48 / 260
第1回イベント
33:ようやくJOBに就けた
しおりを挟む次はJOBの選択だね。いつの間にか選択可能JOBの一覧がボードに出ているけど、いつ出たのだろう。
『アナウンス
特定の条件を満たしたため称号(タイトル):【働かざる者】を獲得しました。
【働かざる者】
長時間JOBに就かず、ASも一切稼がなかった者に贈られる称号。貴方が使っているASは誰が稼いだものだ? 特別な事情がない限り自ら稼いだASで生活すべきである。
獲得方法:ゲーム内時間で100時間JOBに就かず、且つASを一切稼いでいない状態でJOBチェンジする。
効果:LVアップ時のステータスボーナスのSTP/SKPの取得量が半減する。ただし、取得後JOBに就くことで無効化される(この称号(タイトル)で転職可能になるJOB:ニートを除く)。JOB:ニートへの転職が可能となる。このJOBに就いた場合、住民からの評価が下がる。』
またアナウンス。今度は称号か。内容は…これどうなのだろう。私は好きでJOBに就かなかったわけじゃないのだけど、もうちょっと条件絞った方がいいんじゃないのかな。
効果は…うわぁ、最悪のやつじゃん。あ、JOBに就けば無効化するのか、よかった。と言うかJOB:ニートとかこれに就く人いないんじゃないかなぁ。
いろいろ思うところはあるけど、選択可能JOBの中から見習い錬金師を選択した。何か選択可能なJOBの中にレアJOBの一覧があったのだけど、どういう事なのだろう。一覧とは言ったけど、あったのはニートだけだった。とりあえずSSを取って保存しておこいて後で兄に見せてみようかな。
他に書き込むところは…なさそうかな。一旦これで渡そう。何か不備があったらそれについて言われるだろうし。そう考えて受付の人にボードを渡した。
「はい。預かりますね。確認しますのでちょっと待っててください。……問題はなさそうですが、種族はヴァンパイア(純血)で間違いないですか?」
「? はい」
何故そんなことを聞かれるのかと首を傾げながらそう返事をした。
「そうですか。と言うことは日光に弱いと言ったことがありますよね? だからこの時間に来られたのでしょうし」
「え、あ、はい」
「では、備考欄に日中の活動が困難と記入しておきましょう。程度はどのくらいでしょう。直ぐに倒れてしまう感じですか?」
「今だと10分くらいで倒れる感じ…です。影とか直接日の当たらない所に行けばもっと伸びますけど」
「あー、そういう感じですか。うーん、そうなると日中だと移動とかもほぼ出来ない感じですね」
確かに移動することも困難かぁ。ここに来るまで30分はかかったから日中じゃあ、ろくに移動できないな。
「フードとか被れば少しはマシになると思うんですが、そういうのって売ってますか?」
「売ってはいますが、ここでは売っていないので値段の方はわかりませんね。仮のギルドカードの方はこれで通しておきますね」
「あ、ありがとうございます」
「いえ」
受付の人はそういいながら何か機械のようなものに先ほど記入したボードを差し込んで機械を操作している。
売っているかと聞いたものの現在ASを一切持っていないことを思い出した。ASを稼ぐにはアイテムを売ればいいのだけど、今売ることは可能なのかな。
「よし、出来ました。これが貴方の仮ではありますがギルドカードになります」
受付の人はそう言って私にカードを差し出してきたので、それを受け取る。
「ありがとうございます。……あの、今ここでアイテムの買い取りってできますか?」
「可能ではありますが、仮のギルドカードでは買い取り額の半分が手数料として引かれてしまいます。依頼などの報酬金でしたらそのまま渡せますが、常設依頼以外は保証金がかかりますね」
「うぐ、そうですか」
「…もしかして、ASないのですか?」
「う、そ…う…デス」
「あー、そういった場合は常設依頼を受けてもらうのがよいのですが、時間的にそろそろ日が昇りますし厳しいですよね」
「そう…あ」
そういえばあのネズミのしっぽって確か常設依頼のアイテムだった気が。
「あの、ビッグラットの常設依頼って…ありますか?」
「ビッグラットの…ですか? 常設の方にあった気がしますが、ちょっと待ってくださいね」
そう言って受付の人は何か紙がたくさん貼られているボードの方に行き、それを全体に確認してから、そこから1枚紙を剥がすとこちらに戻って来た。
「ありました。これですね。ビッグラットの討伐依頼です。討伐確認用のしっぽがあれば依頼は完了できますが、お持ちですか?」
「あ、大丈夫です。あります」
私はそう言って、インベントリからビッグラットのしっぽをすべて取り出した。
「え、おお。…あ、いえ。数を確認しますね。ええと…こちらがビッグラット(小)のしっぽで、こっちがビッグラットのしっぽ…ですね」
受付の人は出されたものを確認しながら、しっぽを箱の中にしまっていく。数を数えながら入れている感じではないので、もしかしたらあの箱に入れるとインベントリに入れた時みたいに数が表示されるのかもしれない。
「確認が終わりました。えっと、ビッグラット(小)のしっぽが573本、ビッグラットのしっぽが56本ですね。ビッグラット(小)の依頼の方は10本で、ビッグラットのしっぽは5本で依頼は完了できますが、それ以外は追加として換算しますか? 一応別依頼として扱うこともできますが」
「どういう…ことですか?」
「あ、えっと、この依頼はビッグラット(小)のしっぽ10本、もしくはビッグラットのしっぽ5本で依頼を完了することが出来ます。ですが完了可能数以上に持ってこられた場合は依頼で得られるASより20%ほど高い値段で受け取っているのです。ビッグラット(小)の場合は依頼だと1本5ASですが、追加分は6ASでの買取となります。ビッグラットは20ASが24ASと言う形になります。
別依頼と言うのは例えばビッグラット(小)の討伐依頼を連続で受けるといった形でしょうか。追加分扱いではないので支払われるASの合計は依頼を受けた回数分になります。当然、追加分で買い取ってもらうよりも受け取れるAS低くなります。ですが依頼を受けた回数はギルドカードに記載され、それがギルド貢献ポイントになりますので長い目で見ればこちらの方がお得とも取れます」
「貢献ポイント?」
ギルド貢献ポイントとは何だろうか。溜めると何か特典か何かがある? 説明を聞いた限り、ASが欲しいなら追加分で買い取ってもらって、後々得をしたいなら別依頼として処理した方が良いってことなのだろうけど。
「あ、その辺の説明もまだしていませんでしたね。ギルド貢献ポイントは文字通り総合ギルドにどのくらい貢献しているかを計るものになります。このポイントはあちらのボードに貼られている依頼を達成したり一定以上のアイテムを納品したりする等によって得ることが出来ます。このポイントを溜めることで総合ギルドの施設の利用許可が下りたり、総合取引の手数料などの割引が受けられるようになります。
総合取引に関しては仮のギルドカードでは使用はできませんが、異邦人専用の専用委託取引と住民も利用する総合委託取引があります。どちらも委託手数料として販売額の10%を総合ギルドに支払う形となっています。手数料は先ほど言った通り貢献ポイントによって減額されていきますので、頻繁に総合取引を使用する場合は別依頼として処理した方がよいかと思います」
なるほど。確かに10%とはいえ金額が上がっていけばそれだけ損をしていくことになるのだから、少額のために依頼数を減らすよりは別依頼と処理して、ポイントを稼いだ方が最終的には得をすると。
「わかりました。別依頼として進めてください」
「了解しました。では、ビッグラット討伐依頼はビッグラット(小)のしっぽが573本、ビッグラットのしっぽが56本ですので、68回分依頼を達成したことになります。余った分は追加分で処理しますか?」
「あ、それでお願いします」
今後またあのネズミを倒す予定はないし、出来ればインベントリの中にしまっておきたくもないので使い分で処理してもらった方がありがたい。
「了解しました。ではビッグラット(小)で57回分2850ASと追加分の18AS。ビッグラットで11回分1100ASと追加分が24ASで、合計は3992ASになります」
おお、一気に4000AS近く溜まるとは。最初から結構うざいと思っていたけどあのネズミたちさまさまだ。後半は八つ当たりに近くなっていたけど、もっと倒しておくべきだったかなぁ。
「こちらが依頼の支払額となりますが、すべてお持ちになられますか? こちらで預かることもできますが。もちろん預けるのも引き出すのも手数料は掛かりませんよ?」
むう。確かに全額持っているのは不安だ。特に私は日中外にいると死ぬリスクは高いのだからすべて持っているのは危ないかもしれない。なら、半分くらい預けていた方が安心な気がする。
「あ、じゃあ2000ASは預けておきます。それで大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。では2000ASはこちらで預かっておきます。でこちらが残りの1992ASになります」
「ありがとうございます」
受け取ったASをインベントリにしまう。そういえばインベントリに入れたASはアイテム扱いされずに別の所に入るけどどういう仕組み何だろうか。まったく関係ないことだけど少し気になる。
「さて、取り敢えず今進められる部分は進めましたのでチュートリアルに関しては10時ごろまたここに来ていただければ先に進めることが出来ます。その場合は仮のギルドカードを提示していただければ私が担当でなくても理解できると思います。ではこの後どうしますか? ここで時間まで持っていることも可能ですけど、…あ、それよりも異邦人の方ですし中央広場の噴水に行って場所の更新をした方がいいかもしれませんね。ここからだと片道15分ほどの場所にありますけど、今から行けば完全に日が昇る前には戻ってこれると思いますし、どうしますか? 行かれるようでしたら地図に場所を記載させてもらいますが」
ああ! そういえばまだリスポーンポイント更新していないから、今死に戻ったらまた初期地点からになる!? ダメだ、それだけは避けないと。
「お、お願いします」
そうして受付の人に中央広場の噴水の位置を教えてもらって、すぐに走ってリスポーンポイントの更新をしに行った。
32
↓
私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する
↓
森の中でひっそりと生活しようとしたのだが
いつの間にかハーレムになっていた
フリースペースに別作品のリンクを貼ってみませんか?
↓
フリースペースに他の作品のリンクを貼りたいのだー!
お気に入りに追加
1,217
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢、資産運用で学園を掌握する 〜王太子?興味ない、私は経済で無双する〜
言諮 アイ
ファンタジー
異世界貴族社会の名門・ローデリア学園。そこに通う公爵令嬢リリアーナは、婚約者である王太子エドワルドから一方的に婚約破棄を宣言される。理由は「平民の聖女をいじめた悪役だから」?——はっ、笑わせないで。
しかし、リリアーナには王太子も知らない"切り札"があった。
それは、前世の知識を活かした「資産運用」。株式、事業投資、不動産売買……全てを駆使し、わずか数日で貴族社会の経済を掌握する。
「王太子?聖女?その程度の茶番に構っている暇はないわ。私は"資産"でこの学園を支配するのだから。」
破滅フラグ?なら経済で粉砕するだけ。
気づけば、学園も貴族もすべてが彼女の手中に——。
「お前は……一体何者だ?」と動揺する王太子に、リリアーナは微笑む。
「私はただの投資家よ。負けたくないなら……資本主義のルールを学びなさい。」
学園を舞台に繰り広げられる異世界経済バトルロマンス!
"悪役令嬢"、ここに爆誕!

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。


忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。

魔物が棲む森に捨てられた私を拾ったのは、私を捨てた王子がいる国の騎士様だった件について。
imu
ファンタジー
病院の帰り道、歩くのもやっとな状態の私、花宮 凛羽 21歳。
今にも倒れそうな体に鞭を打ち、家まで15分の道を歩いていた。
あぁ、タクシーにすればよかったと、後悔し始めた時。
「—っ⁉︎」
私の体は、眩い光に包まれた。
次に目覚めた時、そこは、
「どこ…、ここ……。」
何故かずぶ濡れな私と、きらびやかな人達がいる世界でした。


間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる