YouTuber犬『みたらし』の日常

雪月風花

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第239話 顔

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 オレの名前は『みたらし』。
 三歳の柴犬だ。

 ――あれ? 顔、違うな。

 コタツに入ってTVを見ていたパパさんが、いきなり素っ頓狂な声を出す。

 ――何の話?

 お煎餅を咥えたママさんが振り返る。

 ――ほら、TVに出ている柴犬、『みたらし』と表情が違うだろ? 同じ柴犬なのに。
 ――何言ってんの? パパ。当たり前でしょう?
 何言ってんだ? パパさん。当たり前だろ?

 オレとママさんのいぶかしげな目線に気付いたパパさんが慌てる。

 ――いや、だって、同じ柴犬じゃないか。同じ……ような顔だろう?
 ――なわけ無いじゃない。じゃ、どうやって見分け付けてたのよ、パパ。
 ――え? いやだから、毛の色、とか? 大きさ、とか? 鳴き声、とか?
 ふぅん。 

 どんまい、パパさん。
 そして、オレはオレだけのオンリーワンさ。
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