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第13話 戦闘
しおりを挟む満足にご飯を食べたのだが、やってしまった。
匂いで大きな狼みたいなのがこっちを見ていた。
フラッシュバック。
あの夜のことが思い出される。
コイツだ。コイツに殺された!
狼みたいなのと目を合わせている。逃げられそうにない。でも、体動かない。怖い。怖い。
しばらくして、狼は帰って行った。
よかった。何とかなった。
いざという時、本当に体は動かない。何をすればいいのか分かっていても体は恐怖に支配されていた。
今でも動けない。だから、考えることにした。
なんで襲われなかった?火が怖かったからか?何故ここに来た?
疑問形しか出てこない。
少し体が動けるようになったので、壺に入れてあるお茶を飲み、落ち着きを取り戻す。
まず、なぜ来たか。これはすぐ分かる。匂いだ。
明らかな肉食動物なので肉の匂いで来たのだろう。
次、なぜ襲わなかったか。
これは2つ仮説がある。
まずは火が怖いから。今まで近づいてこなかったのはこれのおかげな気がする。そう思いたい。
次に夜にまた襲いに来る。
これは考えたくない。でも、あっちは夜に目が利くはずだ。だって狼だし。
最悪なパターンは後者なのだが、有り得そうなので急いで対処する。
まず、武器。ナイフ用の石は夜に地道に作り続けていたから一応ある。
これは槍にしておこう。
次に薪の準備。火が怖いならなるべく大きくして起きたい。
そして最後。心の準備。
落ち着け。命を2度あげることは無い。ここで勝たないと意味が無い。勝て、勝つんだ!
そして、夜になった。
勝つ気で待ち構えているが、正直言って来ないことを祈っている。
だが、最悪のパターン。きやがった。
『グルルルル……』
「しゃああああ!!ぶっ殺してやる!!」
戦いが始まった。
まずは火をつけた棒を投げる。
狼はそれをかわした。
よし、火は流石に怖いようだな。
そうして火のついた棒を何個か投げまくり、シェルターの周りに置いていく。
ビビって狼は帰ってくれる。そういう作戦だった。
作戦は上手くいくことは無かった。
狼は華麗にかわし、火を恐れることも無くこっちに走ってきた。
「くそっ!!」
槍を手にし、大きく振ったり突いたりしたが当たることは無かった。
くそ、くそくそくそ、くそおおおおおおおお!!!!
無我夢中に狼と戦う。それはこちらの視点。
狼してんだと子供とじゃれ合ってる程度だろう。
槍を突き出した際に感触があった。
刺さったか!?
そう思ったが、槍の先端が無くなっていた。
槍の先端は目の前に転がっていた。
畜生!
ダメ元でナイフで戦いに行くが、華麗にかわされる。
そして……
(あぁ、また死ぬのか……)
意識は遠くなっていく。
ーーTWO
太陽が眩しい……
そして、気づく。
「また、やり直すのか」
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