132 / 260
廃村の復興と素材を探して
43:採掘
しおりを挟むイスタットの転移石像を修復してからリアルで2日が経過した。
あの後、私はすぐに鉱山へ向かった。本音を言えば転移石像を使ってみたかったところだけど、あの人の多い状況で使えば確実に目立つし、転移石像を修復したプレイヤーであることがバレてしまうので使うのは断念した。
それと、フィールドBOSSのワイバーンはこれまでに私が戦ったものを除いて3匹出現し、2匹が討伐されている。
討伐出来なかった残りの1匹は討伐に参加したプレイヤーが少なかったために全滅してしまい、追加のプレイヤーが到着した時には居なくなっていたらしい。
あと、今までのワイバーンの出現した時間から、どうやらフィールドBOSSの出現時間はプレイヤーの同時接続数の多い時間帯を狙っているのではないかと掲示板で推察されていた。まあ、まだ4体しか遭遇していないから確実ではないけど。
ワイバーンが討伐されたからだと思うけど、サウリスタとウエストリアの転移石像が早々に修復されて、現段階で行ける街の転移石像は全て修復されている。
そのため、各都市間を転移で移動するためにエリアBOSSの討伐をするために第3エリアからプレイヤーが少なくなったと兄が嘆いていた。ただ、各都市間の移動が容易になれば第3エリアを目指すプレイヤーも増えるだろうから少しの辛抱だとは思うけど。
私はあれからずっと鉱山に篭って採掘を続けている。
まだ【採掘】スキルの熟練度がそれほど高くないのであまりRaの高い鉱石は取れていない。とは言え、十分な数を取得することが出来ているのでインベントリはそこそこ埋まった。
ガチャで手に入れた中級ツルハシは熟練度の関係で使えていない。そのため、委託掲示板で初心者ツルハシを数本購入して、それを使っている。
最初の目的である金鉱石はまだ手に入れていないけど、重力石は複数手に入れている。残念ながらぽんぽん使える程は出ていないので、まだ鉱山の中に留まることになるだろう。
ログアウトに関しては、鉱山の近くに宿のある町があるのでそこを利用している。鉱山のために出来た町のようなのでギルドのような施設はないけれど、鉱山に行き続ける分には問題はない。それにイスタットの首都からそう遠いわけでもないし。
鉱山の中にはちらほらプレイヤーの姿が確認できる。大半のプレイヤーは黙々と作業を続けているので、こちらを気にしてくるような者はいない。ただ、気にしていないとは言え、周囲にプレイヤーが居るという状況が落ち着かないので、なるべくプレイヤーの数が少ないところで採掘を続けている。
カンカンと採掘の音が響く。たまにエネミーが出現することもあるので多少周辺への警戒はしっかりしている。
どうやら鉱山の入り口付近はRaやQuの低い鉱石ばかり出るようだ。その代わり奥に行けば行くほど度の高い鉱石が出やすい。
そのためなのか、多くのプレイヤーは入口付近ではなく無理をして奥に進む者も多いようだ。まあ、大半は奥の方で出現するLvの高いエネミーに倒されてしまうようだけど、そのエネミーを目的とするプレイヤーもいるらしい。理由は倒した際にドロップするアイテムらしいけど、情報が少ないのでよくはわからない。
もしかしたら【採掘】スキルを使用するよりもRaが高い鉱石が取れるのかも?
とりあえず、私の目標は重力石と金鉱石。なるべく数を集めたいところだけど、この分だと結構時間はかかりそう。
そろそろ熟練度が30%に到達しそうなので、インベントリの肥やしになりかけている中級ツルハシを使う時は近そうだ。
しかし、銀鉱石や金鉱石が出て来ないね。熟練度の関係とも考えたけど、委託にも流れていないことからして、もしかして今の場所では取れないアイテムなのかも。
ならもっと奥に行くべきなのだけど、エネミーの出現量が増えるのだよね。今の所ならダークランス1発で倒せるから問題は無いのだけど、採掘中に来ると厄介な存在でしかないし。すぐに戦える状態ではない上に、VITが高いエネミーばかりだからまともにダメージを与えられるのって、【闇魔法】か【影魔術】のシャドウニードルくらいだからなぁ。
【血魔法】は魔法ではあるのだけど、ダメージの計算がVITによるものみたいなのだよね。まあ、見た目的にもそうだけど。試しに坑道内にでるムーブロックとか言う如何にも岩っぽいエネミーに攻撃してみたらゴリっと耐久値が減ったし、一撃で倒せはしたけど。
む、また爆弾石か。これで何個目だろう?
そう思って新たに手に入れた爆弾石を入れるついでにインベントリの中を確認すると、587個とカウントされていた。
うわ。気にしないで適当にインベントリ入れていたのだけど、めっちゃある。
これでも何度か委託に流しているから、累計だと1000は軽く超える程度には手に入れている。さすがに多い。これなら委託に最安値で流されているのも納得。
あのワイバーン戦の後、少し需要が出たらしいけど、他にも採掘しているプレイヤーは居るのだから、焼け石に水どころか売れる量が新たに売りに出される量を上回っていないので、常に増え続けている状態だ。
委託に流しても売れないし、そのまま使う以外に使う当てがあればいいのだけど、それは前に確認したし。爆弾石のアイテム説明の通り、トラップみたいに使っているプレイヤーも居るみたいだけど、ダメージ微妙らしいし連鎖もしないって掲示板にあったな。
……爆発ねぇ。
確か銃の弾丸って薬莢の中にある火薬を爆発させて弾を飛ばすのだっけ? 銃とか武器カテゴリにあればそのための弾丸を作ることは出来そうだけど、爆弾石を元に作るとしたらダメージ微妙そう。
そもそも武器カテに銃ないし。あ、でも、新しく開放という可能性もある?
……うーん、とりあえず、爆弾石は放置で。ただ、その内、ちょっと弾丸が作れないか試してみようと思う。その時に思い出せれば、だけど。
まあ、当分は採掘を続けて行こう。
10
↓
私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する
↓
森の中でひっそりと生活しようとしたのだが
いつの間にかハーレムになっていた
フリースペースに別作品のリンクを貼ってみませんか?
↓
フリースペースに他の作品のリンクを貼りたいのだー!
お気に入りに追加
1,217
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
追い出された万能職に新しい人生が始まりました
東堂大稀(旧:To-do)
ファンタジー
「お前、クビな」
その一言で『万能職』の青年ロアは勇者パーティーから追い出された。
『万能職』は冒険者の最底辺職だ。
冒険者ギルドの区分では『万能職』と耳触りのいい呼び方をされているが、めったにそんな呼び方をしてもらえない職業だった。
『雑用係』『運び屋』『なんでも屋』『小間使い』『見習い』。
口汚い者たちなど『寄生虫」と呼んだり、あえて『万能様』と皮肉を効かせて呼んでいた。
要するにパーティーの戦闘以外の仕事をなんでもこなす、雑用専門の最下級職だった。
その底辺職を7年も勤めた彼は、追い出されたことによって新しい人生を始める……。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる