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第290話 撤去
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オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
――よいしょっと。
パパさんによってコタツの天板が外され、部屋の隅に立て掛けられる。
ちょっと待って! 何してるのさ!!
身体をコタツの中に入れ、頭だけ外に出していたオレは、慌ててコタツから這い出ると、コタツ布団の上に乗った。
ダメだ! コタツはオレの楽園なんだ! 例え最近ずっと電気が点いて無かったにせよ、そこにあるだけで天国なんだ! 片付けちゃダメだ!
と、後ろから接近してきたママさんによって、オレの身体がヒョイっと持ち上げられる。
――『みたらし』、もうそろそろ春なのよ? いつまでも出してちゃダメなの。
――そうだぞ、『みたらし』。暖かくなってきたし、もういいだろ?
パパさんがその間にコタツを片付ける。
ママさんの腕の中でジタバタするも、あえなくコタツは畳まれてしまった。
あぁあぁ! オレの楽園があぁぁぁぁぁ!
さよなら、コタツ。
そして、来年の冬また会えるまで、元気でいろよ!
三歳の柴犬だ。
――よいしょっと。
パパさんによってコタツの天板が外され、部屋の隅に立て掛けられる。
ちょっと待って! 何してるのさ!!
身体をコタツの中に入れ、頭だけ外に出していたオレは、慌ててコタツから這い出ると、コタツ布団の上に乗った。
ダメだ! コタツはオレの楽園なんだ! 例え最近ずっと電気が点いて無かったにせよ、そこにあるだけで天国なんだ! 片付けちゃダメだ!
と、後ろから接近してきたママさんによって、オレの身体がヒョイっと持ち上げられる。
――『みたらし』、もうそろそろ春なのよ? いつまでも出してちゃダメなの。
――そうだぞ、『みたらし』。暖かくなってきたし、もういいだろ?
パパさんがその間にコタツを片付ける。
ママさんの腕の中でジタバタするも、あえなくコタツは畳まれてしまった。
あぁあぁ! オレの楽園があぁぁぁぁぁ!
さよなら、コタツ。
そして、来年の冬また会えるまで、元気でいろよ!
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