33 / 43
第33話 屋根の上の攻防
しおりを挟む
しばし、わたしとユリアーナの視線が交差する。
わたしは怒りを必死に抑え込みつつ、静かに聞いた。
「……あんた今、レオンの弟子って言った?」
「言ったわ。八人いる直弟子の一人よ。ついでに言うと、もし追跡者・エリンに会ったら殺せと言い含められているの。どうしたらいいと思う?」
ユリアーナは持っていた悪魔の書に頬を寄せると、書に意見を聞くようなそぶりをしてみせた。
悪魔の書には、所持しているだけで術者に危害を及ぼすほどの禁呪が山と載っている。
通常はこの悪影響を、書に封じられた悪魔が肩代わりしてくれる。
ところが、内容を書き写しただけの悪魔の書は悪影響を無効化する手段を持たないので、徐々に禁呪に蝕まれ表紙が黒ずんでいく。
つまり、ユリアーナの持つ悪魔の書がアルの言う通り『蒼天のグリモワール』の写本であるならば、その表紙は真っ黒に汚れていなければならない。
こんな綺麗な水色を保つだなんてありえない。
「挑発に乗るな、エリン。こんな人口密集地帯で総力戦になったら、どれだけ被害が出るか分からないぞ」
白猫アルがつぶやく。
アルも写本の異常性を感じているようで、声に緊張が走っている。
わたしはそれにそっとうなずいた。
「動かなくて正解だ、お嬢ちゃん。追跡より解呪を優先しないと、氷漬けにされた保安官たちが死んじまうぞ」
言いながら雪の積もる屋根の上を歩いてきたのは、身長二メートルはありそうな筋骨隆々とした灰色の髪の大男だった。
寒さを感じないタチなのか、上半身は白のランニングで、下半身にベージュのズボンと黒のブーツを履いている。
頭髪といいモサモサの胸毛といい、全体的にかなり毛深い。
「この恰好。コイツ、さっきの人狼ね」
「気をつけろよ、エリン。反射速度が尋常じゃないぞ」
隣に立つアルが、わたしにだけ聞こえるよう警告を発する。
大男はわたしの前まで来ると無遠慮に顔を覗き込んできた。
獣のような濃い体臭に、思わず顔をしかめる。
「おっほー、こいつは別嬪さんだ。さすがお姫さまだけあって極上にかぐわしい香りがするぜ。伯爵さまに献上したら大喜びされそうだぞ」
この感じ――。
大男は明らかにアルが見えていない。悪魔の書の気配もしない。
天空の王国イーシュファルトを丸ごと石化させて逃げた大罪人レオンハルトは、万能タイプで剣の腕も見事だったがしょせん王子に過ぎない。
剣技を磨き、ソードマスターを目指すタイプではない。
もしレオンハルトが弟子を取るとしたら、それはあくまで魔法だ。
しかも、才能を何より重んじる彼であれば、弟子は悪魔の書の所有者たる資格を持つ者に限られるだろう。
ということは、ユリアーナはともかく、見るからに体力馬鹿のこの人狼はレオンハルトの弟子ではないということになる。
ではコイツらの関係は?
わたしは油断なく人狼を眺めた。
そうしながらも、ユリアーナの気配から一秒たりとも注意をそらさない。
本命はこっちだ。
と、視界の片隅でイケメンが微かに動いているのが見えた。
極度の凍傷を負ったからか上手く動けないようだ。
保安官たちがなすすべもなく氷像にされるほど高レベルの魔法だったのに、多少なりとも回避したとは立派立派。
わたしは人狼の手を邪険にはねのけると、身体を横にずらした。
道を譲ったのだ。
「とっとと行きなさい。そして、思う存分準備を整えて待ってらっしゃい」
人狼は一瞬ポカンとしたが、すぐに意を悟ってニヤっと笑った。
「さすが姫さま、判断が早い。ありがたくって涙が出るぜ」
「礼を言われる筋合いはないわ。誰に邪魔されることなく広い場所でアンタたちをぶちのめしたいだけだから。どうせすぐ会えるでしょ?」
「はっはっは! 楽しみにしてるぜぇ、お姫さんよぉ!」
人狼ハーゲンは上機嫌でユリアーナと合流すると、その場で霞のように消え失せた。
ユリアーナの転移魔法でアジトに直行したのだろう。
去りぎわ、宣戦布告のつもりか魔女ユリアーナが殺意を込めた視線をわたしに向けてきたが、わたしは優雅に微笑んで受け流した。
そんなに吠えなくっても大丈夫。悪魔の書の導く暗黒面に自ら踏み込んだアンタは、わたしが責任もって引導を渡してやるから。
でもその前に。
保安官たちを助けてあげないとね。
わたしは雪の積もった屋根の上を、氷漬けにされた保安官たちの方へと歩いていった。
◇◆◇◆◇
「んぐ、んぐ。ん。なんか悪いわね、わたし一人だけ食べちゃってて」
「俺のことは気にせんで腹一杯食ってくれ。奴らを相手にして疲れたろうからな。それにしても、その華奢な身体でよくそれだけ入るもんだ。感心するよ」
「奴らの相手ってより、あなたの部下さんかな。さすがにあれだけの数の保安官さんを解凍すると疲れるわね。栄養をいっぱい摂って回復しないと。それにしても、さすが街一番の高級ステーキハウスだけあっていい肉使っているわ。最近サムラ麺が続いていたからこうしてお肉食べるのも新鮮! あ、ボーイさん、ご飯のお代わりお願い!」
「かしこまりました」
さて――。
前述したとおり、ここはサムラの街で一番高級と名高いステーキハウスだ。
屋根の上で氷像と化した保安官たちを解呪したわたしは、街の人たちに頼んで皆を病院に運んでもらった。
わたしの魔法で生き返りはしたものの、皆ひどい低体温で、医者の治療も必要だと判断したからだ。
その後、保安官事務所に顔を出したわたしは署長――リチャード=ウォルフに部下さんたちの状況報告をしたら『お礼も兼ねて食事でもどうだ?』って誘われてね? 『じゃ、お肉にして』って言ったらこのステーキハウスに案内されたってわけ。
当然のことながらここの支払いは署長さん持ち。別にお金に困ってるわけじゃないけど、奢りってなると自分で支払いするときよりも美味しく感じるから不思議よね。
目一杯食べて食後のお茶を飲んでいると、ずっと渋い顔で考え込んでいた署長が、頃合いかとばかりに口を開いた。
「この騒動だが、実は発端は半年ほど前になる。ある霧の晩、町の者が三百名ほど、忽然と姿を消した」
「ブっ!!」
署長の言葉に、わたしは思わずお茶を吹き出した。
しぶきがテーブルをはさんで正面に座っていた署長の顔にモロにかかる。
五十代半ば。口ひげが特徴の苦み走ったいい男が、わたしのしぶきで台無しだ。
「ご、ごめんなさい!」
「……構わん。気にするな」
苦虫を嚙み潰したような表情の署長は顔を拭ってあげようとするわたしの動きを右手を上げて止め、代わりに自分の首にかけていた手ぬぐいで拭いた。
薄汚れた手ぬぐいで顔を拭いて汚れが取れるものか大いに疑問だが、とりあえず水分は拭き取れたようなのでよしとしよう。
「お嬢さんが驚くのも無理はない。我々だってあの時は、顎がはずれるくらい仰天したもんだ。青天の霹靂とはまさにあのことだったよ」
リチャード署長は、ため息交じりにそう言ったのであった。
わたしは怒りを必死に抑え込みつつ、静かに聞いた。
「……あんた今、レオンの弟子って言った?」
「言ったわ。八人いる直弟子の一人よ。ついでに言うと、もし追跡者・エリンに会ったら殺せと言い含められているの。どうしたらいいと思う?」
ユリアーナは持っていた悪魔の書に頬を寄せると、書に意見を聞くようなそぶりをしてみせた。
悪魔の書には、所持しているだけで術者に危害を及ぼすほどの禁呪が山と載っている。
通常はこの悪影響を、書に封じられた悪魔が肩代わりしてくれる。
ところが、内容を書き写しただけの悪魔の書は悪影響を無効化する手段を持たないので、徐々に禁呪に蝕まれ表紙が黒ずんでいく。
つまり、ユリアーナの持つ悪魔の書がアルの言う通り『蒼天のグリモワール』の写本であるならば、その表紙は真っ黒に汚れていなければならない。
こんな綺麗な水色を保つだなんてありえない。
「挑発に乗るな、エリン。こんな人口密集地帯で総力戦になったら、どれだけ被害が出るか分からないぞ」
白猫アルがつぶやく。
アルも写本の異常性を感じているようで、声に緊張が走っている。
わたしはそれにそっとうなずいた。
「動かなくて正解だ、お嬢ちゃん。追跡より解呪を優先しないと、氷漬けにされた保安官たちが死んじまうぞ」
言いながら雪の積もる屋根の上を歩いてきたのは、身長二メートルはありそうな筋骨隆々とした灰色の髪の大男だった。
寒さを感じないタチなのか、上半身は白のランニングで、下半身にベージュのズボンと黒のブーツを履いている。
頭髪といいモサモサの胸毛といい、全体的にかなり毛深い。
「この恰好。コイツ、さっきの人狼ね」
「気をつけろよ、エリン。反射速度が尋常じゃないぞ」
隣に立つアルが、わたしにだけ聞こえるよう警告を発する。
大男はわたしの前まで来ると無遠慮に顔を覗き込んできた。
獣のような濃い体臭に、思わず顔をしかめる。
「おっほー、こいつは別嬪さんだ。さすがお姫さまだけあって極上にかぐわしい香りがするぜ。伯爵さまに献上したら大喜びされそうだぞ」
この感じ――。
大男は明らかにアルが見えていない。悪魔の書の気配もしない。
天空の王国イーシュファルトを丸ごと石化させて逃げた大罪人レオンハルトは、万能タイプで剣の腕も見事だったがしょせん王子に過ぎない。
剣技を磨き、ソードマスターを目指すタイプではない。
もしレオンハルトが弟子を取るとしたら、それはあくまで魔法だ。
しかも、才能を何より重んじる彼であれば、弟子は悪魔の書の所有者たる資格を持つ者に限られるだろう。
ということは、ユリアーナはともかく、見るからに体力馬鹿のこの人狼はレオンハルトの弟子ではないということになる。
ではコイツらの関係は?
わたしは油断なく人狼を眺めた。
そうしながらも、ユリアーナの気配から一秒たりとも注意をそらさない。
本命はこっちだ。
と、視界の片隅でイケメンが微かに動いているのが見えた。
極度の凍傷を負ったからか上手く動けないようだ。
保安官たちがなすすべもなく氷像にされるほど高レベルの魔法だったのに、多少なりとも回避したとは立派立派。
わたしは人狼の手を邪険にはねのけると、身体を横にずらした。
道を譲ったのだ。
「とっとと行きなさい。そして、思う存分準備を整えて待ってらっしゃい」
人狼は一瞬ポカンとしたが、すぐに意を悟ってニヤっと笑った。
「さすが姫さま、判断が早い。ありがたくって涙が出るぜ」
「礼を言われる筋合いはないわ。誰に邪魔されることなく広い場所でアンタたちをぶちのめしたいだけだから。どうせすぐ会えるでしょ?」
「はっはっは! 楽しみにしてるぜぇ、お姫さんよぉ!」
人狼ハーゲンは上機嫌でユリアーナと合流すると、その場で霞のように消え失せた。
ユリアーナの転移魔法でアジトに直行したのだろう。
去りぎわ、宣戦布告のつもりか魔女ユリアーナが殺意を込めた視線をわたしに向けてきたが、わたしは優雅に微笑んで受け流した。
そんなに吠えなくっても大丈夫。悪魔の書の導く暗黒面に自ら踏み込んだアンタは、わたしが責任もって引導を渡してやるから。
でもその前に。
保安官たちを助けてあげないとね。
わたしは雪の積もった屋根の上を、氷漬けにされた保安官たちの方へと歩いていった。
◇◆◇◆◇
「んぐ、んぐ。ん。なんか悪いわね、わたし一人だけ食べちゃってて」
「俺のことは気にせんで腹一杯食ってくれ。奴らを相手にして疲れたろうからな。それにしても、その華奢な身体でよくそれだけ入るもんだ。感心するよ」
「奴らの相手ってより、あなたの部下さんかな。さすがにあれだけの数の保安官さんを解凍すると疲れるわね。栄養をいっぱい摂って回復しないと。それにしても、さすが街一番の高級ステーキハウスだけあっていい肉使っているわ。最近サムラ麺が続いていたからこうしてお肉食べるのも新鮮! あ、ボーイさん、ご飯のお代わりお願い!」
「かしこまりました」
さて――。
前述したとおり、ここはサムラの街で一番高級と名高いステーキハウスだ。
屋根の上で氷像と化した保安官たちを解呪したわたしは、街の人たちに頼んで皆を病院に運んでもらった。
わたしの魔法で生き返りはしたものの、皆ひどい低体温で、医者の治療も必要だと判断したからだ。
その後、保安官事務所に顔を出したわたしは署長――リチャード=ウォルフに部下さんたちの状況報告をしたら『お礼も兼ねて食事でもどうだ?』って誘われてね? 『じゃ、お肉にして』って言ったらこのステーキハウスに案内されたってわけ。
当然のことながらここの支払いは署長さん持ち。別にお金に困ってるわけじゃないけど、奢りってなると自分で支払いするときよりも美味しく感じるから不思議よね。
目一杯食べて食後のお茶を飲んでいると、ずっと渋い顔で考え込んでいた署長が、頃合いかとばかりに口を開いた。
「この騒動だが、実は発端は半年ほど前になる。ある霧の晩、町の者が三百名ほど、忽然と姿を消した」
「ブっ!!」
署長の言葉に、わたしは思わずお茶を吹き出した。
しぶきがテーブルをはさんで正面に座っていた署長の顔にモロにかかる。
五十代半ば。口ひげが特徴の苦み走ったいい男が、わたしのしぶきで台無しだ。
「ご、ごめんなさい!」
「……構わん。気にするな」
苦虫を嚙み潰したような表情の署長は顔を拭ってあげようとするわたしの動きを右手を上げて止め、代わりに自分の首にかけていた手ぬぐいで拭いた。
薄汚れた手ぬぐいで顔を拭いて汚れが取れるものか大いに疑問だが、とりあえず水分は拭き取れたようなのでよしとしよう。
「お嬢さんが驚くのも無理はない。我々だってあの時は、顎がはずれるくらい仰天したもんだ。青天の霹靂とはまさにあのことだったよ」
リチャード署長は、ため息交じりにそう言ったのであった。
2
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!
カタナヅキ
ファンタジー
ステータ画面は防御魔法?あらゆる攻撃を画面で防ぐ異色の魔術師の物語!!
祖父の遺言で魔女が暮らす森に訪れた少年「ナオ」は一冊の魔導書を渡される。その魔導書はかつて異界から訪れたという人間が書き記した代物であり、ナオは魔導書を読み解くと視界に「ステータス画面」なる物が現れた。だが、何故か画面に表示されている文字は無茶苦茶な羅列で解読ができず、折角覚えた魔法なのに使い道に悩んだナオはある方法を思いつく。
「よし、とりあえず叩いてみよう!!」
ステータス画面を掴んでナオは悪党や魔物を相手に叩き付け、時には攻撃を防ぐ防具として利用する。世界でただ一人の「ステータス画面」の誤った使い方で彼は成り上がる。
※ステータスウィンドウで殴る、防ぐ、空を飛ぶ異色のファンタジー!!
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
【完結】百年に一人の落ちこぼれなのに学院一の秀才をうっかり消去しちゃいました
平田加津実
ファンタジー
国立魔術学院の選抜試験ですばらしい成績をおさめ、百年に一人の逸材だと賞賛されていたティルアは、落第を繰り返す永遠の1年生。今では百年に一人の落ちこぼれと呼ばれていた。
ティルアは消去呪文の練習中に起きた誤作動に、学院一の秀才であるユーリウスを巻き込んでしまい、彼自身を消去してしまう。ティルア以外の人の目には見えず、すぐそばにいるのに触れることもできない彼を、元の世界に戻せるのはティルアの出現呪文だけなのに、彼女は相変わらずポンコツで……。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
おっさん、勇者召喚されるがつま弾き...だから、のんびりと冒険する事にした
あおアンドあお
ファンタジー
ギガン城と呼ばれる城の第一王女であるリコット王女が、他の世界に住む四人の男女を
自分の世界へと召喚した。
召喚された四人の事をリコット王女は勇者と呼び、この世界を魔王の手から救ってくれと
願いを託す。
しかしよく見ると、皆の希望の目線は、この俺...城川練矢(しろかわれんや)には、
全く向けられていなかった。
何故ならば、他の三人は若くてハリもある、十代半ばの少年と少女達であり、
将来性も期待性もバッチリであったが...
この城川練矢はどう見ても、しがないただの『おっさん』だったからである。
でもさ、いくらおっさんだからっていって、これはひどくないか?
だって、俺を召喚したリコット王女様、全く俺に目線を合わせてこないし...
周りの兵士や神官達も蔑視の目線は勿論のこと、隠しもしない罵詈雑言な言葉を
俺に投げてくる始末。
そして挙げ句の果てには、ニヤニヤと下卑た顔をして俺の事を『ニセ勇者』と
罵って蔑ろにしてきやがる...。
元の世界に帰りたくても、ある一定の魔力が必要らしく、その魔力が貯まるまで
最低、一年はかかるとの事だ。
こんな城に一年間も居たくない俺は、町の方でのんびり待とうと決め、この城から
出ようとした瞬間...
「ぐふふふ...残念だが、そういう訳にはいかないんだよ、おっさんっ!」
...と、蔑視し嘲笑ってくる兵士達から止められてしまうのだった。
※小説家になろう様でも掲載しています。
転生 上杉謙信の弟 兄に殺されたくないので全力を尽くします!
克全
ファンタジー
上杉謙信の弟に転生したウェブ仮想戦記作家は、四兄の上杉謙信や長兄の長尾晴景に殺されないように動く。特に黒滝城主の黒田秀忠の叛乱によって次兄や三兄と一緒に殺されないように知恵を絞る。一切の自重をせすに前世の知識を使って農業改革に産業改革、軍事改革を行って日本を統一にまい進する。
あなたがそう望んだから
まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」
思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。
確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。
喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。
○○○○○○○○○○
誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。
閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*)
何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる