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第222話 ヘルプミー 前編
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オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
――すみませーーん! あぁ、そこ行く人! 犬を連れたお姉さん! こっち来てーー!
オレとママさんは、散歩途中、どこかから呼ばれる声に気付いた。
どこからの声かと、キョロキョロ見回す。
――こっち、こっち!
それは、民家の生け垣の向こうから聞こえてきた声だった。
慌てて近寄ると、お風呂場だった。
すっぽんぽんのオバサンが、必死な声でママさんに話しかける。
――ごめんなさい、お風呂場の鍵が壊れちゃって開かないの。玄関が開いてるから、そこから入って、お風呂場を開けて貰っていいかしら?
――分かりました! ちょっと待ってて下さいね!
オレとママさんは慌てて玄関に回った。
あ、ほんとだ。鍵が開いてら。
不用心だけど、そのお陰で助かったとなると、うーん、いいんだか悪いんだか。
ま、そんなわけで救出の間、オレは玄関で待つことになった。
伏せして待つぜ、オレは。
そして今回は、久々に前後編だ。
三歳の柴犬だ。
――すみませーーん! あぁ、そこ行く人! 犬を連れたお姉さん! こっち来てーー!
オレとママさんは、散歩途中、どこかから呼ばれる声に気付いた。
どこからの声かと、キョロキョロ見回す。
――こっち、こっち!
それは、民家の生け垣の向こうから聞こえてきた声だった。
慌てて近寄ると、お風呂場だった。
すっぽんぽんのオバサンが、必死な声でママさんに話しかける。
――ごめんなさい、お風呂場の鍵が壊れちゃって開かないの。玄関が開いてるから、そこから入って、お風呂場を開けて貰っていいかしら?
――分かりました! ちょっと待ってて下さいね!
オレとママさんは慌てて玄関に回った。
あ、ほんとだ。鍵が開いてら。
不用心だけど、そのお陰で助かったとなると、うーん、いいんだか悪いんだか。
ま、そんなわけで救出の間、オレは玄関で待つことになった。
伏せして待つぜ、オレは。
そして今回は、久々に前後編だ。
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