137 / 260
廃村の復興と素材を探して
48:修復完了
しおりを挟む錬金台の上に載っている指輪を確認する前に、何の変化もしていないように見える鉱石を確認してみる。
パッと見、何も見た目に変化はない。
元より金鉱石や銀鉱石は、【鑑定】した時に出るアイテム名を見ないと普通の石っぽい見た目なので、目の前にある鉱石を1度でも【鑑定】しない限りどうなっているかの判断が出来ない。
銅鉱石や鉄鉱石は見た目で判断できるのに、現実と同じように希少金属は鉱石中の含有量が少ない事を反映しているのか、見ただけではわからないようになっている。
まあ、リアルの金鉱石や銀鉱石に比べれば鉱石中の含有量は多いだろうから、あくまでも見た目を倣っているだけなのだろうけど。
鉱石を手に取って確認する。手に持ったことで表示されたアイテム名は鉱石となっていた。
UWWOでは基本的に鑑定する前にアイテムを手に持つことで、大雑把なアイテムジャンルがわかるようになっている。銅鉱石や鉄鋼石なら『鉱石』、薬草や上薬草なら『植物』、ダン木の実や何かの骨なら『素材』と、手に取ったアイテムの上に表示される。例外もあるけれどそれは『?』と表示される。
それで一度でも【鑑定】なり【看破】をしてアイテム名がわかっていれば、次に鑑定済みのアイテムを手に取るとアイテム名がそのまま表示されるようになっている。
で、錬金台に載っていた物は『鉱石』と表示されたことからして、金鉱石や銀鉱石ではない別の物になっている事を示しているわけだ。
[(アイテム)屑鉱石 Re:C Qu:G]
一切金属を含んでいない鉱石に見えるただの屑石。使用価値はなく、インベントリにも入れることが出来ず、一定時間の経過またはこのウィンドウ下部にある廃棄を選択することで消滅する。
〔破棄する〕
【鑑定】してみたところ、表示されたのはこれだった。おそらく含有していた金や銀は指輪の修復に使用されて鉱石内から抜き取られたとかそんな感じなのだと思う。いや、他の原因はあり得ないだろうから、確実にそうなのだろうけど。
とりあえずこれは持っていてもインベントリ内にしまえないので破棄。
さて、じゃあ指輪の確認をしよう。鉱石が屑鉱石になっていたという事は修復が成功しているという事だろうけど、どんな感じに修復出来たのだろうか。前に腕輪を修復した時はそれほど性能が変わらなかったから今回もそんな感じなのかな。
[(アクセサリー)ルビーとサファイアの指輪 Ra:Ep Qu:C Du:100 / 100 SAS:-]
小さいがルビーとサファイアが埋め込まれた指輪。この指輪が作られてから長い時間が経過しているがまだ十分に使用できる。さらにはめ込まれた宝石の力は殆ど失われていない。内側には長年に渡り使用していたのか内側に掘られた文字が薄れてしまっている。しかし、辛うじて読むことは出来そうだ。
装備効果:火属性・水属性耐性(小) INT+8 VIT+5 MND+12
修復が成功したからアイテム名の(劣)が取れている。
属性耐性の方は変わっていない。まあ、今回の修復でルビーとサファイアを使っていないから変化のしようがないよね。ステータスの上昇についてはかなり良くなっている。元がVIT・MND+1だったから大分上がっている。腕輪の時より性能が上がっているのはRaの差かな。
何故か修復したのにSASが無い。売れないってことなのだろうけど、もしかしてこの指輪ユニークアイテム? いや、グネズミーからの報酬だからそんな訳ないだろうけど、まさかね?
あとは説明文か少し変わっている。前半部分は修復したからだけど、後半のやつは何か意味があるのだろうか。
指輪の内側を確認してみところ、たしかに前よりも文字が書かれていることがわかった。ただ、残念ながらゲーム内文字なのか何が書いてあるかは全くわからなかった。
まあ、文字は読めなかったけど修復が上手くいったから良いかな。そう言えば最初の頃に手に入れた本も中に書かれていた文字が読めなかった記憶が。使わないからセントリウスのギルド倉庫にしまっているからすぐに確認は出来ないけど、同じ文字が使われているのかもしれない。
これ以上確認することもないので指輪を装備する。
さて、生産設備の使用時間はまだある。
今の修復で【錬金】スキルによって鉱石から金属だけを抜くことが出来たのだから、鍛冶スキルを使わなくても金属塊を作ることが出来るのではないかと、ちょっと気になっているので試してみよう。
手持ちの鉱石はもうないので、一回委託で鉱石の中で一番安い銅鉱石を幾つか購入する。そして錬金台の上に銅鉱石を3つ載せ、鉱石内の銅を引き出してまとめて塊にしていくイメージで錬金台を起動させた。
結果として、何か変なことが起こる訳でも失敗する訳でもなく、銅の金属塊と鉱石が3つ錬金台の上に置かれていた。鉱石の方はさっきと同じように屑鉱石になっていたので破棄。
これ【鍛冶】スキル取得する必要なかったやつでは?
目の前にあるものを見ながらそう思いつつも、出来上がった拳大の金属塊を確認する。Raは同じなのは当たり前として、Quが鍛冶で作った奴よりも低い。今【上級錬金】で作った物がQu:Dで生産設備に入る前【鍛冶】で作った物はQu:Cだった。
これは錬金で作ったのが初めてだったから低いのか、他の要因……というか錬金で作ったから低いのかも?
これ他の物もだけど適正の方法で作った方がQuは高くなりやすい? もしかしたら成功率とかも違うかもしれない。そう言えば【調合】で作ったポーションも錬金に比べて熟練度が低かったのに同じQuの物が出来ていた。
錬金の2次スキルで作った物が1次スキルの【鍛冶】、しかも熟練度が低めで作った物よりも低くなっているところからして、大いにあり得そうだ。ん? という事は、修復も適正スキルでやった方が最終的なQuは高くなっていたということ?
……うぅーん。この結果だけを見ればそうかもしれない。いや、とりあえず今購入した分の銅鉱石を使って検証しておこう。
結局、残りの銅鉱石を錬金台を使って金属塊にしてみたのだけど、その殆どがQu:Dで辛うじて1つだけQu:Cの物が出来ただけだった。
11
↓
私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する
↓
森の中でひっそりと生活しようとしたのだが
いつの間にかハーレムになっていた
フリースペースに別作品のリンクを貼ってみませんか?
↓
フリースペースに他の作品のリンクを貼りたいのだー!
お気に入りに追加
1,217
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
追い出された万能職に新しい人生が始まりました
東堂大稀(旧:To-do)
ファンタジー
「お前、クビな」
その一言で『万能職』の青年ロアは勇者パーティーから追い出された。
『万能職』は冒険者の最底辺職だ。
冒険者ギルドの区分では『万能職』と耳触りのいい呼び方をされているが、めったにそんな呼び方をしてもらえない職業だった。
『雑用係』『運び屋』『なんでも屋』『小間使い』『見習い』。
口汚い者たちなど『寄生虫」と呼んだり、あえて『万能様』と皮肉を効かせて呼んでいた。
要するにパーティーの戦闘以外の仕事をなんでもこなす、雑用専門の最下級職だった。
その底辺職を7年も勤めた彼は、追い出されたことによって新しい人生を始める……。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!

月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる