YouTuber犬『みたらし』の日常

雪月風花

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第316話 歩いてる

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 オレの名前は『みたらし』。
 三歳の柴犬だ。

 今日も今日とてオレがパパさんと散歩をしていると、正面から歩いてくる犬がいた。
 あれ? なんでなんで?

 オレは焦ってそこで止まる。
 ――お? どうしたどうした? ほら、『みたらし』、歩くぞ?

 パパさんがリードを引っ張る。
 なぜオレが急に止まったか。
 それは、普段外を歩くはずの無い犬が歩いてきたからだ。
 だってオレ、こいつが外を歩いてるの見たこと無いもん。

 ワンワンワン! ワンワンワンワン!

 ……吠えられた。
 まったく。いつもながらうるさい犬だ。
 そう、正面から来たのは、裏のおばあちゃんの家の『ごまだんご』だった。
 だってこいつ、最近ずっと乳母車乗ってるんだぜ? そりゃビックリするよ。

 ――どうもこんにちは。
 ――こいつはどうも。あれ? 今日は『ごまだんご』ちゃん、普通に歩いているんですね、乳母車に乗らずに。

 おぉ! パパさん、どストレートに聞いたぞ。

 ――そうなのよ。まぁでもほら、今日は暖かいじゃない? だからかしらねぇ、バギーに乗りたがらないのは。
 ――なるほど。 確かに今日は天気がいいですからねぇ……。

 ワンワンワン! ワンワンワンワン!
 だから吠えるなってのに。

 疲れるよなぁ、こいつの相手。
 そして今日も、早くここから逃げ出したいぞ。
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