YouTuber犬『みたらし』の日常

雪月風花

文字の大きさ
上 下
356 / 365

第356話 バラと『ハナ』ちゃん

しおりを挟む
 オレの名前は『みたらし』。
 三歳の柴犬だ。

 今日の散歩コースは『ハナ』ちゃん家の方だ。
 家の前を通ると、ガレージの横に犬小屋が置いてあって……いたいた、『ハナ』ちゃんだ。

 オレとパパさんに気付いたようで、庭で草いじりをしていた『ハナ』ちゃんのパパさんが出て来た。

 ――やぁどうも、『みたらし』クンのパパさん。お散歩ですか。
 ――えぇ、そうなんです。いやぁ、バラ、綺麗ですねぇ。

 見ると、庭では見事なくらい色とりどりのバラが咲いていた。
 バラの良い匂いが漂っている。

 ――そうなんですよ。今年も綺麗に咲いてくれました。
 ――実に見事です。

 パパさんが『ハナ』ちゃんのパパさんと並んで、庭のバラを見ながら世間話をしている。
 オレはというと、こうしてその間、大好きな『ハナ』ちゃんの傍に寄って、鼻をスリスリしているわけだ。
 うんうん、極楽、極楽。

 今日は天気も良くっていい気分だぞ、パパさん。
 そしてバラの匂いに包まれて、オレは『ハナ』ちゃんとしばし戯れる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

虹の橋を渡った猫が教えてくれたこと

菊池まりな
児童書・童話
あけみが生まれた頃には愛猫のちゃおがいた。遊ぶ時も寝るときもずっと一緒。そんなある日、ちゃおが虹の橋を渡ってしまう。家族は悲しむが、あけみは不思議な夢を見るようになり…。

老犬ジョンと子猫のルナ

菊池まりな
児童書・童話
小さな町の片隅で、野良猫が子猫を生み、暖かく、安全な場所へと移動を繰り返しているうちに、一匹の子猫がはぐれてしまう。疲れきって倒れていたところを少年が助けてくれた。その家には老犬のジョンがいた。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

地獄の鬼の子

つなざきえいじ
児童書・童話
地獄の鬼の仕事は、罪人を懲らしめる事。 では、地獄の鬼の子供は? ※小説家になろうの方にも投稿してます。

お姫様の願い事

月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。

王女様は美しくわらいました

トネリコ
児童書・童話
   無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。  それはそれは美しい笑みでした。  「お前程の悪女はおるまいよ」  王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。  きたいの悪女は処刑されました 解説版

Sadness of the attendant

砂詠 飛来
児童書・童話
王子がまだ生熟れであるように、姫もまだまだ小娘でありました。 醜いカエルの姿に変えられてしまった王子を嘆く従者ハインリヒ。彼の強い憎しみの先に居たのは、王子を救ってくれた姫だった。

とんがり山の鬼

つなざきえいじ
児童書・童話
とんがり山の頂上に赤鬼が住んでいます。 赤鬼は通行料として村人に食べ物を要求していました。 ある日、村人が崖崩れに巻き込まれます。 それを見た赤鬼は…。

処理中です...