君が為の世界

 やんごとなき身分のお嬢様に幼い頃より仕える従者、美雪。
 彼女にとって、お嬢様の傍で命を果たし続ける日々は紛うことなき幸せであった。
 しかし静寂を湛えるある日の晩に、その幸せな日常は砕け散る。

「好きよ。美雪」

 お嬢様から告げられた愛の言葉と共に、美雪は二人で逃げ出すことを決意する。


 これは二人の少女が進む恋路の、始まりの物語。
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