YouTuber犬『みたらし』の日常

雪月風花

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第287話 ゴミはゴミ箱に

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 オレの名前は『みたらし』。
 三歳の柴犬だ。

 ――ねぇ。鼻かんだティシュ。ちゃんと捨ててよ。
 ――まだ使うの。乾いたらまた鼻かむから。
 ――嘘でしょ? 汚いし、貧乏臭いからやめてよ。

 朝からパパさんとママさんが揉めている。
 議題は、一度鼻をかんだ使用済みティシュは、乾いたら再利用出来るのか? だ。

 オレの個人的見解を言わせて貰えれば、『汚いから捨てなよ』となる。
 でもパパさんは違うらしい。
 
 ――ちょっと濡れただけだから、乾かせば使えるって。勿体無いじゃん。
 ――内容物が付いてるでしょうが! しょうもないこと言ってないで、とっととゴミ箱に捨てなさい!

 ママさんに怒られたパパさんが渋々、テーブルの上で山となった鼻水付きティシュを掴んで、ゴミ箱に入れた。
 見ると、山があった所のテーブル面が濡れてる。

 クンクン。……あぁ、こりゃ鼻水だ。ずっと置いとくから。

 ――いい加減にして!

 怒ったママさんが投げた台布巾が、パパさんの顔面にクリーンヒットした。

 どんまい、パパさん。
 そして今日も、朝からパパさんの鼻水が止まらない。
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