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第12話 襲撃と告白と会ってはイケない人達

第12-7話 DTアンジーとの約束を果たす

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○無事に城を出られたのですよ

 宿屋までの道を教えてもらった私達は一度馬を取りに都市の入り口に向かって歩いています。少し暗くなってきたので周囲の目も気にならなくなりました。
「あーあ、会っちゃった」アンジーが独り言のように言います。
「アンジーさんあなたの上司に連絡しておいてください。相手から接触してくるとは思いませんでしたと。もしかしたら、この行動すべてがルシフェル様の手のひらの上という事は考えられませんか?」私は念のためにアンジーに尋ねます。
「それはないと思います。あと、町中であれだけ大騒ぎしていれば、たぶん耳には入っているとは思いますが、結果は知りたがりますねきっと」私をチラッと見ながら前を向いてアンジーは言いました。
「でしょうねえ。ちょっと干渉しすぎですか」
「賢王になれですか。ちょっとびっくりしました」ユーリが言った。あなたももしかしたら王女様でしたからねえ。
「お嬢様育ちですからね。私の話を素直に聞いてしまうでしょう」私はとりあえず殺されたくなかったので必死でしたよ。
「詐欺師というか、洗脳する宗教の教祖様みたいな言い方じゃったのう」モーラが笑って言った。
「ええ?うそは言っていませんよ」詐欺師はひどすぎませんか。
「わしらを信頼に足るグループであると思わせるには十分な話し方じゃったのう」腕を組んで頷きながら歩いていますが、子どもが偉そうにしているようにしか見えませんねえ。可愛いです。
「あれは洗脳よねえ。「私は正しい」を信じ込ませて臣下への猜疑心まで植え付けていたもの」アンジーまでそう言いますか。
「そこを清濁併せ持つのが賢王でしょう?」洗脳した自覚はありますねえ。
「小娘にそこまでの器量を求めるか?」モーラがあきれたように言います。
「しっかりしている臣下を見極めるのも賢王の資質です」私は妙に鼻息が荒いです。
「剣術バカに見えたがのう。ああやってびしっと言い聞かせられると盲従するタイプじゃ。おぬしにすぐ惚れるぞ」モーラが私をエロい目で見ながら言いました。
「そんなわけないでしょう。言い寄る男はいっぱいいて、それらを蹴落としてここまできているのでしょうから」
「だからこそじゃ。男など相手にしていなかったのに、これだけの実力差を見せつけられ、しかも謙虚な男ときては、なびきそうじゃがのう」いやそこで笑いながら言っていますが何を期待しているのでしょうか?
「あの王女様は、そんなに頭は悪くないですよ。理性で押さえつけて上手くやっていきますよきっと」私はそう信じたいですね。
「そうですよ。きっと女を捨てていますよね」アンジーが不安げだが、あえてそう言い切りました。
「確かになあ、そうでなければ勇者などやっておらんじゃろう」
「そういえば、転生者と言ったのに勇者じゃないことを聞きませんでしたね」メアが首をかしげる。
「あの状況では聞けるわけ無いわよ。私達は旅をしながら魔王の情報を得ているんだと勝手に勘違いしていると思うわ」アンジーが言い切りました。
「あーありそうですね。むしろ旅の理由がそれの方が納得いきます」ユーリがそう言いました。
「いろいろな問題って~何かありましたっけ~?」エルフィが首をかしげています。
「一応この後、エルフの国に行くつもりですよ?」私はそう言いました。
「え?族長に会ってくれますか?結婚してくれるんですか?」何でエルフィさんそこで目をキラキラさせますかねえ。
「そうではありません。エルフの里に近いうちに災いが起こると言っていましたよね。それを確認しに行くんです」エルフィは脳天気ですねえ。気にならないのでしょうか。
「あ~そういえばそんなこと言っていましたね~私」ちょっとショボンとするエルフィ。
「あれは嘘ですか?」
「いいえ本当です。でもまだ起きていないと思いますよ~連絡もありませんし~」
「連絡があってからでは遅いでしょう」
「てへ」
「あなた本当にエルフ族ですか?エルフ族は結束が固いと聞いていましたが」
「エルフにも色々ありまして~でもいいんですか~?やっかいごとには手をださないんじゃなかったんですか~?」エルフィが私をしたから見上げるように見ます。
「私にとっては、家族の問題はやっかいごとではありませんからねえ」
「そうじゃのう」とはモーラ
「ですね」メアが言い
「はい」ユーリが良い返事です。
「当然よね。まあ私も今の今まで忘れていたけど。あんたよく憶えていたわね」アンジーがツッコミを入れます。
「本当なら先にエルフの件を済ませたかったのですが、道すがらにこの件がありましたからね。しかもアンジーとの約束ですし」
「ありがと」いや、アンジーなに照れているんですか。抱きしめたくなるくらい可愛いですね。
「パパ!抱っこー」アンジーさん。そこでそのボケですか。甘えるんじゃありません。
「いいから抱きしめてやれ。精一杯の抵抗じゃ」はいはい乙女心はよくわかりません。抱きしめてなでなでしてあげましょう。
「いいなあ」ユーリがうらやましそうに見ている。手を引いて二人とも抱きしめる。
「なでなでも」ユーリ要求がエスカレートしてきますね。そこまでなら良いですよ。
「パパおっぱいー」エルフィが近づいて来て何をやらかしていますか。そこゆさゆさゆすらない。思わず手が出そうでしたよ。
「おしい~」残念そうにしないように。というか、見上げてくる二人のジト目が刺さる。
「というか往来でやめておけ」横で見ていたモーラとメアが冷たい目で見ています。他人のフリしないように。
「あ」そそくさとみんなで宿に入る。
「風呂は・・・」
「ここは、公共大浴場があるそうです。有料ですが」私がピシャリと言いました。
「宿屋に聞いたら、夕方だけだし、シャワーだけで基本男女別々じゃしなあ」
「物足りないですねえ」メアが珍しく私を見ながら言いました。だからみんなで私を見ないでください。何とかしなきゃと思ってしまうじゃないですか。
「おぬしのそういう所じゃのう。なんというか下僕思考よなあ」モーラが情けないものを見るような目で言いました。
「そうそう」アンジーもそんな感じで同意しています。
「そういうのは、奉仕の精神とか言えないんですか」
「そうともいうがな」
 そうして夜半にこっそりお風呂に入る私たちでした。

○ あの後の王女様
「王女様何もありませんでしたか」狂犬の女騎士が王女に尋ねる。
「ああ何も無い。お前もすこし自重しろ。実力差を見極めるのが真の強者だと言っておったではないか」
「承知しました。これから気をつけます。して、彼らは何者ですか」
「うむ、旅をしておる魔法使いだそうだ。そして、転生者ということも聞いた」
「ならば、勇者ですか?」
「聞けはしなかったが、たぶんそうであろう」
「では、仲間にされるおつもりですか」不安そうな表情で言った。
「いや、断られた」
「そうですか」少し安堵している。自分が切り捨てられると思ったのかも知れない。
「目的があると言っておられた。しかもかなりの問題を解決に行くようだ」
「そうですか。魔物討伐ですか」
「そういう感じでは無かったな。そうそう、うちの転生者の他にさらに転生者が我が国にはいるそうだ」
「その件ですが、あまり期待しない方が良いかと」魔法使いの子が言った。
「そうなのか?」
「はい、ちょっと問題があります」

○ 恋心?
 その方は、あまり若くはない。でも枯れた感じが中々セクシーだ。そして頭が良いのが何よりも素敵だ。そう、私の周りにいなかった。私の周囲にいた男達は、どちらかというと粗野でバカで戦う事しか頭にないタイプばかりだった。やはりそのすごさはあの魔法だろう。無詠唱でしかもすぐ発動する魔法。他の魔法使いでは原理さえわからない魔法を駆使する。そして謙虚。思慮深さは他の者にはない。ともに魔族を魔獣を倒しに旅ができたなら素敵な旅ができそうだ。しかし私の言葉には靡かない。そこも素敵だ。たぶん何かの使命をお持ちなのだろう。それさえも好ましく思える。だが私でも不釣り合いなのかもしれない。周囲にいた女性達は、噂通りなら達人ばかりのはずだ。私は勇者ではあってもまだなりたてみたいなものだ。だからこそ自分を高みに導いてくれるあの方のような優れた才能の持ち主と共に旅をしたいと思ったのだが。ああ、自分の思考が堂々巡りしているのがわかる。これは恋の迷宮なのだと。

○パーティーへの招待
 この世界ではまだダンスは普及していません。食べて飲んで懇談するだけです。
 馬車の改造をしながら待っていると、数日も立たずに私達はパーティーに呼ばれました。もちろん礼服やドレスをお借りしてパーティー会場に入りました。ええ、私を除いて皆さん注目の的になってしまいました。どうせ私なんて壁の下に落ちている埃か塵みたいなものです。とほほ。
 注目されているにもかかわらず、モーラもアンジーもおいしいお菓子を頬張っています。本当に幼児化していますね。メアさんは、メイド長とお話をして意気投合していますし、ユーリはスカートが嫌でパンツ姿で登場したのですが、若い女性達が寄ってきて囲まれています。あと、エルフィは今回不参加です。まちカドの居酒屋で飲んだくれているようです。どうやら人見知りを発動したようです。エルフィそれでいいのですか?
 ポツンと立っていた私の所には、あの魔法使いさんが気を利かせて話をしに来てくれて、遠くにいるあの子がそうと目で合図してくれました。その様子を観察していると、お菓子はがっつくわ、わがままは言い放題だわ、胸の大きい女の人をエロい目で見るわ、しつけがなっていません。アンジーも気付いたらしく、こちらに来て嫌そうに見ています。
「ずいぶん横柄な感じですねえ」私はあきれて言いました。
「どう見ても良いとこのお嬢さんではないのう」モーラも寄ってきました。
「イメージしていたのと大分違いますね。しつけが全然なっていません」メアも戻ってきて言いました。
「そりゃあそうですよ。中身はすっかり入れ替わっていますから」アンジーが我々の罵詈雑言を聞き流しながら言いました。
「それにしてもひどすぎませんか。あの立ち居振る舞い。がに股でしかも大股開きで歩くとか、女の子とは思えませんよ」私はああ言う子どもはしつけをしないと駄目だと思います。
「そりゃあそうですよ。中身が中身ですから」アンジーが何を今更という感じで言います。
「え?そうなんですか。女の子じゃないのですか?」
「だから中身まで女だとは言っていませんよ」アンジーは当たり前のように言いました。
「男なんですか?」全員がアンジーを見てからその子をついつい見てしまいます。
「ええ、かなりBMI値が高い男でした。しかも引きこもり」アンジーが嫌そうに言いました。
「なんじゃそのひきこもりとは」おお、こちらの世界にはなじみのない言葉でしたねえ。
「家で親の金で暮らしていて働いていない人のことです。あ、それはニートか。おもに対人関係で精神的に疲弊して外に出ることができなくなった人もしくはそのフリをして部屋にこもっている人のことですね」アンジーさん理路整然と心に突き刺さる言葉の毒をまき散らしていますねえ。
「難儀な奴じゃな。それで暮らしていられるとはよほど豊かな世界なんじゃなあ。この世界ではありえん話じゃ」モーラが頭を振って言いました。
「それで桁はずれた魔力量とか、ヤバすぎませんか?」私はつい変な言葉を使ってしまいます。ヤバいですね。
「たぶん力に振り回されて自滅するタイプですね」ユーリがこちらに戻ってきました。
「私たちはあまり関わりたくない、いやむしろお近づきになりたくない方のようですのでとっとと退散しますか」
「私もそれがその方が良いかと思いますね。結果があれで納得しました。この世界に来て、少しは変わってくれるかと期待していたのですが、やっぱり持って生まれた性格は変わらないものですね」アンジーはガックリと肩を落としています。
「なるほど。それで気にしていたのですか」
「ええ、転生すると心機一転して頑張る人もいますので。まあクズで良かったです。あと、転生の時に引き離されてあなたのところに来て良かったとつくづく思いました。あんなのと一緒にいたらきっと実体化して殴り殺していましたよ。ですが、これでは彼が目的を果たしてくれて、私が元のところに帰ることはできそうにありません。もうあきらめました」手に持ったお菓子を眺めていたアンジーは、そう言ってそのお菓子を口に入れて強く噛んで食べています。固いお菓子だったのでしょうか。そんな訳ありませんよねえ。
「それでは王女様に挨拶してこの場を離れましょう」
 そうして、あっけなくアンジーの懸案は終了しました。
 その後、ついにわがままを暴走させ始めて暴走したその転生者は、王女様ご一行がお仕置きしたそうです。
「ここで殺さなかったことを後悔するがいい」そう言ってその転生者がその場からいなくなったそうです。
「ここまでねじくれているか。転生者もいろいろなのですねえ」
「すいません」魔法使いの女の子がなぜか謝っている。
「なぜおぬしが謝る。ああ同じ転生者だからか。気にするな。あれはあやつがひねくれきっているだけであろう。みんながみんなあんな転生者なわけではないであろう。あの旅の魔法使い様のように気高くある者もいらっしゃる」
「ですが、この先あの者をどう扱ったら良いか考えねばなりませんね」
「ああ、さすがに放置はできぬな」
「はい。我々でもさすがに厳しいものがあります。ですので、あの方・・賢者様もとい旅の魔法使い様にお願いしてみてはいかがでしょう」
「うむ」
「なぜそのような者に頼らねばならんのですか」
「もしかしたら、説得できるかもしれないな」
「はい。殺してしまうには惜しいと思います。戦力になればその方が、対魔族戦で活躍できると思いますが」
「確かにそうではあるが、御しづらそうじゃぞ」
「その時はより強い魔法使いにおしおきをお願いするしかないですね」
「その資質を有効に生かすこともできず、むしろ迷惑を掛けるのであれば、害悪でしか無いと思うが」
「そうですね。とりあえずは、成長するまで見定めて何かあったら処分しましょう」
 後から聞いた話では、目が覚めるまでしばらくかかったみたいです。

○大きな森の中
 耳の長い数人の男達が森と平原の境で何かを見ている。地面には黒い霧が円を描いていてその場所の草木が枯れている。
「やはり黒い霧ができているようです」
「対策はできるのか?」
「聖属性の魔法がないと根本的には難しそうです。聖属性で除去できてもその後は死の灰になって生物が育たなくなります」
「大きさはどれくらいだ」
「大して大きくないのです。今のところ広がってもいません」
「ならば様子見だな。定期的に様子を見よう。いつの間にか広がってしまう可能性もあるからな」
「根本的な解決を検討しないとまずいのではありませんか?」
「この森で起こったとしても迷いの森まではかなりの距離がある。この程度の被害範囲であれば最悪放置しても問題はないだろう」
「そうでしょうか」
「解決策がない以上見守るしかないだろう」
「そうなりますよね」
「これが予言の事ならば良いのだが。違うような気もするな」
「はい」


Appendix
何?勇者に2人も会ったのですか?会うなとは言っていませんでしたが、なぜ急に。
ああ、どちらも向こうから会いに来たと言うのか。それは仕方がありませんねえ。
そうか行方のつかめなかった勇者と会ったのですか。
まあ大体わかりました。
そこで連絡を終えて、部屋にいた男と話を始める。
この件をどう思いますか?
そうですね。魔王様が他の3人の勇者の話をしてすぐに会えています。とても不自然です。
どちらも噂が先行しているから断定はできませんがねえ。
噂が早すぎます。別の何かが動いている可能性も否定できません。
なるほど。注意せねばなるまいか。
気をつけるのは彼らの方でしょうけど。
そうか。でも言わないでおこうか。
その方が良いかもしれません。


 続く
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