20 / 43
本編
第6話 俺様のダンジョンツアーとかくれんぼ
しおりを挟む
「くそ! ネクロマンサーがスケルトンを召喚しやがった!! みーちゃん隠れてろよ!」
現れたスケルトンは7体。臭い人は少し前に出て待ち構え、襲ってきたスケルトンに大きな包丁を叩きつけた。カシャーンと音がしてバラバラになって崩れ落ちた。続けて2体のスケルトンにも大きな包丁を叩きつけたけれど、次のは間に合わなくて蹴飛ばしてバラバラにしていた。
こうして見ていると、臭い人は結構強いんだなと感心するな。
スケルトンが砕けて、骨が床に落ちるたびに、カンカラカンと良い音がする。
臭い人が拳で殴り飛ばしたスケルトンが、バラバラにならずに俺様の方に倒れてきた。頭蓋骨が床に当たった時に、カコーンと音が響いたから、俺様は走り寄って右の前足で頭を押さえ込んだ。
骨だけど動くから面白いな。と思ってたら顎の骨がカクカク動いて口が開いたり閉まったりしている。だから、左前足で顎を押さえ込んむ。ちょうど両手で抑える感じになった。
そしたら、口を開けたまま動かなくなった。ちょっと口の中を除きこんでみる。
ほどよい狭さ。
俺様は首を突っ込んでみた。もぞもぞ動いて背中まで押し込んで、そこから、体の向きをかえつつお尻まで入り込んだ。
いい具合に収まったな。案外と快適かもしれない。
と、思っているとスケルトンが動き出した。立ち上がってちょっとふらふらしながら歩いている。
俺様は、もう一度 体を回して隙間から外が見えるようにした。これは、ちょうど目の所だな。そこから片目で外をみる。
ちょうど、臭い人が大きな包丁を構え直して、スケルトンと向かい合った所が見えた。スケルトンも曲がった包丁を持っているな。
そしたらまた、あの甲高い叫び声が聞こえた。それもすぐ横で。
うるさいな! と思ったら、このスケルトンは黒い人影の隣まで来ていたみたいだ。
叫び声が収まると、今度は床一面に大きな丸い光が沢山現れた。そしてスケルトンがいっぱい現れると臭い人に襲いかかっていった。
俺様は頭蓋骨の中に居るから襲われる心配はなさそうだ。がんばれ臭い人、俺様はここで隠れているからな。でも、このスケルトンを倒すのは後回しにしてほしいな。
俺様は、臭い人から見えるように、口から尻尾を出して振ってみたり、目から前足をだしてみたりした。
もぞもぞもぞと動いて、前足で押したり後ろ足で蹴ったりして体を動かしていたら、突然ペキっと音がして、頭蓋骨が割れた。カラカラと音がして俺様は床に落っこちた。おっと、背中から落ちるなんてヘマはしないからな。
シュタッっと着地した俺様の目の前に黒い人影。ちょっとお互いに気まずい雰囲気だな。これは挨拶した方がいいのか? 縄張りに勝手に入ったから機嫌が悪いんだろうか?
じゃあ、ちょっとだけ、ごはんをお裾分けしてやるからな。
俺様は、収納から魚の干物を一枚取り出した。干物が床にぺちっと落ちる。
これ美味しいから食べてみなよ。
黒い人影は、戸惑っているみたい? 食べないのかな。魚はキライなのかい?
魚の干物を眺めていたらと俺様も食べたくなった。干物をもう一枚だす。
床にぺちっと落ちたら「いただきまーす」 うにゃうにゃ言いながら食べる。やっぱ旨いぞ。黒い人影を見る。ほれ、旨いんだぞ?
黒い人影が大きく揺らめいたと思ったら、何か気配を飛ばしてきた。そうしたら、魚の干物の下に小さめの光の輪が光った。
そしたら、魚の干物がピチピチと動き出した。
なんだこれは?! 干物が活け作りになったぞ?
前足で押さえると止まる。前足を退けるとピチピチする。
押さえる止まる、離すピチピチする。ちょっと楽しくなってきた。
思わずガブリとかじってみる。
すごい! めちゃくちゃ美味しい!!
その時、ガラガラっと骨が飛んできて、臭い人が黒い人影に包丁を叩きつけた。黒い人影はササっと壁際まで逃げていく。あの動きはGに似ているぞ。
「みーちゃん、この隙に撤退するぞ」
え? もう帰るの?
俺様は、ぴちぴちしている干物を収納へぽいっと投げ入れる。
そうそう、あいつ用のが、もう一枚、床でピチピチしている。
せっかく出してあげたのにな。
そっちも咥えて収納へ入れようとしたところで臭い人につまみ上げられた。
そのまま走って階段まで戻って駆け上がる。
最下層から5階層へ戻ったら、階段からすこし離れたところで臭い人が座り込んだ。汗だくで息が洗いからすごく疲れているみたいだ。
でもね。汗だくで臭いから俺様はちょっと離れて座った。
「あの状況で干物食ってたのか? すげーな、みーちゃんは!」
そうそう、魚の干物をくわえてるのを忘れてた。地面にポてっと降ろす。ぴちぴちと跳ねる。
「なっ! なんだそりゃ? 干物が動くだと???」
臭い人は両手を地面について、ぴちぴち干物に顔を近づけて観察している。
「こりゃ、もしかしてゾンビか? 魚の干物のゾンビ?」
魚の干物のゾンビが地面でぴちゃんと大きくはねた。俺様はすかさずキャッチ!!
「みーちゃん、それ食う気なのか? 大丈夫か?」
もちろん食べるぞ? めちゃ旨だぞ?
俺様は、干物をうにゃうにゃ言いながら食べる。
「うーん、美味そうに食うんだな。オレにもひと口くれ」
臭い人が魚の干物ゾンビを指でつまもうとした。
ちょっと待て! ごはんを横取りするな!
「フギャァァァァァァァッァァァ!!」
「すまん、わるかった」
「フォォオォォ~!!!」
俺様はこの町に来てから初めて割と本気で怒ったかもしれない。
「怒ったみーちゃんはネクロマンサーよりおっかねえな」
俺様は、魚の干物ゾンビを収納にぽいっとしまうと、ちょっと深呼吸して背中をペロペロっと舐めた。
まあ、今回は許してやるかな。
現れたスケルトンは7体。臭い人は少し前に出て待ち構え、襲ってきたスケルトンに大きな包丁を叩きつけた。カシャーンと音がしてバラバラになって崩れ落ちた。続けて2体のスケルトンにも大きな包丁を叩きつけたけれど、次のは間に合わなくて蹴飛ばしてバラバラにしていた。
こうして見ていると、臭い人は結構強いんだなと感心するな。
スケルトンが砕けて、骨が床に落ちるたびに、カンカラカンと良い音がする。
臭い人が拳で殴り飛ばしたスケルトンが、バラバラにならずに俺様の方に倒れてきた。頭蓋骨が床に当たった時に、カコーンと音が響いたから、俺様は走り寄って右の前足で頭を押さえ込んだ。
骨だけど動くから面白いな。と思ってたら顎の骨がカクカク動いて口が開いたり閉まったりしている。だから、左前足で顎を押さえ込んむ。ちょうど両手で抑える感じになった。
そしたら、口を開けたまま動かなくなった。ちょっと口の中を除きこんでみる。
ほどよい狭さ。
俺様は首を突っ込んでみた。もぞもぞ動いて背中まで押し込んで、そこから、体の向きをかえつつお尻まで入り込んだ。
いい具合に収まったな。案外と快適かもしれない。
と、思っているとスケルトンが動き出した。立ち上がってちょっとふらふらしながら歩いている。
俺様は、もう一度 体を回して隙間から外が見えるようにした。これは、ちょうど目の所だな。そこから片目で外をみる。
ちょうど、臭い人が大きな包丁を構え直して、スケルトンと向かい合った所が見えた。スケルトンも曲がった包丁を持っているな。
そしたらまた、あの甲高い叫び声が聞こえた。それもすぐ横で。
うるさいな! と思ったら、このスケルトンは黒い人影の隣まで来ていたみたいだ。
叫び声が収まると、今度は床一面に大きな丸い光が沢山現れた。そしてスケルトンがいっぱい現れると臭い人に襲いかかっていった。
俺様は頭蓋骨の中に居るから襲われる心配はなさそうだ。がんばれ臭い人、俺様はここで隠れているからな。でも、このスケルトンを倒すのは後回しにしてほしいな。
俺様は、臭い人から見えるように、口から尻尾を出して振ってみたり、目から前足をだしてみたりした。
もぞもぞもぞと動いて、前足で押したり後ろ足で蹴ったりして体を動かしていたら、突然ペキっと音がして、頭蓋骨が割れた。カラカラと音がして俺様は床に落っこちた。おっと、背中から落ちるなんてヘマはしないからな。
シュタッっと着地した俺様の目の前に黒い人影。ちょっとお互いに気まずい雰囲気だな。これは挨拶した方がいいのか? 縄張りに勝手に入ったから機嫌が悪いんだろうか?
じゃあ、ちょっとだけ、ごはんをお裾分けしてやるからな。
俺様は、収納から魚の干物を一枚取り出した。干物が床にぺちっと落ちる。
これ美味しいから食べてみなよ。
黒い人影は、戸惑っているみたい? 食べないのかな。魚はキライなのかい?
魚の干物を眺めていたらと俺様も食べたくなった。干物をもう一枚だす。
床にぺちっと落ちたら「いただきまーす」 うにゃうにゃ言いながら食べる。やっぱ旨いぞ。黒い人影を見る。ほれ、旨いんだぞ?
黒い人影が大きく揺らめいたと思ったら、何か気配を飛ばしてきた。そうしたら、魚の干物の下に小さめの光の輪が光った。
そしたら、魚の干物がピチピチと動き出した。
なんだこれは?! 干物が活け作りになったぞ?
前足で押さえると止まる。前足を退けるとピチピチする。
押さえる止まる、離すピチピチする。ちょっと楽しくなってきた。
思わずガブリとかじってみる。
すごい! めちゃくちゃ美味しい!!
その時、ガラガラっと骨が飛んできて、臭い人が黒い人影に包丁を叩きつけた。黒い人影はササっと壁際まで逃げていく。あの動きはGに似ているぞ。
「みーちゃん、この隙に撤退するぞ」
え? もう帰るの?
俺様は、ぴちぴちしている干物を収納へぽいっと投げ入れる。
そうそう、あいつ用のが、もう一枚、床でピチピチしている。
せっかく出してあげたのにな。
そっちも咥えて収納へ入れようとしたところで臭い人につまみ上げられた。
そのまま走って階段まで戻って駆け上がる。
最下層から5階層へ戻ったら、階段からすこし離れたところで臭い人が座り込んだ。汗だくで息が洗いからすごく疲れているみたいだ。
でもね。汗だくで臭いから俺様はちょっと離れて座った。
「あの状況で干物食ってたのか? すげーな、みーちゃんは!」
そうそう、魚の干物をくわえてるのを忘れてた。地面にポてっと降ろす。ぴちぴちと跳ねる。
「なっ! なんだそりゃ? 干物が動くだと???」
臭い人は両手を地面について、ぴちぴち干物に顔を近づけて観察している。
「こりゃ、もしかしてゾンビか? 魚の干物のゾンビ?」
魚の干物のゾンビが地面でぴちゃんと大きくはねた。俺様はすかさずキャッチ!!
「みーちゃん、それ食う気なのか? 大丈夫か?」
もちろん食べるぞ? めちゃ旨だぞ?
俺様は、干物をうにゃうにゃ言いながら食べる。
「うーん、美味そうに食うんだな。オレにもひと口くれ」
臭い人が魚の干物ゾンビを指でつまもうとした。
ちょっと待て! ごはんを横取りするな!
「フギャァァァァァァァッァァァ!!」
「すまん、わるかった」
「フォォオォォ~!!!」
俺様はこの町に来てから初めて割と本気で怒ったかもしれない。
「怒ったみーちゃんはネクロマンサーよりおっかねえな」
俺様は、魚の干物ゾンビを収納にぽいっとしまうと、ちょっと深呼吸して背中をペロペロっと舐めた。
まあ、今回は許してやるかな。
0
みーちゃんのヌコ探しがボイスブックになりました。
こちら:https://www.writone.jp
もしくは、 https://www.writone.jpから
"ネコ"を漢字"で"俺様は猫"で検索して下さい(登録時にミスったので)
声の演技でこんなに生き生きとキャラクターが動き出すなんて感動です。続きを聴いてみたいので、リクエストに是非ご協力をお願いできませんか?Writoneのページで"つづきがきになる"をクリックするだけです。
ボイスブック化してくれた 鈴風さん すみちゃむさん なつさん ありがとうございます。
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜
あめ
ファンタジー
髪の色がとてもカラフルな世界。
そんな世界に唯一現れた白髪の少年。
その少年とは神様に転生させられた日本人だった。
その少年が“髪の色=愛の証”とされる世界で愛を知らぬ者として、可愛がられ愛される話。
⚠第1章の主人公は、2歳なのでめっちゃ拙い発音です。滑舌死んでます。
⚠愛されるだけではなく、ちょっと可哀想なお話もあります。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる