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現実逃避にゲームは最適

ネタネームで被るって…

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 アバターの製作はこれで終わりのようだ。後はステータスの割り振りとスキルの選択でプレイ開始って感じなのかな。

『アバターの製作が終わりましたので、次の工程に移ります。
 次はステータスポイントの割り振りに入ります。それと同時に職業と初期スキルの選択も行います。
 現在のステータスはこのようになっています』

 そう言われると同時に、目の前にやや大きめのウィンドウが表示された。

『PN:未設定
 種族:ドラゴンレイス
 職業:未設定
 ギルドランク:

 ステータス
 HP(ヒットポイント):130/130
 MP(マジックポイント):130/130
 SP(スタミナポイント):100/100

 STR:10(0)
 VIT:10(0)
 INT:10(0)
 MND:10(0)
 AGI:10(0)
 DEX:10(0)
 LUK:10(0)
 STP(ステータスポイント):100

 スキル:2/10
 光魔術LV1
 竜体LV1

 』

『まずは職業から選択してください。基本的に職業を選択した場合、その職業に付随するスキルが強制的に選択されます。また、種族の関係で既にスキルが選択されていますが、そのスキルは外すことが出来ません』

 そのアナウンスが聞こえて来ると同時に、目の前にウィンドウが表示される。
 職業はランダム要素無し。まあ、これに関してはランダムがあったとしても、選択することは無い。既にこれだと思う職業は決まっているんだ。
 そう言うことで職業選択欄にある、テイマーを選択した。

 テイマーはこのゲームでは地雷職という結構嫌われている職業。小説とかで人気が出て今でも多少人気は残っているけど、過去に色々あった所為で弱体化に弱体化が重なり、今ではこのゲームのみならず多くのゲームで完全に外れ職業に成り下がってしまっている。

 調べた限りβテストでも酷評されていた。理由は、テイムモンスターが居るとパーティー枠を消費する上に、テイムしたモンスターが死ぬと消えてしまうからだ。いくら育てても1度死んだらそれまで、復活はしない。一応回避方法はあるようだが、割に合わないということらしい。

 FSOのテイマーはそんな職業だ。これを選んだ理由はソロ向けの職業であることと、やっぱりテイマーに憧れがある。なんだかんだやっぱりかわいいテイムモンスターと一緒に楽しくすごい姿態というのが大きい。それに地雷職って他のプレイヤーに嫌われるんだよね。だから変に人が寄ってこないし、なるべく他の人と一緒にプレイしたくないから、この職業は私にうってつけなんだ。

『職業にテイマーが選択されました。これによりスキル、テイム・育成が強制的に選択されます。これにより選択できるスキルは残り6枠です。この場で残り全ての枠分を選択する必要はありません。また、職業に合わせた基本装備が支給されました』

 残りのスキルはすべて選択する必要は無いと。元から決めていたのは補助魔術と回復魔術。これで残りは4枠なんだけど……やっぱりあるのね。ランダム選択
 種族の方でもあったからこっちでもあると思っていたけど案の定あったよ。・

「スキルをランダムで決めた場合はどうなるんですか?」

『スキル選択でランダムを選んだ場合、スキル欄にランダムと表示されます。この場で何が選ばれたのかを見ることは出来ません。またランダムで取得できるスキルは、取得に特殊な条件が必要なもの以外全てのスキルから選出されます』

 なるほどリセマラは出来ないようになっているのね。当然と言えば当然だけど、この場でわからないと言うのはリスクが高い。

『ある程度ストーリーを進めることで、スキルはプレイ中に削除が可能です。その場合、スキルLVが上がっていたとしても削除すれば何も残りませんのでご注意ください』

 ああ、消せるのか。なら在りかな? ストーリーをある程度進める必要があるとはいえ、消せるならランダムもありかもしれない。ただ、残り全枠ランダムは危ないから、保険として1枠は残しておこう。

 という事でスキル選択終了。後はステータスにポイントを振るだけだ。

『スキルの選択が終了しました。次にステータスポイントの振り分けに移ります。
 ステータスポイントは合計100ポイント振ることが出来ます。ですが、この場でどのステータスにも振らずに残すことも可能です。その場合、後からステータスにポイントを振ることが出来ます』

 ステータスポイント、STPが振れるのは10種類か。考えるのが面倒だから全部に10ずつ振っておけばいいかな。どうせレベルが上がれば上がるものだろうし、悩んだところでその空きがわからないからね。

『ステータスポイントの振り分けが完了しました。次が最後の設定になります。
 最後にアバターのプレイヤーネームを設定してください。プレイヤーネームは他プレイヤーのネームと重複不可になりますので気を付けてください』

 ネームは重複不可と。早い者勝ちかぁ。まあ、今まで私が使っていたネームが被ったことなんて一度もないし大丈夫でしょ。

 そう思いながらネーム欄に、みょーんと入力した。

『申し訳ありません。既にそのネームは使用されています』

「はぃ?」

 嘘でしょ? 何でこんなネームを使っている人がいるの? 普通、みょーんなんて間抜けなネームを使う人なんて私くらいだと思っていたのに。
 仕方がない。第2案のミヨをネーム欄に入れる。

『ネームの重複はありません。プレイヤーネームを、ミヨ、に決定しますか?』

 あれ? こっちの方が重複なしなの? こっちの方が割と普通なネームだと思うのだけど、どういうことなんだろう。まあ、重複していないならこれで問題はないか。

『プレイヤーネームをミヨに決定しました。
 これで、アバターの設定は完了となります。他、プレイに関する設定に関してはヘルプを参照してください。ヘルプはステータスウィンドウから確認することが出来ます』

『では、長い間お疲れさまでした。
 これからFull×Storysの世界へ転送を開始します。初期地点は、第1エリア内の南噴水前になります。
 何か不具合などが在りましたら、ヘルプからの問い合わせ、緊急を要する場合はGMコールを選択してください。特に種族関係での問題が発生する可能性が高いため、1プレイヤーでは手に負えない問題が発生した場合、直ぐにGMコールをお願いします』

「種族関係で、他のプレイヤーに絡まれた場合でもGMコールしていいでしょうか?」

『ええ、問題ありません。むしろ推奨いたします』

「わかりました。ありがとうございます」

『いえ、では転送を開始します。
 これを持ちまして私がミヨ様に関わる事は無くなりますが、ミヨ様がFull × Stories Onlineの世界を存分に楽しんでいただけるよう願っております』

 未だに顔どころか姿も見えない補助AIのその言葉を聞くと同時に私の視界は真っ白に染まり、別の空間に転送された。


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