25 / 72
国を出ましょう
過去の出来事
しおりを挟む
5年前、ガーレット国では国の存続を脅かす大事件が起こりました。
事の始まりは国王が急逝し、新しく若い後継者が国王の座に就いたことです。
元より次期国王として教育を受けていた新しい国王でしたが、実績が乏しい者では国の上に立つには不十分だと、一部の上位貴族たちが難色を示したのです。
そのため、国の上に立つに十分な実績を作るため、国内の僻地にある魔物が巣食うエリアへ討伐の遠征に向かいました。
当時はスタンピードの予兆が確認され、普段からスタンピードが起きてもそれほど苦戦するような場所ではない、という事でちょうど良い実績作り、また、比較的に安全と判断され、新国王の参加が許可されたのです。
そして、国で有数と言われるほどに回復魔法を使えるという事で、お母さまもその進軍に同行することになったのです。元より、軍の遠征に回復士として随伴することが多かったのも選ばれた理由でした。
まあ、このように国境門にも影響が出ているのでわかるでしょうけれど、結果は失敗。しかも新国王を失うという、失敗どころではない大問題が起きたのです。
何時もなら小型の魔物や中型の魔物しか出て来ないはずの魔物が巣食う森から次々と大型の魔物が現れ、最後にはドラゴンが姿を見せたのです。
国王が参加していたことにより、どうにか大型の魔物を相手取るのが可能な戦力はあったのですが、ドラゴンの襲撃は予想していなかったため、軍は半壊。最後尾で指揮を執る形となっていた国王の元までドラゴンが到達してしまいました。
そしてドラゴンは国王を殺し、その近くに居た者たちも全て亡き者にしたのです。その近くに居た者の中にはお母さまも含まれていました。
だからでしょうね。アレスが言い淀んだのは。
そして、短期間に、しかも立て続けに国王を失ったガーレット国は大混乱に陥りました。
しかも、すぐに王位に立っても問題ないと言える人材が居なかったのです。
一応、新国王の弟が王の補佐役として就任していましたので、その方を新たな国王として立てることは出来ました。ですが、元より補佐をするための教育しかされておらず、王としての知識が殆どなかったのです。
そのため、今国王として立っている前国王の弟様は中継ぎの国王として執務を引き継ぎました。
そして、元より次期国王として目され、教育されていた前国王の長男である王太子が、近く国王の座に就くことになる予定なのです。
その王太子様は現在20歳。まだ国王を継ぐには早いと言われていますけれど、既に王としての執務の一部を請け負っているらしいので、次期国王として貴族間ではとても期待されているようです。
まあ、そういう感じでここ数年、国王に関する問題と遠征の時に失った軍力の補充、遠征に行くように仕向けた貴族たちへの責任の追及で手一杯だったため、他の近隣国よりも関係が良好であるアレンシア王国との国境門の人員については、後回しにされていたという事なのでしょう。
アレスたちがガーレット国内に居た盗賊を捕獲していたのもこれの影響でしょうね。人数を見た限り、盗賊を捕まえに行けるほど人員の余裕はなさそうですから。
事の始まりは国王が急逝し、新しく若い後継者が国王の座に就いたことです。
元より次期国王として教育を受けていた新しい国王でしたが、実績が乏しい者では国の上に立つには不十分だと、一部の上位貴族たちが難色を示したのです。
そのため、国の上に立つに十分な実績を作るため、国内の僻地にある魔物が巣食うエリアへ討伐の遠征に向かいました。
当時はスタンピードの予兆が確認され、普段からスタンピードが起きてもそれほど苦戦するような場所ではない、という事でちょうど良い実績作り、また、比較的に安全と判断され、新国王の参加が許可されたのです。
そして、国で有数と言われるほどに回復魔法を使えるという事で、お母さまもその進軍に同行することになったのです。元より、軍の遠征に回復士として随伴することが多かったのも選ばれた理由でした。
まあ、このように国境門にも影響が出ているのでわかるでしょうけれど、結果は失敗。しかも新国王を失うという、失敗どころではない大問題が起きたのです。
何時もなら小型の魔物や中型の魔物しか出て来ないはずの魔物が巣食う森から次々と大型の魔物が現れ、最後にはドラゴンが姿を見せたのです。
国王が参加していたことにより、どうにか大型の魔物を相手取るのが可能な戦力はあったのですが、ドラゴンの襲撃は予想していなかったため、軍は半壊。最後尾で指揮を執る形となっていた国王の元までドラゴンが到達してしまいました。
そしてドラゴンは国王を殺し、その近くに居た者たちも全て亡き者にしたのです。その近くに居た者の中にはお母さまも含まれていました。
だからでしょうね。アレスが言い淀んだのは。
そして、短期間に、しかも立て続けに国王を失ったガーレット国は大混乱に陥りました。
しかも、すぐに王位に立っても問題ないと言える人材が居なかったのです。
一応、新国王の弟が王の補佐役として就任していましたので、その方を新たな国王として立てることは出来ました。ですが、元より補佐をするための教育しかされておらず、王としての知識が殆どなかったのです。
そのため、今国王として立っている前国王の弟様は中継ぎの国王として執務を引き継ぎました。
そして、元より次期国王として目され、教育されていた前国王の長男である王太子が、近く国王の座に就くことになる予定なのです。
その王太子様は現在20歳。まだ国王を継ぐには早いと言われていますけれど、既に王としての執務の一部を請け負っているらしいので、次期国王として貴族間ではとても期待されているようです。
まあ、そういう感じでここ数年、国王に関する問題と遠征の時に失った軍力の補充、遠征に行くように仕向けた貴族たちへの責任の追及で手一杯だったため、他の近隣国よりも関係が良好であるアレンシア王国との国境門の人員については、後回しにされていたという事なのでしょう。
アレスたちがガーレット国内に居た盗賊を捕獲していたのもこれの影響でしょうね。人数を見た限り、盗賊を捕まえに行けるほど人員の余裕はなさそうですから。
24
お気に入りに追加
852
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
記憶喪失を理由に婚約破棄を言い渡されるけど、何も問題ありませんでした
天宮有
恋愛
記憶喪失となった私は、伯爵令嬢のルクルらしい。
私は何も思い出せず、前とは違う言動をとっているようだ。
それを理由に婚約者と聞いているエドガーから、婚約破棄を言い渡されてしまう。
エドガーが不快だったから婚約破棄できてよかったと思っていたら、ユアンと名乗る美少年がやってくる。
ユアンは私の友人のようで、エドガーと婚約を破棄したのなら支えたいと提案してくれた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄された私の結婚相手は殿下限定!?
satomi
恋愛
私は公爵家の末っ子です。お兄様にもお姉さまにも可愛がられて育ちました。我儘っこじゃありません!
ある日、いきなり「真実の愛を見つけた」と婚約破棄されました。
憤慨したのが、お兄様とお姉さまです。
お兄様は今にも突撃しそうだったし、お姉さまは家門を潰そうと画策しているようです。
しかし、2人の議論は私の結婚相手に!お兄様はイケメンなので、イケメンを見て育った私は、かなりのメンクイです。
お姉さまはすごく賢くそのように賢い人でないと私は魅力を感じません。
婚約破棄されても痛くもかゆくもなかったのです。イケメンでもなければ、かしこくもなかったから。
そんなお兄様とお姉さまが導き出した私の結婚相手が殿下。
いきなりビックネーム過ぎませんか?
王太子に婚約破棄言い渡された公爵令嬢は、その場で処刑されそうです。
克全
恋愛
8話1万0357文字で完結済みです。
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に投稿しています。
コーンウォリス公爵家に令嬢ルイ―ザは、王国の実権を握ろうとするロビンソン辺境伯家当主フランシスに操られる、王太子ルークのよって絶体絶命の危機に陥っていました。宰相を務める父上はもちろん、有能で忠誠心の豊かな有力貴族達が全員紛争国との調停に送られていました。万座の席で露骨な言い掛かりで付けられ、婚約を破棄されたばかりか人質にまでされそうになったルイ―ザ嬢は、命懸けで名誉を守る決意をしたのです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄?ああ、どうぞご自由に。
柚木ゆきこ
恋愛
公爵家子息により急に始まる婚約破棄宣言。その宣言を突きつけた令嬢は婚約者ではなく、なんと別人だった。そんなちぐはぐな婚約破棄宣言を経て、最終的に全てを手に入れたのは誰なのか‥‥
*ざまぁは少なめ。それでもよければどうぞ!
釣り合わないと言われても、婚約者と別れる予定はありません
しろねこ。
恋愛
幼馴染と婚約を結んでいるラズリーは、学園に入学してから他の令嬢達によく絡まれていた。
曰く、婚約者と釣り合っていない、身分不相応だと。
ラズリーの婚約者であるファルク=トワレ伯爵令息は、第二王子の側近で、将来護衛騎士予定の有望株だ。背も高く、見目も良いと言う事で注目を浴びている。
対してラズリー=コランダム子爵令嬢は薬草学を専攻していて、外に出る事も少なく地味な見た目で華々しさもない。
そんな二人を周囲は好奇の目で見ており、時にはラズリーから婚約者を奪おうとするものも出てくる。
おっとり令嬢ラズリーはそんな周囲の圧力に屈することはない。
「釣り合わない? そうですか。でも彼は私が良いって言ってますし」
時に優しく、時に豪胆なラズリー、平穏な日々はいつ来るやら。
ハッピーエンド、両思い、ご都合主義なストーリーです。
ゆっくり更新予定です(*´ω`*)
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】許婚の子爵令息から婚約破棄を宣言されましたが、それを知った公爵家の幼馴染から溺愛されるようになりました
八重
恋愛
「ソフィ・ルヴェリエ! 貴様とは婚約破棄する!」
子爵令息エミール・エストレが言うには、侯爵令嬢から好意を抱かれており、男としてそれに応えねばならないというのだ。
失意のどん底に突き落とされたソフィ。
しかし、婚約破棄をきっかけに幼馴染の公爵令息ジル・ルノアールから溺愛されることに!
一方、エミールの両親はソフィとの婚約破棄を知って大激怒。
エミールの両親の命令で『好意の証拠』を探すが、侯爵令嬢からの好意は彼の勘違いだった。
なんとかして侯爵令嬢を口説くが、婚約者のいる彼女がなびくはずもなく……。
焦ったエミールはソフィに復縁を求めるが、時すでに遅し──
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
本日をもって
satomi
恋愛
俺はこの国の王弟ステファン。ずっと王妃教育に王宮に来ているテレーゼ嬢に片思いしていたが、甥の婚約者であるから届かない思いとして封印していた。
だというのに、甥のオーウェンが婚約破棄をテレーゼ嬢に言い渡した。これはチャンス!俺は速攻でテレーゼ嬢に求婚した。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄ですか? 優しい幼馴染がいるので構いませんよ
マルローネ
恋愛
伯爵令嬢のアリスは婚約者のグリンデル侯爵から婚約破棄を言い渡された。
悲しみに暮れるはずの彼女だったが問題はないようだ。
アリスには優しい幼馴染である、大公殿下がいたのだから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる