのですが、恐らくその時点にはホワイト男爵令嬢がもぐり込んでいたのだと思います」
「というと?」
「メイド姿だったのです。最近あちらで雇ったメイドだと言えば本邸の使用人たちは怪しまないですし」


 うちのメイド服を着ていたルーシー。一体何を企んでいるの?



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。 「…私、間違ってませんわね」 曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話 …だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている… 5/13 ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます 5/22 修正完了しました。明日から通常更新に戻ります 9/21 完結しました また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。

三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*  公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。  どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。 ※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。 ※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。

【完結】「君を手に入れるためなら、何でもするよ?」――冷徹公爵の執着愛から逃げられません」

21時完結
恋愛
「君との婚約はなかったことにしよう」 そう言い放ったのは、幼い頃から婚約者だった第一王子アレクシス。 理由は簡単――新たな愛を見つけたから。 (まあ、よくある話よね) 私は王子の愛を信じていたわけでもないし、泣き喚くつもりもない。 むしろ、自由になれてラッキー! これで平穏な人生を―― そう思っていたのに。 「お前が王子との婚約を解消したと聞いた時、心が震えたよ」 「これで、ようやく君を手に入れられる」 王都一の冷徹貴族と恐れられる公爵・レオンハルトが、なぜか私に異常な執着を見せ始めた。 それどころか、王子が私に未練がましく接しようとすると―― 「君を奪う者は、例外なく排除する」 と、不穏な笑みを浮かべながら告げてきて――!? (ちょっと待って、これって普通の求愛じゃない!) 冷酷無慈悲と噂される公爵様は、どうやら私のためなら何でもするらしい。 ……って、私の周りから次々と邪魔者が消えていくのは気のせいですか!? 自由を手に入れるはずが、今度は公爵様の異常な愛から逃げられなくなってしまいました――。

性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~

黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※ すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!

【完結】魔女令嬢はただ静かに生きていたいだけ

こな
恋愛
 公爵家の令嬢として傲慢に育った十歳の少女、エマ・ルソーネは、ちょっとした事故により前世の記憶を思い出し、今世が乙女ゲームの世界であることに気付く。しかも自分は、魔女の血を引く最低最悪の悪役令嬢だった。  待っているのはオールデスエンド。回避すべく動くも、何故だが攻略対象たちとの接点は増えるばかりで、あれよあれよという間に物語の筋書き通り、魔法研究機関に入所することになってしまう。  ひたすら静かに過ごすことに努めるエマを、研究所に集った癖のある者たちの脅威が襲う。日々の苦悩に、エマの胃痛はとどまる所を知らない……

異世界で悪役令嬢として生きる事になったけど、前世の記憶を持ったまま、自分らしく過ごして良いらしい

千晶もーこ
恋愛
あの世に行ったら、番人とうずくまる少女に出会った。少女は辛い人生を歩んできて、魂が疲弊していた。それを知った番人は私に言った。 「あの子が繰り返している人生を、あなたの人生に変えてください。」 「………はぁああああ?辛そうな人生と分かってて生きろと?それも、繰り返すかもしれないのに?」 でも、お願いされたら断れない性分の私…。 異世界で自分が悪役令嬢だと知らずに過ごす私と、それによって変わっていく周りの人達の物語。そして、その物語の後の話。 ※この話は、小説家になろう様へも掲載しています

強すぎる力を隠し苦悩していた令嬢に転生したので、その力を使ってやり返します

天宮有
恋愛
 私は魔法が使える世界に転生して、伯爵令嬢のシンディ・リーイスになっていた。  その際にシンディの記憶が全て入ってきて、彼女が苦悩していたことを知る。  シンディは強すぎる魔力を持っていて、危険過ぎるからとその力を隠して生きてきた。  その結果、婚約者のオリドスに婚約破棄を言い渡されて、友人のヨハンに迷惑がかかると考えたようだ。  それなら――この強すぎる力で、全て解決すればいいだけだ。  私は今まで酷い扱いをシンディにしてきた元婚約者オリドスにやり返し、ヨハンを守ろうと決意していた。

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

処理中です...