213 / 365
第213話 熱
しおりを挟む
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
昨日遅くなって帰ってきたパパさんは、余程疲れたのか、熱を出してそのままぶっ倒れてしまった。
オレは寝込んでいるパパさんの隣に伏せをした。
パパさん、大丈夫?
――『みたらし』、大丈夫だって。ちょっと寝てればすぐ良くなるって。
パパさんは笑ってオレの頭を撫でると、またすぐ寝てしまった。
枕の側に置いてある、空で持って行ったはずのリュックが、これ以上何も入らないというくらい盛り上がっている。
あー、これのお陰でニヤニヤしてるのね。
――ほら『みたらし』、寝かせといてあげて。
大丈夫なの? パパさんは。
――昨日はお友だちと会えたし、薄い本もいっぱい買えたしでハシャギすぎちゃったのよ。起きたら元気になってるわ。さ、ゴハンにしよっか。
おう!
どんまい、パパさん。
そして元気になったら、昨日何があったのか教えてくれぃ!
三歳の柴犬だ。
昨日遅くなって帰ってきたパパさんは、余程疲れたのか、熱を出してそのままぶっ倒れてしまった。
オレは寝込んでいるパパさんの隣に伏せをした。
パパさん、大丈夫?
――『みたらし』、大丈夫だって。ちょっと寝てればすぐ良くなるって。
パパさんは笑ってオレの頭を撫でると、またすぐ寝てしまった。
枕の側に置いてある、空で持って行ったはずのリュックが、これ以上何も入らないというくらい盛り上がっている。
あー、これのお陰でニヤニヤしてるのね。
――ほら『みたらし』、寝かせといてあげて。
大丈夫なの? パパさんは。
――昨日はお友だちと会えたし、薄い本もいっぱい買えたしでハシャギすぎちゃったのよ。起きたら元気になってるわ。さ、ゴハンにしよっか。
おう!
どんまい、パパさん。
そして元気になったら、昨日何があったのか教えてくれぃ!
1
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
【完結】だるま村へ
長透汐生
児童書・童話
月の光に命を与えられた小さなだるま。 目覚めたのは、町外れのゴミ袋の中だった。
だるまの村が西にあるらしいと知って、だるまは犬のマルタと一緒に村探しの旅に出る。旅が進むにつれ、だるま村の秘密が明らかになっていくが……。
【完結!】ぼくらのオハコビ竜 ーあなたの翼になりましょうー
Sirocos(シロコス)
児童書・童話
『絵本・児童書大賞(君とのきずな児童書賞)』にエントリーしている作品になります。
皆さまどうぞ、応援くださいませ!!ペコリ(o_ _)o))
【本作は、アルファポリスきずな文庫での出版を目指して、本気で執筆いたしました。最後までどうぞお読みください!>^_^<】
君は、『オハコビ竜』を知っているかな。かれらは、あの空のむこうに存在する、スカイランドと呼ばれる世界の竜たち。不思議なことに、優しくて誠実な犬がまざったような、世にも奇妙な姿をしているんだ。
地上界に住む君も、きっとかれらの友達になりたくなるはず!
空の国スカイランドを舞台に、オハコビ竜と科学の力に導かれ、世にも不思議なツアーがはじまる。
夢と楽しさと驚きがいっぱい!
竜と仮想テクノロジーの世界がミックスした、ドラゴンSFファンタジー!
(本作は、小説家になろうさん、カクヨムさんでも掲載しております)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/children_book.png?id=95b13a1c459348cd18a1)
妖精の風の吹くまま~家を追われた元伯爵令嬢は行き倒れたわけあり青年貴族を拾いました~
狭山ひびき@バカふり160万部突破
児童書・童話
妖精女王の逆鱗に触れた人間が妖精を見ることができなくなって久しい。
そんな中、妖精が見える「妖精に愛されし」少女エマは、仲良しの妖精アーサーとポリーとともに友人を探す旅の途中、行き倒れの青年貴族ユーインを拾う。彼は病に倒れた友人を助けるために、万能薬(パナセア)を探して旅をしているらしい。「友人のために」というユーインのことが放っておけなくなったエマは、「おいエマ、やめとけって!」というアーサーの制止を振り切り、ユーインの薬探しを手伝うことにする。昔から妖精が見えることを人から気味悪がられるエマは、ユーインにはそのことを告げなかったが、伝説の万能薬に代わる特別な妖精の秘薬があるのだ。その薬なら、ユーインの友人の病気も治せるかもしれない。エマは薬の手掛かりを持っている妖精女王に会いに行くことに決める。穏やかで優しく、そしてちょっと抜けているユーインに、次第に心惹かれていくエマ。けれども、妖精女王に会いに行った山で、ついにユーインにエマの妖精が見える体質のことを知られてしまう。
「……わたしは、妖精が見えるの」
気味悪がられることを覚悟で告げたエマに、ユーインは――
心に傷を抱える妖精が見える少女エマと、心優しくもちょっとした秘密を抱えた青年貴族ユーイン、それからにぎやかな妖精たちのラブコメディです。
ゲームシステムから自由になったNPCの私が勇者様を助けようとしたお話
めぐめぐ
児童書・童話
ストック村のアリッサは、村の名を伝えるだけのNPC。
そんな彼女が何故か心を持ち、勇者に恋をしました。
そんな彼女の元に、気まぐれな神様がやって来て願いをかなえてくれると言います。
大好きな勇者の手伝いをしたいと願い、アリッサはゲームシステムから自由になりましたが、役に立たないと思っていた彼女には、大切な役目があったのです。
とても、とても大切な役割が――
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/children_book.png?id=95b13a1c459348cd18a1)
大きいねずみと小さいねずみ
山法師
児童書・童話
ある棚の下に 二匹のねずみがおりました
一匹は大きく、一匹は小さく
その棚の下で暮らしておりました
/二匹のねずみのおはなしです。少なめ文字数、それぞれ独立の全三話。/
小説家になろうにも掲載しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/children_book.png?id=95b13a1c459348cd18a1)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/children_book.png?id=95b13a1c459348cd18a1)
シンデレラ。~あなたは、どの道を選びますか?~
月白ヤトヒコ
児童書・童話
シンデレラをゲームブック風にしてみました。
選択肢に拠って、ノーマルエンド、ハッピーエンド、バッドエンドに別れます。
また、選択肢と場面、エンディングに拠ってシンデレラの性格も変わります。
短い話なので、さほど複雑な選択肢ではないと思います。
読んでやってもいいと思った方はどうぞ~。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/children_book.png?id=95b13a1c459348cd18a1)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる