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14:ネームドモンスター・グネズミー
しおりを挟む『アナウンス
ネームドモンスターと初めて遭遇しました。ネームドモンスターについて、ヘルプが更新されました。詳しくはヘルプを確認してください』
え、アナウンス? ネームドモンスター……なるほど、と言うことは、あれは元ビッグラットで何らかの変異をして名前が変わったとかそんなのか。
しかしHPが高い。さすがにこれは、あ、属性が土になってる? 属性が闇じゃないから【闇魔術】効くんじゃないのこれ。
ダークランスのチャージを開始しておく。
グネズミーは他のネズミと違って素早く動けないのか、ゆっくりではないけど十分対処できる速度でこちらに走ってくる。
「ヂュガアアァアア!!」
いきなり止まったと思ったら、何の事前動作なくグネズミーが飛び掛かってきた。3メートル程距離があったからギリギリ躱すことが出来た。他のネズミに比べて2周り位大きいからその分攻撃範囲も大きくなる。うわっ、なんか飛んできた、って土? ああ、土纏だから体に土がついていると。ダメージは無いようだけど、なんか嫌だからすぐに土を払う。状態異常もなってないから、攻撃判定のものではないようだ。ただの嫌がらせかな。ああ、でも目に入ったりすると視界を塞がれるとか、ノックバックみたいになるのかも。
「ダークランス」
飛び掛かった後、床に着地したグネズミーがこっちに振り向く前に攻撃を加える。攻撃が当たったことでグネズミーのHPバーが減少したが、見たとこ10%は行っていない。ダークランスは私の中で1番威力のある攻撃なんだけど、いやLVが倍の敵に10%近くダメージを与えたと考えれば結構与えている?
振り向きざまに攻撃されたグネズミーは一瞬怯んだのか動きが止まり、その後すぐに横に走り出し近くにあった瓦礫の影に隠れた。
「ポイズンミスト」
グネズミーが隠れた瓦礫の近くにポイズンミストを発生させ、瓦礫の向こうに移動させる。すると直ぐにグネズミーが瓦礫を飛び越えて突進して来た。それを大きく距離を取るように躱し、ポイズンミストをグネズミーに接触させる。この段階でグネズミーの微毒のスタック値は1。ネズミ(大)の段階で大分スタック値が溜まらなくなっていたのでこうなるとは思っていたけど、グネズミーに【毒魔術】は使わない方がいいかもしれない。
また、グネズミーが突進して来たので躱す。ついでにナイフで攻撃。え、硬っ。他のネズミはすんなり切れたり、刺せたりしたのに当たった感触が砂にシャベルを当てた重たい感じだった。あの土って嫌がらせじゃなくて、土の鎧ってことなのか。ダメージもほとんど入ってないようだし。
ただ、どうやらグネズミーの攻撃は他のネズミと同じなのか突進しかしてこない。まあ、ネズミに他の技があるとすれば齧るくらいしか思いつかないので、変ではないのだけど。
突進して来たグネズミーを躱して、チャージしていたダークランスを放つ。MPはまだ50くらい残っているけど、グネズミーのHPは20%くらいしか減っていないので、スキルの使う間隔を伸ばす。
躱してナイフでちまちま攻撃してダメージを稼ぐ。今のところ順調に進んでいるけど、問題はHPが50%を切った時、グネズミーがどう動くか。
グネズミーはBOSS扱いではないようだけど、この部屋にいたネズミの長のような立ち位置だった。そういう数多くの仲間を従える立場のモンスターは大体HPが一定値以下になるとする行動がある。そう、仲間を呼ぶ、だ。
はっきり言ってこの状況でなくても数で攻められたら、今の私では勝ち目はない。
LVが上がってHPが増えても一度にさばける敵の数には限界がある。そもそも私は【毒魔術】を除けば対単体用のスキルしかない。なので、BOSSモンスターがよく特殊行動を起こすタイミングであるHPが50%・30%・10%を下回るタイミングは気をつけないといけない。
ナイフで少しずつ削ってようやくグネズミーのHPが4分の3になった。突進を躱しながらナイフを当ててダメージを稼ぎつつ、ダークランスをチャージする。よく考えてみるとこれ、耐久値のない初心者のナイフじゃなかったらとっくに耐久値なくなってるのでは? グネズミーにナイフ当てる度に普通より耐久値減っているような感覚だし。
隙を見てダークランスを放つ。こっちの攻撃が攪乱の積もりなのかグネズミーは部屋の中を素早く動きつづける。ここまでグネズミーから受けた攻撃は、体当たりからの素早い切り替えしで突進して来たのを躱しきれなくて足に掠った1回だけだ。ただ、その1回で12もダメージを受けたので、まともに突進を食らったら死なないまでも相当追い込まれることになる。それ以来、躱すとき必要以上に距離を取っているので攻撃の回数が減ってしまい、あまりダメージを稼げていない。
「ポイズンミスト」
ダメージが稼げないのはまずいので微毒状態にして、少しでもダメージを稼ぐ。グネズミーは状態異常になっても基本的に行動は変わらないのか、先ほどまでと変わらず部屋の中を駆け回りこちらの隙を見て突進してくる。
そろそろグネズミーのHPが50%を切りそうだ。ダメージを稼ぎつつ、ダークランスをチャージしておく。何度かナイフで攻撃していると、グネズミーが突然距離を取った。そして、こっちを向いて何らかの溜めの動作をする。あ、特殊行動、攻撃!
「ダークランス!」
「ヂュオッ!?」
グネズミーの行動はキャンセル出来たようだ。攻撃が当たる前に声を上げていたので、事前にチャージしてなかったら間に合わなかった。おそらくやろうとしたのは仲間を呼ぶ系の何かだと思うけど、念のために【感知】を使っておく。周りには何も出てきていないようだ。
グネズミーは特殊行動をキャンセルされたからか、大きな反応を見せた後こっちにお腹を向けて倒れている。その隙にCTの少ないダークボールを放って攻撃する。放ったダークボールはグネズミーのお腹に当り、ダークランス並みのダメージを与えた。やはり、ネズミはお腹が弱点なのかもしれない。これならダークランスをと思ったけど、CTが解けるまでグネズミーが倒れているとも思えないし、実際ダークボールを当てて直ぐに起き上がったから間に合わなかったはず。
グネズミーのHPは行動キャンセルで食らったダークランスとその後のダークボールで30%近くまで減少している。下手に攻撃するとすぐ30%を切りそうだ。ダークランスのCTはまだ解けていないので慎重に攻撃して時間を稼ぐ。CTが明けたらすぐにダークランスをチャージする。
ナイフで攻撃しているとグネズミーはさっきと同じように私から距離を取ってための動作を行い始めた。それを見てダークランスを放つ。
「ヂュバッァ!」
ダークランスが当たる直前にグネズミーがいきなり爆発したような感じで、纏っていた土を周囲に飛ばした。えっ、そう来るの!? 咄嗟に腕で顔を守ったけどその所為で一瞬視界が悪くなった。あっ、グネズミー見失った!?
一瞬視界を遮った隙にグネズミーは瓦礫の影に隠れたのか、姿が見えなくなっていた。
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私はかわいいテイムモンスターたちに囲まれてゲームの世界を堪能する
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