21 / 43
本編
第6話 俺様のダンジョンツアーと朝帰り
しおりを挟む
ダンジョンから出たら早朝だった。ダンジョンの中で徹夜したって事だな。
俺様達はギルド手配の馬車が迎えに来るまでしばらく待つことになった。
昼過ぎに馬車がやって来たので、それに乗ってハンターギルドまで帰ってきたところだ。
臭い人は荷台でぐーすか寝ていた。寝ていても騒がしいやつだった。
俺様はふぁ~とアクビをして荷台から飛び降りると受付へ向かう。
机に飛び上がると、いつものように茶色の女の人がいた。
「みーちゃん帰ったのね。怪我はない? ダンジョンはどうだった?」
後から臭い人もやって来た。
「帰ったぜ。じじいは居るか?」
2階の白髭の爺さんの部屋に行ってダンジョンの報告をする。もちろん、俺様は話せないから、それは臭い人に任せた。
俺様はじいさんの白ひげを引っ張って遊ぶだけだ。
「最下層にネクロマンサーか。また微妙な魔物が出たもんだな」
そうかもしれない。
黒い人影と対面したときの微妙な雰囲気はなんとも言えなかった。
「まあ駆け出しには厳しい相手だ。スケルトンを大量に召喚しやがってな。なんせ数が多いからバルダ達もやられたんだろ」
「それはそうと、みーちゃん。ちょっと手を貸してくれるか?」
なんだ? 猫の手を借りたいのか?
白髭の爺さんは、布切れにインクを染み込ませると、俺様の前足をつまんで肉球にちょっと塗りつけた。机の端から紙を拾い上げて俺様の前足に押し付けた。
「最近、本部の事務職員達の間でみーちゃんの足跡付き書類が人気での。こうしておくと早く処理してくれるかもしれん」
それは知らないけど、足の裏が気持ち悪い。
ピピピッと振ってから机の上を歩き回ったら、置いてあった書類に肉球スタンプがぺたぺたぺたと。
白髭の爺さんが慌てて書類を片付けた。
「さて、どうするかの。あのダンジョンは駆け出しの練習用でしかなかったから、そのまま放置してもいいんじゃんが」
「駆除しておいたほうがいいぜ? 魔物のゾンビがダンジョンの外へ溢れたら臭くてたまらん」
またダンジョンに行くのか~~
臭い人が言うには5人は必要なんだと。
次に行くのはメンバーが決まってからだとさ。
これで依頼は完了。臭い人が顔をズズンと近づけて来た。うげ~~
「みーちゃん、これで調査依頼は達成だ。下で飲もうぜ!」
また飲むのか? 騒がしくなるな~
階段を降りた俺様はそそくさと受付の机の上に潜り込んだ。
俺様達はギルド手配の馬車が迎えに来るまでしばらく待つことになった。
昼過ぎに馬車がやって来たので、それに乗ってハンターギルドまで帰ってきたところだ。
臭い人は荷台でぐーすか寝ていた。寝ていても騒がしいやつだった。
俺様はふぁ~とアクビをして荷台から飛び降りると受付へ向かう。
机に飛び上がると、いつものように茶色の女の人がいた。
「みーちゃん帰ったのね。怪我はない? ダンジョンはどうだった?」
後から臭い人もやって来た。
「帰ったぜ。じじいは居るか?」
2階の白髭の爺さんの部屋に行ってダンジョンの報告をする。もちろん、俺様は話せないから、それは臭い人に任せた。
俺様はじいさんの白ひげを引っ張って遊ぶだけだ。
「最下層にネクロマンサーか。また微妙な魔物が出たもんだな」
そうかもしれない。
黒い人影と対面したときの微妙な雰囲気はなんとも言えなかった。
「まあ駆け出しには厳しい相手だ。スケルトンを大量に召喚しやがってな。なんせ数が多いからバルダ達もやられたんだろ」
「それはそうと、みーちゃん。ちょっと手を貸してくれるか?」
なんだ? 猫の手を借りたいのか?
白髭の爺さんは、布切れにインクを染み込ませると、俺様の前足をつまんで肉球にちょっと塗りつけた。机の端から紙を拾い上げて俺様の前足に押し付けた。
「最近、本部の事務職員達の間でみーちゃんの足跡付き書類が人気での。こうしておくと早く処理してくれるかもしれん」
それは知らないけど、足の裏が気持ち悪い。
ピピピッと振ってから机の上を歩き回ったら、置いてあった書類に肉球スタンプがぺたぺたぺたと。
白髭の爺さんが慌てて書類を片付けた。
「さて、どうするかの。あのダンジョンは駆け出しの練習用でしかなかったから、そのまま放置してもいいんじゃんが」
「駆除しておいたほうがいいぜ? 魔物のゾンビがダンジョンの外へ溢れたら臭くてたまらん」
またダンジョンに行くのか~~
臭い人が言うには5人は必要なんだと。
次に行くのはメンバーが決まってからだとさ。
これで依頼は完了。臭い人が顔をズズンと近づけて来た。うげ~~
「みーちゃん、これで調査依頼は達成だ。下で飲もうぜ!」
また飲むのか? 騒がしくなるな~
階段を降りた俺様はそそくさと受付の机の上に潜り込んだ。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~
斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている
酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
目覚めたら猫耳⁉ ~神隠しで別宇宙のアイドル級猫耳メイド魔法使い⁉に大変身!~
INASAKU6
ファンタジー
自称、猫好き陽キャ系オタク女子高生 稲垣 梨々香 は、アニメとダンスと猫をこよなく愛する17歳!ある日バイト先で保護猫チャチャと一緒に神隠しに遭い、別宇宙の小惑星に飛ばされてしまう。目覚めると猫耳が生えたメイド姿で別宇宙の小惑星ラテスにいた。そこは猫と魔法と剣が支配するファンタジーの星。猫の国エルフェリア王国で、リリカは「猫耳メイド魔法使い」という特殊な職業に就かされ、さらに人々からアイドルのように崇められる存在に。最初は戸惑いながらも、リリカはエルフェリア王国での新しい生活に順応していく。
リリカの前に現れるのは、頼れる騎士見習いで護衛のレオン、そして意地悪だけどどこか憎めないライバルアイドルのステラ。マネージャー兼世話役の魔法使いメルヴィルに導かれながら、リリカはアイドル活動を通じて魔法を学び、次第に成長していく。しかし、表舞台の華やかさとは裏腹に、暗い陰謀が渦巻いていた。謎の魔導師ゼイガスの存在が、リリカたちの平和を脅かそうとする。
果たして、リリカは自分のアイドル活動を成功させるだけでなく、この世界を救うことができるのか?友情とライバル関係の中で揺れ動くリリカの心、そして自分の力を信じて前に進む彼女の成長が描かれる、アイドル級猫耳メイド魔法使いの奮闘記!
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる