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「優しい」私は「頼まれたら断れない」
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大騒ぎの朝が過ぎると、学校生活は平穏に回り、私は無事に昼休みを迎えた。
遥が貸してくれたぶかぶかの上履きにも慣れ、授業中にぶらぶらともてあそぶ癖までついてしまった。
いつもどおり、瑞希と向かい合ってお弁当の蓋を開けたとき、教室にざわめきが生まれた。振り返った私の目の前には、小さすぎるスリッパを履いた遥がいた。
自分の顔より大きい弁当箱を軽く持ち上げてみせて、
「たまには千佳たちと一緒に食べようかと思ってさ」
と、笑った。いつもは自分の教室で食べているのに、どうして。
小さく首を傾げた私を瑞希が突く。
「チッカのこと心配してるからでしょ。もう、ほんっと鈍いんだから!」
それが聞こえたのか、遥がいたずらっぽく笑った。私の戸惑いなんかそっちのけで隣に座り、お弁当の蓋を取った。
ぎゅうぎゅうに詰められたご飯の上には真っ赤な梅干し。切干大根、玉子焼きに鶏の照り焼き、ほうれん草のおひたし。
ふわっと鼻をかすめたおかずのにおいに、私は知らず知らずのうちに唾を飲みこんでいた。
「わー、遥くんのお弁当おいしそう!」
「だろ? 俺のばあちゃん、料理うまいんだ。でも、ちゃんとリクエストしないと肉系のおかず入れてくれなくて、野菜と魚ばっかりになっちゃうんだよな」
「おばあちゃんが作ってるの?」
「うん。俺の両親、いま仕事で海外にいるからさ。俺は日本に残りたかったから、じいちゃんたちの家で暮らしてるってわけ」
「あ、チッカとの約束があるから?」
照れくさそうに、まあね、と呟いた遥は、私に向き直って、
「千佳は俺のじいちゃんとばあちゃんに会ったこと、あるっけ」
と、聞いた。
「えっと……」
頭の中でノートのページをめくる。
遥の家族についてチーが言ってたことは……。
――遥のお父さんとお母さんは、お仕事であんまりお家にいないんだって。でも、帰ってくるときにはたっくさんお土産買ってきてくれるんだよって言ってた。
――遥のおじいちゃんはね、でーっかい畑でお野菜作ってるんだよ。わたしも遥もたくさんお手伝いしたの。ごほうびにトマトもピーマンもナスもキュウリもなんでもくれたよ。
――遊びに行くと、おばあちゃんはいつも水ようかん出してくれたけど、わたし、あんまり好きじゃないから、たまに出てくるおせんべいのほうがうれしかったな。
「あるよ。一緒におじいちゃんの畑でお手伝いしたじゃない」
「そうだっけ。俺、今でも休みの日は手伝わされてるんだ。よかったら今度、千佳も瑞希ちゃんも来てよ。二人とも喜ぶからさ」
「えっ、めちゃくちゃ行きたい!」
「一生懸命やれば、ご褒美にって野菜、たくさんもらえるよ」
「そうそう。どうせ食いきれないからさ」
「まじでー? うち、兄貴が三人もいるからさぁ。食卓が肉々しくって困ってんだよね」
見てよ、と大きな唐揚げが四つにゴマ塩が振られたご飯のみ、の弁当を指さした。
「俺はそっちのほうが羨ましいけどな」
そう言いながら、遥は切干大根を一口で食べてしまうと、相変わらず繊細な見た目にそぐわない豪快な食べっぷりで弁当箱を空にしていく。
「唐揚げ一個あげるから、その玉子焼きちょうだい」
「オッケー」
話題が弁当のおかず交換に移って、私は気付かれないよう、そっと息をついた。
ほら、大丈夫。私の中にはちゃんとチーがいる。
だから、私は生きていても許されるはず。
この命も、体も、心も、全部チーの代わり、だから。
「ねぇ、私たちも一緒にいいかな?」
割り込んできたのは、吉田さんたちだった。気色ばんだ瑞希が口を開く前に、吉田さんは、ピンクのランチバッグを持った手を顔の前で合わせた。
「ごめんね。この前、近藤さんが『一緒に食べよう』って誘ってくれたのに断っちゃって。ずっと気にしてたんだぁ」
西岡さんと伊東さんも「そうそう」「ホントだよ」と後ろからフォローを入れる。
この前って、吉田さんたちが初めて私に「話がある」と呼び出したときの、あれか。
誘ってもらった、とはよく言うわ、と呆れ返っていると、瑞希がはっきりと「よく言うわ」と吐き捨てた。
それに気付かない振りをして、吉田さんは遥にとろけてしまいそうな笑顔を向けた。
「藤原遥くん、だよね。あたし、吉田絵里奈っていいま――」
「千佳の、友達?」
吉田さんの笑顔に、遥はさらに鮮やかな笑顔を返す。吉田さんの頬がわずかに赤らんだ。遥の「特別」の前では、吉田さんの嘘くさい「特別」なんて普通以下だ。
「正確には、これから友達になれたらなって思ってるんだけど」
「そっか。じゃあ、千佳の上履き見つけてきてよ」
西岡さんと伊東さんが顔を見合わせる。吉田さんは一瞬怯んだけれど、すぐに体勢を立て直すと、当然の疑問を口にした。
「――どうして、あたしが?」
「俺の上履き、千佳に貸してるからさ。不便なんだよね。次、体育だし」
それは私が遥の履いてるスリッパと交換すれば解決するのでは、と言おうとしたら、机の下で瑞希に思い切り足を蹴られた。
「い……っ」
澄ましてそっぽを向いている瑞希をにらみつける。……後で覚えてろ。
「あたし、澤野さんの上履きとか知らないし。ほら、澤野さん、入学式でみんなにひどいこと言ったじゃない。だから、そのせいで」
「ふぅん。友達になりたい人にそんなこと言うんだ」
言葉に詰まった吉田さんの顔がまた少し赤くなった。けれど、さっきとはきっと赤の種類が違う。
「ていうかさ、この高校で一番になるのがどれだけ大変か、みんな分かってんじゃないの? 全員の前であれを言っていい権利を千佳は勝ち取ったんだよ。陰で姑息なことするやつらと違って、かっこいいと思わない?」
遥が私に向き直って優しく微笑んだ。ふわり。世界が色づく。
「俺は、そう思う」
教室の空気が変わった。
今までどことなくざらついていた雰囲気が、ほどけて、柔らかく私を包んだ。
みんなが私を見ていた。その目は、まるで今日初めてこの教室に現れた転校生を見るような、新鮮な興味をはらんでいた。
吉田さんの手の中で、ピンクのランチバッグが小刻みに揺れていた。
「……うっざ」
小さく捨て台詞を残すと、吉田さんは教室を飛び出していった。
「絵里奈ちゃん!」
「待ってよ!」
西岡さんと伊東さんがその後を追う。三人が姿を消すと、教室は徐々に平穏を取り戻していったが、チラチラとこちらに向けられる視線は、やはり今までとは少し変わっている気がした。それがなんだかくすぐったくて、私は下を向いて弁当箱の蓋を取った。
「なんか、かわいそうじゃない?」
私の言葉に遥と瑞希が呆れた顔で「そんなわけないだろ(でしょ)」と、口をそろえた。
「これくらいで反省するタイプじゃないよ、アレは」
吉田さんたちが消えた先を顎でしゃくって、瑞希は私の弁当箱からハンバーグを取り上げた。
「そうそう、昔っから千佳は優しすぎ。でもそれが千佳のいいところだからさ。ああいうやつに舐められないように、俺が守ってやるよ」
遥がアスパラベーコンをさらっていく。
その代わりに、巨大な唐揚げと梅干しがやってきた。
レシピ本に載っていそうだった綺麗なお弁当が、めちゃくちゃなレイアウトに変わる。
だけど、なんだかいつもよりずっとおいしそうだ。
放課後、私のところにいつも教室の隅にいる三人組の女子グループがやってきた。
「澤野さん、あの、これ……」
差し出されたのは、汚れた私の上履きだった。
「私、吉田さんたちが捨てたの見てたの。でも、なにか言われるの怖かったし、止められなくて……。ごめんなさい!」
立ち上がると、ぺたん、と遥の上履きが音を立てた。間の抜けたその音に、やっぱり笑ってしまう。
「ありがとう。拾ってくれたんだ」
私が受け取ると、その子たちは、ホッとしたように表情を緩めた。
「ごめんね。私たち、澤野さんのこともちょっと怖くて」
「近藤さんも、なんかすごく派手で近寄りがたいっていうか」
「え、ちょっと、あたしが? 嘘でしょ?」
「なに言ってんの。当たり前でしょ」
私たちのやり取りを聞いて、三人はぷっと噴き出した。
「これから仲良くしてくれたら嬉しいな」
そう言って帰っていく後ろ姿を、私は変な気持ちで見ていた。
これも全部、チーのもの、なのかな。
遥が貸してくれたぶかぶかの上履きにも慣れ、授業中にぶらぶらともてあそぶ癖までついてしまった。
いつもどおり、瑞希と向かい合ってお弁当の蓋を開けたとき、教室にざわめきが生まれた。振り返った私の目の前には、小さすぎるスリッパを履いた遥がいた。
自分の顔より大きい弁当箱を軽く持ち上げてみせて、
「たまには千佳たちと一緒に食べようかと思ってさ」
と、笑った。いつもは自分の教室で食べているのに、どうして。
小さく首を傾げた私を瑞希が突く。
「チッカのこと心配してるからでしょ。もう、ほんっと鈍いんだから!」
それが聞こえたのか、遥がいたずらっぽく笑った。私の戸惑いなんかそっちのけで隣に座り、お弁当の蓋を取った。
ぎゅうぎゅうに詰められたご飯の上には真っ赤な梅干し。切干大根、玉子焼きに鶏の照り焼き、ほうれん草のおひたし。
ふわっと鼻をかすめたおかずのにおいに、私は知らず知らずのうちに唾を飲みこんでいた。
「わー、遥くんのお弁当おいしそう!」
「だろ? 俺のばあちゃん、料理うまいんだ。でも、ちゃんとリクエストしないと肉系のおかず入れてくれなくて、野菜と魚ばっかりになっちゃうんだよな」
「おばあちゃんが作ってるの?」
「うん。俺の両親、いま仕事で海外にいるからさ。俺は日本に残りたかったから、じいちゃんたちの家で暮らしてるってわけ」
「あ、チッカとの約束があるから?」
照れくさそうに、まあね、と呟いた遥は、私に向き直って、
「千佳は俺のじいちゃんとばあちゃんに会ったこと、あるっけ」
と、聞いた。
「えっと……」
頭の中でノートのページをめくる。
遥の家族についてチーが言ってたことは……。
――遥のお父さんとお母さんは、お仕事であんまりお家にいないんだって。でも、帰ってくるときにはたっくさんお土産買ってきてくれるんだよって言ってた。
――遥のおじいちゃんはね、でーっかい畑でお野菜作ってるんだよ。わたしも遥もたくさんお手伝いしたの。ごほうびにトマトもピーマンもナスもキュウリもなんでもくれたよ。
――遊びに行くと、おばあちゃんはいつも水ようかん出してくれたけど、わたし、あんまり好きじゃないから、たまに出てくるおせんべいのほうがうれしかったな。
「あるよ。一緒におじいちゃんの畑でお手伝いしたじゃない」
「そうだっけ。俺、今でも休みの日は手伝わされてるんだ。よかったら今度、千佳も瑞希ちゃんも来てよ。二人とも喜ぶからさ」
「えっ、めちゃくちゃ行きたい!」
「一生懸命やれば、ご褒美にって野菜、たくさんもらえるよ」
「そうそう。どうせ食いきれないからさ」
「まじでー? うち、兄貴が三人もいるからさぁ。食卓が肉々しくって困ってんだよね」
見てよ、と大きな唐揚げが四つにゴマ塩が振られたご飯のみ、の弁当を指さした。
「俺はそっちのほうが羨ましいけどな」
そう言いながら、遥は切干大根を一口で食べてしまうと、相変わらず繊細な見た目にそぐわない豪快な食べっぷりで弁当箱を空にしていく。
「唐揚げ一個あげるから、その玉子焼きちょうだい」
「オッケー」
話題が弁当のおかず交換に移って、私は気付かれないよう、そっと息をついた。
ほら、大丈夫。私の中にはちゃんとチーがいる。
だから、私は生きていても許されるはず。
この命も、体も、心も、全部チーの代わり、だから。
「ねぇ、私たちも一緒にいいかな?」
割り込んできたのは、吉田さんたちだった。気色ばんだ瑞希が口を開く前に、吉田さんは、ピンクのランチバッグを持った手を顔の前で合わせた。
「ごめんね。この前、近藤さんが『一緒に食べよう』って誘ってくれたのに断っちゃって。ずっと気にしてたんだぁ」
西岡さんと伊東さんも「そうそう」「ホントだよ」と後ろからフォローを入れる。
この前って、吉田さんたちが初めて私に「話がある」と呼び出したときの、あれか。
誘ってもらった、とはよく言うわ、と呆れ返っていると、瑞希がはっきりと「よく言うわ」と吐き捨てた。
それに気付かない振りをして、吉田さんは遥にとろけてしまいそうな笑顔を向けた。
「藤原遥くん、だよね。あたし、吉田絵里奈っていいま――」
「千佳の、友達?」
吉田さんの笑顔に、遥はさらに鮮やかな笑顔を返す。吉田さんの頬がわずかに赤らんだ。遥の「特別」の前では、吉田さんの嘘くさい「特別」なんて普通以下だ。
「正確には、これから友達になれたらなって思ってるんだけど」
「そっか。じゃあ、千佳の上履き見つけてきてよ」
西岡さんと伊東さんが顔を見合わせる。吉田さんは一瞬怯んだけれど、すぐに体勢を立て直すと、当然の疑問を口にした。
「――どうして、あたしが?」
「俺の上履き、千佳に貸してるからさ。不便なんだよね。次、体育だし」
それは私が遥の履いてるスリッパと交換すれば解決するのでは、と言おうとしたら、机の下で瑞希に思い切り足を蹴られた。
「い……っ」
澄ましてそっぽを向いている瑞希をにらみつける。……後で覚えてろ。
「あたし、澤野さんの上履きとか知らないし。ほら、澤野さん、入学式でみんなにひどいこと言ったじゃない。だから、そのせいで」
「ふぅん。友達になりたい人にそんなこと言うんだ」
言葉に詰まった吉田さんの顔がまた少し赤くなった。けれど、さっきとはきっと赤の種類が違う。
「ていうかさ、この高校で一番になるのがどれだけ大変か、みんな分かってんじゃないの? 全員の前であれを言っていい権利を千佳は勝ち取ったんだよ。陰で姑息なことするやつらと違って、かっこいいと思わない?」
遥が私に向き直って優しく微笑んだ。ふわり。世界が色づく。
「俺は、そう思う」
教室の空気が変わった。
今までどことなくざらついていた雰囲気が、ほどけて、柔らかく私を包んだ。
みんなが私を見ていた。その目は、まるで今日初めてこの教室に現れた転校生を見るような、新鮮な興味をはらんでいた。
吉田さんの手の中で、ピンクのランチバッグが小刻みに揺れていた。
「……うっざ」
小さく捨て台詞を残すと、吉田さんは教室を飛び出していった。
「絵里奈ちゃん!」
「待ってよ!」
西岡さんと伊東さんがその後を追う。三人が姿を消すと、教室は徐々に平穏を取り戻していったが、チラチラとこちらに向けられる視線は、やはり今までとは少し変わっている気がした。それがなんだかくすぐったくて、私は下を向いて弁当箱の蓋を取った。
「なんか、かわいそうじゃない?」
私の言葉に遥と瑞希が呆れた顔で「そんなわけないだろ(でしょ)」と、口をそろえた。
「これくらいで反省するタイプじゃないよ、アレは」
吉田さんたちが消えた先を顎でしゃくって、瑞希は私の弁当箱からハンバーグを取り上げた。
「そうそう、昔っから千佳は優しすぎ。でもそれが千佳のいいところだからさ。ああいうやつに舐められないように、俺が守ってやるよ」
遥がアスパラベーコンをさらっていく。
その代わりに、巨大な唐揚げと梅干しがやってきた。
レシピ本に載っていそうだった綺麗なお弁当が、めちゃくちゃなレイアウトに変わる。
だけど、なんだかいつもよりずっとおいしそうだ。
放課後、私のところにいつも教室の隅にいる三人組の女子グループがやってきた。
「澤野さん、あの、これ……」
差し出されたのは、汚れた私の上履きだった。
「私、吉田さんたちが捨てたの見てたの。でも、なにか言われるの怖かったし、止められなくて……。ごめんなさい!」
立ち上がると、ぺたん、と遥の上履きが音を立てた。間の抜けたその音に、やっぱり笑ってしまう。
「ありがとう。拾ってくれたんだ」
私が受け取ると、その子たちは、ホッとしたように表情を緩めた。
「ごめんね。私たち、澤野さんのこともちょっと怖くて」
「近藤さんも、なんかすごく派手で近寄りがたいっていうか」
「え、ちょっと、あたしが? 嘘でしょ?」
「なに言ってんの。当たり前でしょ」
私たちのやり取りを聞いて、三人はぷっと噴き出した。
「これから仲良くしてくれたら嬉しいな」
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これも全部、チーのもの、なのかな。
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