俺様はネコなのだ〜猫は異世界に行ってもネコ〜

わんこ

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本編

第6話 俺様のダンジョンツアーと朝帰り

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ダンジョンから出たら早朝だった。ダンジョンの中で徹夜したって事だな。

俺様達はギルド手配の馬車が迎えに来るまでしばらく待つことになった。
昼過ぎに馬車がやって来たので、それに乗ってハンターギルドまで帰ってきたところだ。
 臭い人ガイルは荷台でぐーすか寝ていた。寝ていても騒がしいやつだった。

俺様はふぁ~とアクビをして荷台から飛び降りると受付へ向かう。
机に飛び上がると、いつものように茶色の女の人エヌエラがいた。

「みーちゃん帰ったのね。怪我はない? ダンジョンはどうだった?」

後から臭い人ガイルもやって来た。

「帰ったぜ。じじいは居るか?」

2階の白髭の爺さんギルドマスターの部屋に行ってダンジョンの報告をする。もちろん、俺様は話せないから、それは臭い人ガイルに任せた。
俺様はじいさんの白ひげを引っ張って遊ぶだけだ。

「最下層にネクロマンサーか。また微妙な魔物が出たもんだな」

そうかもしれない。
黒い人影ネクロマンサーと対面したときの微妙な雰囲気はなんとも言えなかった。

「まあ駆け出しには厳しい相手だ。スケルトンを大量に召喚しやがってな。なんせ数が多いからバルダ達もやられたんだろ」

「それはそうと、みーちゃん。ちょっと手を貸してくれるか?」

なんだ? 猫の手を借りたいのか?
白髭の爺さんギルドマスターは、布切れにインクを染み込ませると、俺様の前足をつまんで肉球にちょっと塗りつけた。机の端から紙を拾い上げて俺様の前足に押し付けた。

「最近、本部の事務職員達の間でみーちゃんの足跡付き書類が人気での。こうしておくと早く処理してくれるかもしれん」

それは知らないけど、足の裏が気持ち悪い。
ピピピッと振ってから机の上を歩き回ったら、置いてあった書類に肉球スタンプがぺたぺたぺたと。
白髭の爺さんギルドマスターが慌てて書類を片付けた。

「さて、どうするかの。あのダンジョンは駆け出しの練習用でしかなかったから、そのまま放置してもいいんじゃんが」

「駆除しておいたほうがいいぜ? 魔物のゾンビがダンジョンの外へ溢れたら臭くてたまらん」

またダンジョンに行くのか~~
臭い人ガイルが言うには5人は必要なんだと。
次に行くのはメンバーが決まってからだとさ。
これで依頼は完了。臭い人ガイルが顔をズズンと近づけて来た。うげ~~

「みーちゃん、これで調査依頼は達成だ。下で飲もうぜ!」

また飲むのか? 騒がしくなるな~
階段を降りた俺様はそそくさと受付の机の上に潜り込んだ。
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