28 / 43
本編
第7話 俺様の誘拐事件と大乱闘
しおりを挟む
ネズミ退治を禁止されてしまった俺様は退屈しているのだ。
最初はそうでもなかったけど、結構楽しかったのだ。
何か新しいあそびはないのかな?
受付の机の上であくびをしながら考えていたら、入り口から騒がしい太った商人の人が入ってきたみたいだ。
「責任者を出せ! おい! 責任者を呼んでこい!」
あ、「チっチっチっ」のおじさんも居るな、その後ろから、棒を持った厳つい人達も付いてきた。うるさい、静かにして欲しいのだ。
太った商人は、ホールをずんずんと歩いてきて俺様の前でとまった。
「これだ! これが私のヌコだ」
ああ、うるさいのだ。といっても臭い人よりは声が小さいかな。耳をピクピクして太った商人をみる。
なんか脂ぎってて気持ち悪いのだ。前にみたオークとかいう変なやつより気持ち悪いのだ。
へ? という顔をしていた茶色の女の人だけど、やっぱりうるさかったのか立ち上がった。
うん、いいぞ言ってやれ~
「何か御用でしょうか? ここはハンターギルドの受付ですから依頼のご相談でなければお帰りください」
いや、もうちょっと、ちゃんと言って欲しいのだ。
「やかましいぞ小娘!! 責任者を出せ。私のヌコを盗んだのだ、返してもらうぞ! こちらへ寄越せ!」
ほら、余計にうるさくなっただろ? もっとキチンと言わないとだめなのだ。
「何を言っているんです? みーちゃんは、誰のものでもありません! ギルド所属のハンターです」
いや、まだまだ足りないな。あのダンジョン最下層の黒い影の人を見習ってほしいのだ。
俺様がちょっと言ってやろうかな。と思ったら階段から白髭の爺さんが降りてきた。
なんだろう、今日はちょっとだけ迫力あるかも? 太った商人の人も静かになったな。
「なんの騒ぎかの。ここの責任者はワシじゃが。おお、衛兵隊の方ですか、今日は何事ですかな?」
衛兵隊って棒の人のことかな? 口髭の男が棒でコツンと床を鳴らして偉そうに喋りだしたぞ。
「こちらのステハン・ステイン殿より、白ヌコが盗まれたと届け出があった。ここに居るとの事なので引き取りに来たのだ。おとなしく引き渡すように」
白髭の爺さんは「ほう」と言って髭をさすった。ちょっと早くなんとか言ってよ。
「しかし、盗まれたヌコが、みーちゃんだという証拠はあるのかの?」
棒の人は腰に下げたカバンから紙を取り出して見せた。
「盗まれた日付と、ここにヌコが確認された日付が一致する。白いヌコはそうそう居るものでもなし。もし抵抗するなら、ハンターギルドが盗難の犯人ということになるが?」
「ふーむ、そういう事か・・・・・・ステハン殿と言ったかの、本気で言っておるのか?」
白髭の爺さんが太った商人を冷めた目で見ているけれど、そうじゃなくて、うるさいと言ってやればいいのだ。
「当然だろう! 私のネコを取り返して何が悪いのか!!!」
くそぉ、またうるさくなったぞ。俺様はシッポでパタンパタンと机を叩いてしまうのだ。
「では、衛兵隊の班長殿、公務だとおっしゃるなら身分証の提示を。エヌエラ、記録しておくのじゃ」
茶色の女の人は受付の後ろから、ちょっぴり光る棒を持ってきて、棒の人が差し出したプレートにちょんと当てた。
「キャンパリフ衛兵隊 第28班 班長 シエトン・アエイさんですね。確認しました」
「では好きにするがええぞシエトン殿、ステハン殿。ただし、言っておくが備品を壊したら弁償していただくからのぉ」
「最初からそう言え! おい、ネコを連れて行け!!!」
あ~~太った商人がさらにやかましくなった。「チっ チっ チっ」のおじさん達に連れていけって言ったけどさ、こいつらに出来るの?
「チっ チっ チっ」のおじさん達が俺様に手を伸ばして来たど、気持ち悪いし!!!
俺様は最高に機嫌が悪いのだ。耳を伏せて牙を見せる。シッポを左右に強く叩きつける。
「ギルマス! みーちゃんが連れて行かれていいと言うですか!?」
「エヌエラ、いまは大人しくするしかないぞ、下手に動くと逮捕されかねん」
「フゥウ~~ゥゥゥゥゥ」
これは最初の警告なのだ。ちょっと本気で相手してやるぞっという意味だからな。
相手がネコなら「ふぅぅぅーぅ」と返して来るところだ。人は常識がないからな、無言で腕を近づけて来たのだ。俺様は素早く猫パンチをお見舞いする。爪を全開にした本気バージョンを連発で叩きつけてやったのだ。
「「ひぃぃぃ」」
「チっ チっ チっ」のおじさん達は、あわてて飛び退いたけど遅すぎるな。腕から血が溢れて騒いでるけど、そっちが悪いのだ。ちょっとは手加減してやったから有難く思えなのだ。
「おまえら! 何をやっている、さっさと捕まえろ!!!」
「チっ チっ チっ」のおじさん達は青ざめて動こうとしない。
太った商人は、口髭の男に食ってかかるようにわめいた。
「おい! シエトン! ヌコを捕まえろ!」
最初はそうでもなかったけど、結構楽しかったのだ。
何か新しいあそびはないのかな?
受付の机の上であくびをしながら考えていたら、入り口から騒がしい太った商人の人が入ってきたみたいだ。
「責任者を出せ! おい! 責任者を呼んでこい!」
あ、「チっチっチっ」のおじさんも居るな、その後ろから、棒を持った厳つい人達も付いてきた。うるさい、静かにして欲しいのだ。
太った商人は、ホールをずんずんと歩いてきて俺様の前でとまった。
「これだ! これが私のヌコだ」
ああ、うるさいのだ。といっても臭い人よりは声が小さいかな。耳をピクピクして太った商人をみる。
なんか脂ぎってて気持ち悪いのだ。前にみたオークとかいう変なやつより気持ち悪いのだ。
へ? という顔をしていた茶色の女の人だけど、やっぱりうるさかったのか立ち上がった。
うん、いいぞ言ってやれ~
「何か御用でしょうか? ここはハンターギルドの受付ですから依頼のご相談でなければお帰りください」
いや、もうちょっと、ちゃんと言って欲しいのだ。
「やかましいぞ小娘!! 責任者を出せ。私のヌコを盗んだのだ、返してもらうぞ! こちらへ寄越せ!」
ほら、余計にうるさくなっただろ? もっとキチンと言わないとだめなのだ。
「何を言っているんです? みーちゃんは、誰のものでもありません! ギルド所属のハンターです」
いや、まだまだ足りないな。あのダンジョン最下層の黒い影の人を見習ってほしいのだ。
俺様がちょっと言ってやろうかな。と思ったら階段から白髭の爺さんが降りてきた。
なんだろう、今日はちょっとだけ迫力あるかも? 太った商人の人も静かになったな。
「なんの騒ぎかの。ここの責任者はワシじゃが。おお、衛兵隊の方ですか、今日は何事ですかな?」
衛兵隊って棒の人のことかな? 口髭の男が棒でコツンと床を鳴らして偉そうに喋りだしたぞ。
「こちらのステハン・ステイン殿より、白ヌコが盗まれたと届け出があった。ここに居るとの事なので引き取りに来たのだ。おとなしく引き渡すように」
白髭の爺さんは「ほう」と言って髭をさすった。ちょっと早くなんとか言ってよ。
「しかし、盗まれたヌコが、みーちゃんだという証拠はあるのかの?」
棒の人は腰に下げたカバンから紙を取り出して見せた。
「盗まれた日付と、ここにヌコが確認された日付が一致する。白いヌコはそうそう居るものでもなし。もし抵抗するなら、ハンターギルドが盗難の犯人ということになるが?」
「ふーむ、そういう事か・・・・・・ステハン殿と言ったかの、本気で言っておるのか?」
白髭の爺さんが太った商人を冷めた目で見ているけれど、そうじゃなくて、うるさいと言ってやればいいのだ。
「当然だろう! 私のネコを取り返して何が悪いのか!!!」
くそぉ、またうるさくなったぞ。俺様はシッポでパタンパタンと机を叩いてしまうのだ。
「では、衛兵隊の班長殿、公務だとおっしゃるなら身分証の提示を。エヌエラ、記録しておくのじゃ」
茶色の女の人は受付の後ろから、ちょっぴり光る棒を持ってきて、棒の人が差し出したプレートにちょんと当てた。
「キャンパリフ衛兵隊 第28班 班長 シエトン・アエイさんですね。確認しました」
「では好きにするがええぞシエトン殿、ステハン殿。ただし、言っておくが備品を壊したら弁償していただくからのぉ」
「最初からそう言え! おい、ネコを連れて行け!!!」
あ~~太った商人がさらにやかましくなった。「チっ チっ チっ」のおじさん達に連れていけって言ったけどさ、こいつらに出来るの?
「チっ チっ チっ」のおじさん達が俺様に手を伸ばして来たど、気持ち悪いし!!!
俺様は最高に機嫌が悪いのだ。耳を伏せて牙を見せる。シッポを左右に強く叩きつける。
「ギルマス! みーちゃんが連れて行かれていいと言うですか!?」
「エヌエラ、いまは大人しくするしかないぞ、下手に動くと逮捕されかねん」
「フゥウ~~ゥゥゥゥゥ」
これは最初の警告なのだ。ちょっと本気で相手してやるぞっという意味だからな。
相手がネコなら「ふぅぅぅーぅ」と返して来るところだ。人は常識がないからな、無言で腕を近づけて来たのだ。俺様は素早く猫パンチをお見舞いする。爪を全開にした本気バージョンを連発で叩きつけてやったのだ。
「「ひぃぃぃ」」
「チっ チっ チっ」のおじさん達は、あわてて飛び退いたけど遅すぎるな。腕から血が溢れて騒いでるけど、そっちが悪いのだ。ちょっとは手加減してやったから有難く思えなのだ。
「おまえら! 何をやっている、さっさと捕まえろ!!!」
「チっ チっ チっ」のおじさん達は青ざめて動こうとしない。
太った商人は、口髭の男に食ってかかるようにわめいた。
「おい! シエトン! ヌコを捕まえろ!」
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる