26 / 254
チュートリアルを受けたい
15:グネズミー討伐
しおりを挟むまずい、もしかしたらネズミ(大)がしていたように回復しているかもしれない。直ぐに【感知】を使い、グネズミーのいる位置を確認する。え、後ろに居るっ!? まずっうぐっ!
咄嗟に身を横にずらして攻撃を躱そうとしたけど、背中にグネズミーの突進が当たってしまった。受けたダメージは25。ぎりぎりで回避行動を取っていたからクリーンヒットにはならなかったようだけど、掠った時のダメージを考えると少ない。
また隠れられないように直ぐにグネズミーを視界に収める。すると、そこには先ほどとは違う土を纏っていないグネズミーの姿があった。
なるほど、さっきのあれはVITを下げてAGIを上げるような技だったという事ね。それに纏っていた土を捨てた分体が軽くなって突進のダメージが減ったと。私の残りのHPは22。今みたいにまともに攻撃を食らうと多分耐えきれない。MPはダークランス3発、放てる分は残っているから問題ないけど、この感じだと倒すのは難しいかもしれない。
グネズミーの突進をさっきとは違いギリギリで躱しながら、ナイフを当てていく。土の鎧的な物がなくなったことでナイフでも多少ダメージが与えられるようになったけど、やはり【闇魔術】の方がダメージはいい。
「ダークボール」
CTとMP消費量の少ないダークボールで牽制兼攻撃を加えていく。やっとグネズミーのHPは20%を切った。さっき纏っていた土を吹き飛ばしてステータスが変わるような技をしたし、HPもBOSS扱いにしては低いから、10%切った時には特殊行動をしないかもしれない。まあ念を入れて10%切りそうになったらダークランスはチャージしておくけど。
突進を回避して横を通り過ぎていくグネズミーにナイフを当てる。おそらくこれで10%は切るはず。
特殊行動は…? グネズミーが床に転がったまま動かない。今まで同じように攻撃してもこうはならなかった。これが特殊行動なのだろうか。…ん? あ、HPバーが少し増えてる! 回復行動!? ここに来て回復とは、すぐさまダークランスを放つ。さらにダークボールをチャージして終わり次第すぐに放つ。
「ヂュオオッ!?」
回復行動中に2連続で攻撃を当てられたグネズミーは大きく後退した。おかしい、残り10%くらいで【闇魔術】のスキルを2連続で攻撃したのにHPが全損していない? まさかHP1残るスキル持ってたの!?
「ヂュガアアアッ!!」
そう思うと同時にグネズミーは最後の意地とばかりに私に向かって高速で突進を仕掛けてきた。とはいえ、多少早くなったくらいでは何度も突進を躱してきているので、さすがに不意を突かれない限り当たることはない。慌てず躱しつつナイフを当てた。
「チュオオォォ…」
グネズミーはナイフが当たったことでHPが全損し、上手く着地することも出来ず床に重い音を立てて落ち、ポリゴンになって消えていった。
『アナウンス
はじめてネームドモンスターを討伐しました。
討伐したネームドモンスター[土纏のグネズミーLV12]の等級に応じてSTP/SKP、アイテムが支給されます。
獲得:STP/SKP:2/1 ルビーとサファイアの指輪(劣)』
≪ワールドアナウンス
はじめてネームドモンスターを討伐したプレイヤーが現れました。
ネームドモンスターはエリアの特定フィールドに存在しています。気になるプレイヤーの皆さんは探してみてください。ネームドモンスターは同フィールドにいるモンスターに比べ強力なステータスやスキルを所持しています。探される場合は注意してください。ネームドモンスターについての基本情報がヘルプに更新されました≫
『アナウンス
条件を満たしたため、称号(タイトル):【ネズミスレイヤー】を獲得しました。
【ネズミスレイヤー】
短期間に多くのネズミ系モンスターを討伐した者に贈られる称号(タイトル)
貴方は短期間でネズミを多く屠った。それによりネズミに天敵と見なされた。
獲得方法:ゲーム内2時間以内にネズミ系モンスターを300匹討伐。もしくは特定のネズミ系モンスター討伐時に確率で獲得。
効果:ネズミ系の獣及びモンスターに対して与ダメージが10%増加する。
アナウンス
プレイヤーの中で初めてネームドモンスターを討伐しました。それにより称号(タイトル):【ネームドモンスターの初討伐者】を獲得しました。
【ネームドモンスターの初討伐者】
ネームドモンスターをプレイヤーの中で初めて討伐した者に贈られる称号(タイトル)。特別な効果はないが、初めてネームドモンスターを討伐したことを称える記念称号。
貴方は誰よりも早く通常よりも困難な敵に立ち向かい相応の成果を上げた。おめでとう!!
獲得方法:プレイヤーの中で初めてネームドモンスターを討伐する』
…おおう。一気にアナウンスが…、なんか称号も来たし。いや、ワールドアナウンスって何さ。あ、LVもあがってる。あれ、なんか床にアイテムが落ちてる?
とりあえず落ちているアイテムを拾ってみる。
[(アイテム)グネズミーの泥 Ra:Uc Qu:C SAS:800]
グネズミーが纏っていた土。使用用途は限られるが、畑などに使用すると土壌の質が向上する場合がある。
[(アイテム)グネズミーの皮 Ra:Uc Qu:D SAS:300]
グネズミーの大き目な皮。通常のネズミサイズでは皮を使用するほど面積は取れないが、グネズミーほどの大きさになれば話は変わる。特段強い皮ではないが使用できる用途はある。
ああ、あの土か。後皮はどうすればいいのか。それに、今まで勝手にインベントリに入っていたのは何故。何か違いでもあるのだろうか。…確定ドロップと確率ドロップ? なにか違う気がする。討伐確認用アイテムだからかなぁ。兄なら知っているかもしれないから後で聞けばいいか。
他には落ちてないか確認しないと。あ、何個か落ちてる。戦っている時は気付かなかった。それとも戦闘中はドロップしない? これは、泥、ビッグラットの皮か。売れば多少ASになるみたいだし、とりあえず回収していく。
一通り部屋の中は確認した。目ぼしい物はなかったけど、もうここには来ることはないと思うから、念を入れて確認した。他のネズミが戻ってくる前に部屋を出て棺桶の部屋に戻ろう。そしてステータスの確認をして、一旦ログアウトかな。
棺桶の部屋に戻ったのでステータスの確認をする。
『ステータス
NAME:アユ
RACE:ヴァンパイア(純血)
LV:7/30
JOB:なし
BC(Belonging Country:所属国):なし
HP:220(0)(0) +60
MP:270(0)(0) +80
STR:33(1) +12+2
VIT:27(2) +10+1
INT:48(0) +11+9
MND:35(0) +8+7
AGI:26(1) +10+1
DEX:26(0) +3+5
LUK:19(2) +2
STP/SKP:6/7
*二つ目の+はスキルによる上昇分
装備
メイン武器:初心者のナイフSTR+1
サブ武器:なし
生産装備:なし
頭:なし
胴:初心者の服VIT+2
腕:なし
腰:初心者の服
脚:初心者の靴AGI+1
アクセサリー(3):幸運の腕輪(劣)LUK+2
スキル
戦闘:短剣術13% 血魔術31% 闇魔術34% 毒魔術23%
補助:血統魔法9% 身体能力向上(微)8% HP自動回復(微)2%
生産:錬金0% 調合0%
その他:日光脆弱29% 生活魔法0% 鑑定1% 感知3%
称号(タイトル)
【世界の不思議を初めて発見した者】【ゾンビアタック】【ネームドモンスターの初討伐者】【ネズミスレイヤー】
所持金:0AS(アス)』
使ったスキルの熟練度が上がってる。【短剣術】が10%を超えている。あ、[スラッシュ]とか言うスキル覚えてる。あれ、これ熟練度見るとグネズミーと戦っている時に使えたんじゃ。もしかしてこれ使えばもっと楽に倒せたのでは?
【短剣術】
短剣をうまく使用するためのスキル。このスキルは短剣を使用する基本的な能力を有することを証明するもの。このスキルは複数の上位スキルに派生する剣を扱う中で最も基本的なものである。適応武器種:ナイフ・短剣・鉈剣・細剣
10%[スラッシュ]通常より強力な斬撃を放つスキル。通常の攻撃に比べ150%ほどの威力の攻撃を放つことが出来る。このスキルを使用した場合スキル使用後に硬直時間が発生する。硬直時間はスキルの熟練度により変動する。ただし、0になることはない。CT/CT:0.5s/15s 硬直時間:1s(攻撃を外した場合:3s)
あ…いや、変わらなかったかも。そもそもこれだと硬直時間が怖くて使わなかった可能性が高いし。
ステータスが大分上がった。とりあえずSTPを振っておく。LUKに4、AGIとDEXに1ずつ振る。スキルは…どうしよう。これから森の中に入るから、なんかいい感じのやつはないだろうか。そういえば【採取】とかあった方がいいのでは? 取得にSKP1だし、想定外にグネズミーでSKP手に入ったから取得してもいいかも。
【影魔術】はどうしよう、多少余裕があることはあるし熟練度上げもあるから早めに取得しておいた方がいいんだよね。あ、後【隠蔽】も取得するべきか。前に森入った時は何かに気付かれて背後から攻撃されたのだろうし、気付かれ難くなるのは有効だと思う。けどSKP2か…、取得したら残り3になるのは……。いや、先行投資として3つとも取得しておこう。結局後になって取るなら、先に取った方が熟練度も稼げるだろうし、うん、そうしよう。
さて、ステータスの確認とかが終わった。HPが大分低い状態だしどうしよう。今更だけどLV5以上になっているから、デスペナルティが出るようになったんだよね。ペナルティはそんなに重いわけじゃないけどどうしよう。時間が半端だからログアウトするのもなんかもったいないし。MPは…一応100は超えているのか。さっき取得した【影魔術】でも使って熟練度上げるのでいいか。
≪ワールドアナウンス
エリアBOSSが初討伐されました。
ウエストリア-サウリスタ間のエリアBOSS【閃光のサンライズシープ】がエンカッセ・ふともも・ぎーん・フェルキン・他2名のパーティーによって初討伐されました。
通常、エリアBOSSを討伐しない限り、エリア間の行き来はできません。エリアBOSSを討伐せずエリア間を移動しようとした場合、妨害モンスターが出現し対象のプレイヤーを討伐するまで消えることはありません。
エリアBOSSの基本情報についてのヘルプが更新されました≫
……ふともも? え、ああ別のプレイヤーか。また何か出たのかと思った。エリアBOSS…、兄がなんか強くて倒せないとか言っていた羊かな、シープだし。まあ、私にはあまり関係ない事か。【影魔術】の熟練度上げよう。
10
お気に入りに追加
1,208
あなたにおすすめの小説
女尊男卑 ~女性ばかりが強いこの世界で、持たざる男が天を穿つ~
イノセス
ファンタジー
手から炎を出すパイロキネシス。一瞬で長距離を移動するテレポート。人や物の記憶を読むサイコメトリー。
そんな超能力と呼ばれる能力を、誰しも1つだけ授かった現代。その日本の片田舎に、主人公は転生しました。
転生してすぐに、この世界の異常さに驚きます。それは、女性ばかりが強力な超能力を授かり、男性は性能も威力も弱かったからです。
男の子として生まれた主人公も、授かった超能力は最低最弱と呼ばれる物でした。
しかし、彼は諦めません。最弱の能力と呼ばれようと、何とか使いこなそうと努力します。努力して工夫して、時に負けて、彼は己の能力をひたすら磨き続けます。
全ては、この世界の異常を直すため。
彼は己の限界すら突破して、この世界の壁を貫くため、今日も盾を回し続けます。
※小説家になろう にも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」
最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職
鎌霧
ファンタジー
『To The World Road』
倍率300倍の新作フルダイブ系VRMMOの初回抽選に当たり、意気揚々と休暇を取りβテストの情報を駆使して快適に過ごそうと思っていた。
……のだが、蓋をひらけば選択した職業は調整入りまくりで超難易度不遇職として立派に転生していた。
しかしそこでキャラ作り直すのは負けた気がするし、不遇だからこそ使うのがゲーマーと言うもの。
意地とプライドと一つまみの反骨精神で私はこのゲームを楽しんでいく。
小説家になろう、カクヨムにも掲載
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる