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第250話 メガネ
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オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
パパさんがコタツ布団をめくって中を見たり、コタツの上のミカンをどけたりと、さっきから慌ただしく何かしている。
オレはいつものようにコタツから顔だけ出して、パパさんを見た。
ね、何やってんのさ、メガネ、頭の上に乗っけて。
――あれ? あれ? おっかしいなぁ。どこ置いたかなぁ。
なによ。探し物?
――無いなぁ。なぁ『みたらし』、俺のメガネ、どこかで見なかったか?
メガネ? 頭の上に乗っかってんじゃん。
ふわぁぁぁぁ。
オレは大あくびをしてパパさんを眺めた。
――知らないか。うーーん。どこ行っちゃったかなぁ。
だーかーらー。頭の上だってば!
ワンワン!
パパさんが急に吠えたオレを見て首をかしげる。
――別に、『みたらし』がどっかやったなんて思ってないさ。怒るなよ。
違っ、そうじゃなくってーー! あぁもう! 頭の上だってば!
ワンワン!
オレは洗面所の方に向かって吠えた。
――え? 洗面所見に行けって? そんなとこ置いたかなぁ。
これで気付くだろ。
オレはまたコタツの中で目をつぶった。
どんまい、パパさん。
そして、洗面所でしっかり鏡を見るんだね。
三歳の柴犬だ。
パパさんがコタツ布団をめくって中を見たり、コタツの上のミカンをどけたりと、さっきから慌ただしく何かしている。
オレはいつものようにコタツから顔だけ出して、パパさんを見た。
ね、何やってんのさ、メガネ、頭の上に乗っけて。
――あれ? あれ? おっかしいなぁ。どこ置いたかなぁ。
なによ。探し物?
――無いなぁ。なぁ『みたらし』、俺のメガネ、どこかで見なかったか?
メガネ? 頭の上に乗っかってんじゃん。
ふわぁぁぁぁ。
オレは大あくびをしてパパさんを眺めた。
――知らないか。うーーん。どこ行っちゃったかなぁ。
だーかーらー。頭の上だってば!
ワンワン!
パパさんが急に吠えたオレを見て首をかしげる。
――別に、『みたらし』がどっかやったなんて思ってないさ。怒るなよ。
違っ、そうじゃなくってーー! あぁもう! 頭の上だってば!
ワンワン!
オレは洗面所の方に向かって吠えた。
――え? 洗面所見に行けって? そんなとこ置いたかなぁ。
これで気付くだろ。
オレはまたコタツの中で目をつぶった。
どんまい、パパさん。
そして、洗面所でしっかり鏡を見るんだね。
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