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第239話 顔
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オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
――あれ? 顔、違うな。
コタツに入ってTVを見ていたパパさんが、いきなり素っ頓狂な声を出す。
――何の話?
お煎餅を咥えたママさんが振り返る。
――ほら、TVに出ている柴犬、『みたらし』と表情が違うだろ? 同じ柴犬なのに。
――何言ってんの? パパ。当たり前でしょう?
何言ってんだ? パパさん。当たり前だろ?
オレとママさんの訝しげな目線に気付いたパパさんが慌てる。
――いや、だって、同じ柴犬じゃないか。同じ……ような顔だろう?
――なわけ無いじゃない。じゃ、どうやって見分け付けてたのよ、パパ。
――え? いやだから、毛の色、とか? 大きさ、とか? 鳴き声、とか?
ふぅん。
どんまい、パパさん。
そして、オレはオレだけのオンリーワンさ。
三歳の柴犬だ。
――あれ? 顔、違うな。
コタツに入ってTVを見ていたパパさんが、いきなり素っ頓狂な声を出す。
――何の話?
お煎餅を咥えたママさんが振り返る。
――ほら、TVに出ている柴犬、『みたらし』と表情が違うだろ? 同じ柴犬なのに。
――何言ってんの? パパ。当たり前でしょう?
何言ってんだ? パパさん。当たり前だろ?
オレとママさんの訝しげな目線に気付いたパパさんが慌てる。
――いや、だって、同じ柴犬じゃないか。同じ……ような顔だろう?
――なわけ無いじゃない。じゃ、どうやって見分け付けてたのよ、パパ。
――え? いやだから、毛の色、とか? 大きさ、とか? 鳴き声、とか?
ふぅん。
どんまい、パパさん。
そして、オレはオレだけのオンリーワンさ。
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