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妹は姉の婚約者が欲しい
受け入れ許可 ※アレス視点
しおりを挟む「なるほど、あちらの状況がいまいち把握できないが、このような手紙が突然届くとなると、あまりいい状態だとは思えないな」
訓練場から屋敷に戻った後すぐに父上との面会を申し込み、入室の許可が出ると同時に父上の執務室に乗り込んだ。そしてレミリアから受け取った手紙を渡し、その内容を確認しそう言うと父上は何か考え込むように顎を触った。
「確か今日はガーレット国の第2王子の婚約者発表の日だったはずだな」
「そうなのですか?」
さすがに他国の情報はあまり知らない。次期当主として執務をしている兄上であれば把握しているのかもしれないが、次男である俺には他国の国勢に関する情報はあまり入って来ない。
「一応、我が家の密偵もガーレット国の王都に潜伏させている。今日の内にそれに関する詳しい情報は入って来るだろう」
アレンシア王国に属している我が家がガーレット国へ密偵を忍ばせているのは別におかしくはない。我が家は爵位にもある通りアレンシア王国の辺境に位置しているため、むしろガーレット国の首都の方がアレンシア王国の王都よりも近いのだ。
それに辺境伯は王から直接近隣の監視を求められている。それは魔物だけではなく国も該当する。
「判断するのはそれからですか?」
「いや、こちらに避難して来る分には問題ないだろう。保護するかどうかは情報が入り、本人から話を聞いてからだな。それに、ここへ来るかどうか、ましてや来ることが出来るのかは現段階では未確定だ。正式な決断は出来ない」
来ることが出来るかどうか、か。たしかに、レミリアの立場はガーレット国の中でも高かったはずだ。易々と国外に出ることが出来るかどうかはわからない。
とは言え、ここへ来る許可は得られた訳だ。
「わかりました。ではそのように返事を送っても大丈夫ですか?」
「ああ」
父上の返答からして手紙の返事として書く内容は、『受け入れは拒否しない。今後の経過によって対応を決める』程度だろうな。
レミリアからしても悪くはない返事のはずだ。保護するかどうかが決めっていない所が不安要素ではあるが、受け入れを拒否していないのだから問題はないだろう。
そうして俺は小鳥の伝書鳥の脚に括り付けられる大きさの紙に、先ほど得た返事を書き、伝書鳥を使いレミリアの元へ送った。
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