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第232話 おすそわけ
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オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
今日のお散歩コースは、ハナちゃん家の方だ。
およよ? ハナちゃんのパパさん、なんか庭仕事してるよ?
――どうも、『ハナちゃん』のパパさん。ご精が出ますね。
――あぁ、これは『みたらし』クンのパパさん。いやいや、ちょうどいい所に来てくれました。ちょっと待っててください。
オレは『ハナちゃん』と鼻先を擦り寄せた。
うんうん、いい感じ。
奥に行った『ハナちゃん』のパパさんが、すぐスーパーの袋を持って戻ってきた。
中に、お花が入ってる。
――これこれ。持ってってください。
――何です?
――クリスマスローズの苗です。なんか増えちゃって。
――これはありがとうございます。家内が喜びます。
散歩を再開したパパさんの手に、行きには無かったスーパーの白い袋が揺れている。
袋を透かして、ピンク色のお花が見える。
食べ物じゃなかったのはアレだけど、まぁ綺麗だからいいや。
うちの庭で、いっぱい、いっぱい、増えるといいね。
ようこそ、お花さん。
そしてまた、うちの庭がカラフルになる。
三歳の柴犬だ。
今日のお散歩コースは、ハナちゃん家の方だ。
およよ? ハナちゃんのパパさん、なんか庭仕事してるよ?
――どうも、『ハナちゃん』のパパさん。ご精が出ますね。
――あぁ、これは『みたらし』クンのパパさん。いやいや、ちょうどいい所に来てくれました。ちょっと待っててください。
オレは『ハナちゃん』と鼻先を擦り寄せた。
うんうん、いい感じ。
奥に行った『ハナちゃん』のパパさんが、すぐスーパーの袋を持って戻ってきた。
中に、お花が入ってる。
――これこれ。持ってってください。
――何です?
――クリスマスローズの苗です。なんか増えちゃって。
――これはありがとうございます。家内が喜びます。
散歩を再開したパパさんの手に、行きには無かったスーパーの白い袋が揺れている。
袋を透かして、ピンク色のお花が見える。
食べ物じゃなかったのはアレだけど、まぁ綺麗だからいいや。
うちの庭で、いっぱい、いっぱい、増えるといいね。
ようこそ、お花さん。
そしてまた、うちの庭がカラフルになる。
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