YouTuber犬『みたらし』の日常

雪月風花

文字の大きさ
上 下
353 / 365

第353話 キラキラ

しおりを挟む
 オレの名前は『みたらし』。
 三歳の柴犬だ。

 ――どうだ? 『みたらし』。カッコいいだろう?

 パパさんが何かの棒を買ってきて、屋根にぶら下げた。
 それは、ネジった形のカラフルな棒で、風に吹かれるとキラキラ光を反射しつつ、くるくる回るんだ。

 オレはそれを見て……その場で伏せをして目をつぶった。

 ――え? え? なんで? なんでそんな反応薄いの? ほら、『みたらし』、ぐるぐるーって。きらきらーって。面白いだろ? 綺麗だろ?

 オレは目の前で必死にアピールするパパさんをよそに、欠伸をした。

 ――ウソだろーー。絶対喜ぶと思ったのに、この塩対応、なにー?

 パパさんが頭を抱えているが、そんなこと知ったこっちゃない。
 今日は外が暖かい。
 昼寝日和だね。

 どんまい、パパさん。
 ジャーキー買ってきてくれたら反応してあげてもいいかな?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

老犬ジョンと子猫のルナ

菊池まりな
児童書・童話
小さな町の片隅で、野良猫が子猫を生み、暖かく、安全な場所へと移動を繰り返しているうちに、一匹の子猫がはぐれてしまう。疲れきって倒れていたところを少年が助けてくれた。その家には老犬のジョンがいた。

お姫様の願い事

月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。

王女様は美しくわらいました

トネリコ
児童書・童話
   無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。  それはそれは美しい笑みでした。  「お前程の悪女はおるまいよ」  王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。  きたいの悪女は処刑されました 解説版

どろんこたろう

ケンタシノリ
児童書・童話
子どもにめぐまれなかったお父さんとお母さんは、畑のどろをつかってどろ人形を作りました。すると、そのどろ人形がげんきな男の子としてうごき出しました。どろんこたろうと名づけたその男の子は、その小さな体で畑しごとを1人でこなしてくれるので、お父さんとお母さんも大よろこびです。 ※幼児から小学校低学年向けに書いた創作昔ばなしです。 ※このお話で使われている漢字は、小学2年生までに習う漢字のみを使用しています。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

虹の橋を渡った猫が教えてくれたこと

菊池まりな
児童書・童話
あけみが生まれた頃には愛猫のちゃおがいた。遊ぶ時も寝るときもずっと一緒。そんなある日、ちゃおが虹の橋を渡ってしまう。家族は悲しむが、あけみは不思議な夢を見るようになり…。

とんがり山の鬼

つなざきえいじ
児童書・童話
とんがり山の頂上に赤鬼が住んでいます。 赤鬼は通行料として村人に食べ物を要求していました。 ある日、村人が崖崩れに巻き込まれます。 それを見た赤鬼は…。

処理中です...